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理由 1990年3月7日、水曜日。曇天。 神保町、時刻観書店。 仕事で必要な本を探しあぐねた桜井祐平は、近くの若い男性店員に声を掛けた。 「はい。何か?」 「この本、あります?」 祐平、メモ書きを彼に渡した。 「少々お待ち下さい」 彼はすぐ戻ってきた。 「こちらですか?」 「そう」 「良かったです」 「でも、どこに?」 「本探しの達人ですから」 「探すのを手伝ってもらおうかな」 「喜んで」 名札に清水寛人とあった。 「シミズヒロトさん?」 苦笑