WARS突然死の原因と防ぎ方

 新型コロナWARSで突然死や急変の例が度々ニュースになっている。(恐怖を煽るために最適ではある)
 アメリカの30代女性 
 イギリスの20代女性、
 フランスの16才女性、
 など、比較的若い人にも見られる。(高齢者はニュースにならないだけだろう)

 以前、2回目の感染で突然死というのはデマだろう、あるとしたら動かないことによる肺血栓塞栓症ではないか?と書いたが、新たな情報が出てきたので改めて考察し直す。

1 ACE2阻害・拮抗による高カリウム・ショック

 これまでも何度か紹介した通り、新型コロナウイルスは細胞のACE2受容体を入り口として感染することがわかっている。
 
 ACE2受容体を塞ぐというのは、高血圧のクスリで最もよく使われるACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)、ARB(アンジオテンシン2受容体拮抗薬)の作用機序と基本的に同じだ。

 このACE阻害薬、ARBの代表的副作用が、実は突然死である。

 これらの薬はアルドステロンというナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促すホルモンの分泌を邪魔することで血圧を下げる作用がある。
 つまり、効き過ぎればカリウムが上がり過ぎて血圧が下がり過ぎるのだ。
 カリウムが上がり過ぎれば心臓は止まる。
 血圧が下がり過ぎればショックになる。

 当たり前だがウイルスは用法容量を守って増殖してはくれない。
 
 武漢で1月にWARSで死亡した170人の高齢者の半分は高血圧患者であったことがわかっている。
 ACE阻害剤・ARBやある種の糖尿病薬はACE2受容体自体を増やすこともわかっており、ウイルスの入り口を増やすとともに、高カリウム血症や低血圧を起こしやすくする恐れがある。

2 抗生物質使用に伴う高カリウム血症・ショック

 ACE阻害剤・ARBによる突然死は、抗生剤併用で出現しやすいことがわかってる。

 新型コロナが感染した状態はACE2が阻害されるという意味ではACE阻害剤・ARBを投与した状態に似ており、ここに肺炎に対して抗生物質を投与することで高カリウム血症や低血圧を起こしやすくなると考えられる。

 実際に私が年末年始に経験した症例でも(PCRはしていないが)、抗生物質投与後に急激に血圧が低下したことがあった。急性副腎不全を疑ったが、ACE2が関係していたかもしれない。

3 ブラジキニン増加による喘息重積発作・上気道閉塞による窒息

 ACE阻害薬のもう一つ代表的な副作用は、咳だ。

 それはACE阻害薬がブラジキニンを増やすからだ。ブラジキニンは浮腫(むくみ)・痛み・血圧低下を起こし、最強の発痛物質と言われる。喘息発作の誘因にもなる。

 新型コロナウイルスはACE阻害薬と同様に作用するとすれば、ブラジキニンを増やすことで重症の喘息発作と同様の呼吸困難を起こすことが考えられる。
 特に鼻・口・のどなどの上気道で浮腫が起これば上気道閉塞となり、窒息を起こしうる。
 空咳中心の症状が喘息や感冒咳症候群に似ること、喘息発作に有効な吸入ステロイド薬が有効であることなどは、WARSの病態の中心がブラジキニン蓄積による喘息症状であることを示唆する。

 よくWARS重症化の原因はサイトカインストームといわれるが、そのサイトカインストームが起きるきっかけが、ACE2阻害に伴うブラジキニン蓄積、というわけだ。

4 解熱鎮痛剤併用によるショック

 ACE2拮抗・ブラジキニン蓄積はともに血圧低下作用がある。
 そこへ無理やり汗をかかせて熱を下げる解熱鎮痛剤、アセトアミノフェンを投与すると当然、血圧が下がりすぎてショックになることは起こりうる。
 さらに解熱剤・アセトアミノフェンは肝機能に負荷をかけるから、他の薬剤や炎症物質の分解を遅らせてしまう。
 
 さて、まとめると突然死の原因は

新型コロナウイルスと薬剤による

高カリウム血症
血圧低下
窒息

 と考えられる。ではそれを防ぐためにできることは何だろう?

