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〇〇チン義務化は現代の禁酒法である。

(この記事は☝️の邦訳です)

 多くの人々に支持される政策が必ずしも良い政策とは限らない。

 禁酒法(1920~1933)は、現代史における明らかに失敗した政策の代表であるが、人々に広く支持されていた。ここに教訓がある。

 〇〇チン義務化と同じように、禁酒法は社会的に良い目標を達成したいという欲望に基づいていた。その支持者たちは目標が法的な強制なしには達成できないと感じていた。そしてそれは「科学」によって根拠を与えられていた


 禁酒法の目標は飲酒そのものを減らすことではなかった。本当の目標は飲酒が原因となるとみなされていた犯罪・貧困・家庭内暴力などの問題を減らすことだった。
 これこそ禁酒法があまりに劇的に失敗した部分である。

 禁酒法はそれらの問題の多くを、改善したり減らしたりするどころか悪化させたのだ。

(訳者注:アルコール密売でアル・カポネらギャング・マフィアが力を持ち、暴力沙汰や売春が横行、法的機関は腐敗した。またアルコール燃料産業が壊滅し、石油産業が絶対的権力を握った)

 当時の禁酒法支持者が現代の〇〇チン義務化支持者の群れと違うところは、『予想もしていない結果』への配慮である。禁酒法支持者は禁酒法が莫大な酒税による国家収入に大きなダメージを与えるだろうことを知っていた。
 この懸念に備えて、禁酒法支持者はまず合衆国憲法16条の改定運動を行い、議会は諸州や国勢調査に関係せず所得税を課すことができるようにした。
 歴史は彼らが見逃していた『予想もしていない結果』が他にも多くあることを物語るが、少なくとも彼らは努力したのだ。

 〇〇チン義務化の『予想もしていない結果』は何千万人もの人々を社会から排除することであり、全く考慮されている様子が見られない。

 人々を仕事から追い出すコストはどのくらいだろう?特に勤務時間が制限されている時に?

 医師や看護師を解雇するコストはどのくらいだろう?新たなコ○ナの季節に入ろうとしている時に?

 警察官を解雇するコストはどのくらいだろう?アメリカの歴史上最も速い速度で殺人率が上昇している今?

 多くの人々をレストランやエンターテインメントの会場から閉め出すコストはどのくらいだろう?

 それらのコストは未接種のマイノリティにとってアメリカの全ての州で白人より不釣り合いに重く課されるだろうか?

 ここマサチューセッツでは?現在私たちが「議論」と呼ぶ状態は、こうした多くのことが問われさえしていない。

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 よりやっかいなことは、もし義務化されたとしても、それは義務化支持者が求めているコ○ナウイルスの感染を止めるという目標に全く有効ではなさそうだということだ。
 CDC(アメリカ病気管理センター)は「未接種者」を悪者扱いするために季節性変動による地域格差を不当に利用し、高接種率がこの病気を消すと主張した。
 それは南部での主なコ○ナシーズンである夏の間は正しく、接種率の低いアラバマ、ジョージア、フロリダではマサチューセッツなどの高接種率の州より高い感染率を示した。

 しかし今、私たちの季節になり、話はひっくり返った。高接種率のマサチューセッツ州は接種率の低い3つの州より著しく高い感染率を出している。

 68の国と約3000の郡の研究によれば、より厳密な分析で高接種率は感染者を減らさず、増やしている可能性すらある。

私たちは現実世界でもこの現象を見ている。ここマサチューセッツでは、現在の感染者は昨年の同時期より2倍以上多いのだ。イングランドでは、30才以上の全ての年代で接種者の感染率は未接種者より高い。接種者を免除する検査手法によって、いずれの数値も過少に見積もられているのに。

 接種率が感染を減らす程度には議論がある(アメリカのデータはひどいものだ)。しかしもはや接種がコ○ナを消すと主張することはできない。例えばアイスランドでは80%以上の人が2回接種済みにもかかわらず感染者は激増している。

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 アメリカ中の大学で、接種率は100%近いにもかかわらず、感染者は昨年より今年の方が多いコーネル大学では昨年の同時期より5倍高い


