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再スタート ~何者でもない自分~

『失敗』あなたはこの言葉からどんなことを思うか。
僕はかなり愚かである。僕は自分の失敗を今日という日まで失敗と感じていなかったからだ。
失敗というと、どこか負けた気になるし、自分が間違っていたんだという風に言いつけられている気がした。
でも僕はただのプライド高い人間というわけでもない。
小さなミスには、すぐに謝罪を入れて改善する方だし、人の忠告も聴く方だと思う。

でも、今回ばかりは失敗を失敗と認めたくなかった。
それは、自分の生き方を否定することに繋がると思ったから。
それは、自分の考え方を否定することに繋がると思ったから。
要は、自分という存在を否定しているのではないかと考えたからである。
大丈夫、信じていれば想い続けていれば大丈夫だ。と自分を肯定し続けてここまで走ってきた。
”やりたいことをやり続ける生活。毎日にワクワクして毎日に希望を抱き、将来を想う。” これは僕の想いだ。
別になんら悪いことではないはずない。むしろ理想的であると僕は思っている。
ただ、何度も言うように僕は失敗した。
今回は僕と同じような失敗を誰かがしないために、そして僕自身のためにこの文章を書こうと思う。

「やりたいことばかりではなくて、現実を見てやるべきことをまずはやってからやりたいことをやりなさいよ。」
よく母親から言われる言葉である。
「現実を見るのはわかるが、現実だけ見ていたらやりたいことはいつまでたってもできないし、そのまま人生終わっちゃうじゃん。」その度に僕は、こう思うのである。
どちらが正しくてどちらが間違っているとかではなだろうし、正解とかがあるわけでもない。
ここで母親が言っている「現実」と言うのは、お金や自分が置かれた立場のことを言っている。
お金が全然ない。と言う現実。大学生で今も両親に養われている。と言う現実だ。
確かにものすごく母親の言っていることは理解できる。真っ当な意見であることは間違いない。
だが僕は、理解はできても納得はしなかった。
僕は母親の意見を気にもとめずに、自分の思いや考えを最大限に信じて行動してきた。
自分の人生は自分で決める的なことを大事にしてるからだ。

そんな僕は、毎日やりたいことをやりまくった。
やりたいことをやりまくったといえば、社会的に悪いことをしている感じもするが、別にしているわけでもないし、毎日成長していることも実感している。
大学に行くよりも120%成長できると断言できるほど、僕のやっていることは自分にとっても有意義であった。
具体的に何をしていたかと言うと、学外の学生団体での活動だ。
現在もまだ続けているのだが、大学では学べない社会に出た時に本当に必要なスキルや経験をさせてもらっている。そして何より、めちゃめちゃ楽しい。そんな環境が僕をだんだんと『夢中』にさせていく。

夢中になった僕は、他の団体の活動や大学の授業を一切放ってしまい、夢中になった活動に対してさらにハマっていく。夢中になると、他のことなんて目もくれなくなる。これが僕の長所でもあり、短所でもあるところかな。
その活動に、作業に没頭してしまうのだ。
だから次第にバイトにも行かなくなり、大学の授業なんて一切出なくなる。
起きてから寝るまで、常に無我夢中で自分が好きな活動をしていた。

この活動がお金を貰える普通のサラリーマンの仕事とかならまだ良かったのかもしれない。
ただ、僕のやっていた活動はボランティア的な立ち位置であり、無給である。
いくら僕が毎日の時間を費やしたかといって、その時に貰えるお金は1円もない。
むしろ、活動をするために出てくる交通費や交際費などがあるため、お金は結構使う。
冷静にこの文章を読んでいる人は、「お金が出ないのに、よく頑張れるよな。」とか思うかもしれない。
だが、言わせてほしい。その時の僕は少なくとも「お金よりも大事な経験をしているし、この経験を活かすことで将来稼ぐお金が、今の僕がせいぜい稼げる時給の何倍にもなる。」こう思っていたのだ。
この精神のもと、僕はやりたいことに夢中になった僕自身の行動を止めるどころかさらに加速させていく。
もちろん、お金も無くなるし、大学の単位はもう諦めている。
両親には大学の高い授業料払ってもらっているし、仕送りなどから発生した借金もあるのに申し訳ないけれど、将来何倍にもして返しますと心に誓い、まるで小さいガキのようにとことんやり尽くした。