1 ACE2を増やすクスリを飲まない

 第一に、ACE2を増やす原因となるACE阻害薬・ARB、糖尿病薬などを飲まないことだ。
 イタリアでは死亡例の99%が持病があり、その48%以上が3つ以上の持病があったとの報告もある。
 持病があるというのは、ほぼイコールそれだけクスリを飲んでいたということだ。
 しかし実際は、高血圧も糖尿病もクスリを飲むことにメリットはない。
 ぶっちゃけ高血圧の基準値自体が無意味だし、クスリで血圧を下げても実は脳梗塞や認知症が増えるだけだ。
 個人的にはクスリで下げる必要がある高血圧は褐色細胞腫などや高血圧緊急症などの一時凌ぎに限られると考えている。

2 解熱鎮痛剤・アセトアミノフェンを使わない

 何度も言っているが、血圧を下げ、脱水を起こし、喘息の原因となり、肝臓に負荷をかけるこれらのクスリは有害無益だ。WHOは解熱鎮痛剤の使用を止めるようにと一旦出した通達を取り下げた。スポンサーからの圧力があったのか?彼らの目的は推して知るべしである。
 

3 抗生物質を使わない。どうしても使う場合はステロイドやカテコラミンによる血圧管理を徹底する。
 
 基本的にウイルス感染症に抗生物質は無効だから使わない。
 ただし、細菌感染が合併した場合は使わざるを得ない場合も多い。
 そうした例は入院させ、ステロイドやカテコラミンによる血圧管理を徹底することによりショックを防ぐ必要がある。

4 喘息発作・感冒咳症候群の治療を行う。
 
 吸入ステロイド・注射ステロイド・カテコラミンやクロモグリク酸(インタール)入りネブライザーで喘息発作の治療を行うことは、WARS重症化を防ぐために有効であり、標準治療にしても良いと考える。
 私はインフルエンザその他に対しても、喘息の既往あるなしにかかわらず症状によって行い有効性を実感している。
 同様に漢方の麦門冬湯は有効であると考える。

5 水分・塩分を十分に摂る

 水分・塩分はあらゆる代謝の基本である。不足すればショックに陥りやすく、喘息も重症化しやすい。
 嘔気などで水分がとりにくい場合は塩分の濃い輸液が必要である。
 逆に糖質の多い飲み物や輸液は脱水や炎症を助長する。

6 ビタミンD・ A・C・ナイアシンを十分に摂る 

 ビタミンDは免疫力を高めると言っても、それは闇雲に反応を増すのではない。
 野球のバッターで言えば、バットをブンブン振り回せるようになるのではなく、正確にミートできるようになるイメージだ。だから過剰な反応(アレルギー・喘息)は起こりにくくなる。
 ビタミンA・Cは炎症を起こりにくくしてくれるし、ナイアシンはACE2に本来結合する物質であり、ウイルスの侵入を競合的に防ぎ、抗微生物ペプチドを出してくれる。
 ビタミンDは日光とサプリ、ビタミンAは肝油・バター、ビタミンCは果物に多いが、発症後は高カリウムを心配するなら、果物よりこれもサプリがいいかもしれない。ナイアシン・水分・塩分は味噌汁が最適だ。

7 塩うがい・鼻うがい
 ACE2受容体は口や舌に多いことがわかっている。塩うがい・鼻うがいで上咽頭や扁桃を含めきれいにしておくことで免疫を働きやすくし、誤作動・過剰反応を防ぐ。

 以上、新型コロナWARSの重症化・突然死の原因とその防ぎ方をまとめてみた。
 もちろん私なりの仮説にすぎない。

 少々専門的になったが、簡単に言えば、

 ビタミンDサプリと味噌汁飲め。
 余計なクスリを飲むな。

 今までの私の主張そのままでいいということだ。



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