 これは継続的な屋内マスク、毎週のPCR検査、社会活動と旅行の制限にもかかわらずである。

 さらに、私たちは他の感染を止めない〇〇チンを経験しており、そのような〇〇チンが病気を根絶した例は一例もない。水ぼうそう〇〇チンは感染を止めない〇〇チンである。アメリカの水ぼうそう〇〇チン接種率は90%を超える。それにもかかわらず、水ぼうそうは広く蔓延している。
 この理由から、イギリスを含む多くの国では水ぼうそう〇〇チンを広く接種しておらず、リスクが高い人々にだけ接種している。

 厳しい義務化は明白な公共の利益がある場合にのみ検討される余地がある。その基準はこれまで達成されておらず、近づいてさえいない。

 私たちの新しい逆転した世界が発展するにつれて、接種した人々はコ○ナから〇〇チンの効き目によって守られているはずなのに、今彼らは未接種者から守られなくてはならないと教え込まれている。

 この教義が間違っていることを証明するおびただしいデータが存在する事実は無視されている。目標はそれが正当な怒りと思いこむまで恐怖と怒りを煽ることなのだ。

 この手法も禁酒法時代に試みられた。それはKKK(白人至上主義団体)の増大につながった。黒人とヒスパニックの社会での低い接種率を考えると、危険信号が点っていると考える人もいるだろう。

 時々、もし〇〇チンが感染者を減らさないとしても、医療崩壊を防ぐために接種を義務化しなくてはならないという意見を聞く。これはもう一つの論点のすり替えである。私たちの病院は昨年、〇〇チン無しでも医療崩壊に近いことにすらならなかった。冬のピークでもコ○ナ患者は全ベッド数の13%以下しか使用しなかった。そして配置されたベッド数は11%減った。医療崩壊を感じているなら減らすはずがない。私たちのICUはあまりに「医療崩壊の危機」だからベッド数を30%も減らしたのだ。(訳者注:皮肉)


 私たちは冬のコ○ナ激増を迎えつつある。夏の教訓に学べば、リスクが高い人々の高い接種率にもかかわらず、感染者数、入院数、そして死者数が激増するだろう。すでにヨーロッパで起こっている。私たちはそれに備えるべきだ、自分の州は接種率が高いから起こらないと思っているフリをするのではなく。

 マサチューセッツ州では現在、昨年の同時期より50%多くのコ○ナ患者がいる。死者数はだいたい同じだ。病院では、院内感染を防ぐためにコ○ナにかかって自然免疫を持った人を特定するべきだ。それらの人々は著しく6~13倍感染しにくく、かつ未感染の〇〇チン接種者よりも弱い人に感染させにくいからだ。

 ところが、私たちはそうした人々が接種しないことを選択したら解雇しようとしている非常に多くの研究がすでに感染した人に〇〇チンを接種しても何の防御効果もなく、高い副反応リスクがあることを示しているにもかかわらず。

 リスクの高い人々が未接種者でいるなら、接種するように説得を試みてもいいだろう。しかし義務化や強制は話が違う。悲しい真実は私たちの公的な公衆衛生は自分たちのひっきりなしの「権威ある嘘」によってひどく信頼性を損ない、義務化や強制することをとてもとても難しくしているということだ。この期に及んで何が有効だろう?そして誰のために?

 未接種者を接種するように説得する前に、私たちはまず彼らが接種しない理由を理解する必要がある。私に言える限りは、以下が人々が接種を受けないことを選択する主な理由であり、彼らを説得できる可能性だ。

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 自然獲得免疫はより持続性でより効果的である。特に感染を減らすことに関して。これらの人々を接種を受けるように説得しようと努力する必要性はほとんど見られない。先に触れたように、黒人やヒスパニックの人々は接種率が低い傾向にある。しかし彼らはずっと高い確率で感染済みであり、高い確率で自然獲得免疫を持っていることも知っておく価値がある。白人より30~50%高く、アジア人の2倍以上高い。(訳者注:抗体保有率の話。アジア人は抗体を持たずともT細胞免疫記憶を持つことが報告されている)

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 私たちは若者や健康な人に接種を強制すべきでもない。FDAはコ○ナ関連死のリスクは健康な30才にとって0.0004%、25万分の1と見積もっている。インフルエンザ、交通事故、自殺、薬物中毒、そして全てのその他のリスクより大幅に低い。