僕はこのしてきた行動や、決断に対して後悔していない。
実際に、活動から得たものは僕の想像以上のもので10ヶ月でものすごい成長したと自分でも感じる。
僕の人生において、一生忘れることのない経験ができた。
だから強がりとかではなく、後悔なんて全くしていない。

だが、僕は失敗した。
正しく言うと、失敗していると言うことに気がついた。かな。
『お金』が原因。
夢中になりやりたいことをし続けた結果、お金が底をつき、やりたいこともできなくなっていた。
やりたいと思ったこと、行きたいと思った場所、会いたいと思った人に、お金が原因で何もかもできなくなっていた。
両親にもいくらか借金をしている。アルバイトもしていなかったため、この先僕の口座にお金が振り込まれる予定もない。
『今』を生きていくお金が底を見せ始めた。
お金が底をついてきた途端に、生活が窮屈に思えてきた。
楽しいことも、ワクワクすることも、何もかもが薄れてくる感覚があった。
「あぁ、これは良くないな。」そんなことを思うと同時に、僕がしていたことをものすごく反省した。
よくこんな言葉が言われている。
「お金よりも大切なことがある。」
僕もこの言葉は間違ってはいないと思う。だがこの言葉を鵜呑みにしてはいけない。

『お金は大事』だからだ。
僕はこの人生をもって体感している。お金が本当に底をつき始めた時に初めて思い知らされる。
この世界において、お金はものすごく大切な存在で、「お金よりも大切なことがある。」なんて、気安く言うものではないなと。
多分、僕と同年代の学生の人達は、ある程度バイトをしてある程度の収入を得ている人達ばかりだと思う。
僕が特殊な例なだけだけれど、夢中になってしまい、それ以外を放っておいてしまったという行動が今の現実を突きつけている。

僕同様に、夢中になりすぎていて。周りが見えなくなっている人は気をつけてほしい。
少なくとも僕と同じようなことにはならないでほしい。
やるべきこととかもそうだが、まず、お金は大事だ。そのことだけは理解して納得した方が良い。
僕はやっと気づいた。とても反省している。

僕は本当に愚かだと思う。
いろいろ反省した上で、懲りずに前を向いているのだから。
現在、全財産が4桁でこれから家賃などの支払いがあるのにも関わらず、懲りずにまた色々やりたいことに挑戦しようとしているのだから。
次は、きちんとバイトもするし勉強もする。と、心に決めて、また走り出そうとしている。

お金が底をつき始めてからが勝負だ。
この失敗を生かしてさらに強く誇らしい人生を送ろうと思う。
少しずつ借金も返していく。少しずつお金も貯めていく。
でもやりたいことを諦めたり我慢したりはしない。
自分の目指す、理想の自分になるために、僕は足を止めることはない。

もう一度言おう、僕は愚かだ。
このことを理解するだけでも全然違う気がする。
ここからどう足掻くかが大切な気がする。
書いていて、なんだかワクワクしてきた。

また失敗を繰り返すかもしれない。
でもそうしたら、また少し立ち止まって反省して、また進めばいい。
死ぬこと以外は、またやり直せる。
この先に今よりもさらに大きな失敗をするかもしれない。
信頼を失うようなことをしてしまうかもしれない。
でも、大丈夫。少しずつ取り返していけば良い。
人生ゲームでまたスタートに戻るようなものだ。
また何者でもない自分に戻るだけ。
また作っていけば良い。何度だってやり直せる。

今回もお金がない。という現実に向き合い、反省した。
考え方や行いを改めるために、人生ゲームのふりだしに戻る。
何者でもない自分、だけど失敗を経験した、前よりも大きくなった自分。

またここからスタートだ。
再スタートを始めるんだ。

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