 これを考えると、私たちは接種推奨の努力をリスクが高く接種していない人に絞るべきだろう。
 以下の5つの行動が助けになる。

1 義務化の脅しをやめる。

 リスクが高い人々にも、現在行われている強制に屈さないという決まりのグループに属している人がいる。彼らはグループの決まりだから拒否しているのだ。そうした人々の中には接種を受けることで利益がある人もいるだろう(と筆者は信じる)。(訳者注:いないいない)

 強制をやめることで、こうした人々の反対を取り除くことができる。

2 CDCの声明と謝罪ー嘘・誇張・間違い・政治利用そして無能を繰り返したことについての。

 他のどのこと以上に、これが信頼回復につながるだろう。CDCが多くの誤りを認めるまで、CDCが進めることは絶対に何もしないと決めている人々のグループがある。

3 基礎疾患に基づいた相対的リスクを公表する。

 怠慢からか無能からか、CDCは年代ごとの基礎疾患に基づいたコ○ナのリスクを発表していない。CDCは常に健常者と基礎疾患を持つ人を一緒くたにしている。これは健康な人々のリスクを大幅に誇張する一方、基礎疾患のある人のリスクを大幅に過小評価させる。特に複数の持病のある人に対して。たとえ全ての副反応死を考慮しても、そうした人々にとってはコ○ナのリスクの方が〇〇チンのリスクよりずっと大きいだろう。(訳者注:リスクが足されるだけでは?)そして健康な人とはどれほどコ○ナのリスクが違うかわかれば、リスクの高い人の多くは接種を受ける決断をすると私は強く確信している。(義務化の脅しが取り除かれている場合に限り)(訳者注:リスクが高い人は〇〇チンのリスクも高いが)

4 「私の〇〇チンがあなたを守る」的な言い回しを撤回する。

 この言い回しは接種をためらっているリスクの高い人々が接種を受けないもう一つの理由になる。特に接種率の高い州において。さらに、より多くのデータが出るにつれて、全く事実ではないことが明らかになった(上記の通り)。この一年を通して起こったことを学んだなら、個人的な恐怖が強い動機となる。

5 マスクについて正直になる。

 一部のグループの人々はー主に黒人女性ーマスクが〇〇チンと同等以上の感染防御効果を持つと信じているから接種を受けない。CDCが過去19カ月間そう言ってきたから彼女たちは信じているのだ。

 これまで彼女たちはコ○ナにかからなかったし。これらの「マスク信者」「〇〇チン拒否」の人々は「マスク拒否」「〇〇チン拒否」の人々の数を上回るようだ。この「マスク信者」「〇〇チン拒否」グループは極端にコ○ナにかかることを気にしている。もう一度言おう、この逆さまになった世界では、よりコ○ナにかかることを恐れる人々だけが、接種を受けマスクをしている。この「マスク信者で〇〇チン拒否」の人々を説得するために必要なことは、CDCによるマスクが感染防御に有効であるというエビデンスがいかに質が低く弱いかという声明である。
 CDCは人々にこれまで彼らがコ○ナにかからなかったのは彼らと周りの全員がマスクをしていたからだと言ってきた。人々にそう言い続ける限り、そのグループの人々の多くは、医療機関や〇〇チンをあまり信用していないので、過去18カ月間自分たちの「安全に守ってくれた防具」に頼り、見知らぬ〇〇チンを打とうとしないだろう。
 これはCDCがいかに無能かをを示すもう一つの例であり、文字通り人々を殺している(フロリダで死亡した3人の教師はマスク義務化の学区で間違った安全意識を植え付けられて働いていた)

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 説得は強制よりはるかに効果的だ。一般的な子どもの〇〇チンでも、接種免除のない義務化州と、宗教的あるいは思想的な理由での接種免除が認められたゆるやかな義務化がある州での接種率の差はほとんどない

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 事実、接種免除のない義務化州は生後35カ月時点で宗教・医療・思想的な理由で免除が認められた州より接種率が低い。幼稚園までには、全ての週がとても高い接種率を達成する。そして接種免除のない州はわずかに接種率が高いが、その数字はその頑迷な政策によって学校を追われた未接種の子どもたちを除いている

 コ○ナ以前、私たちは私たちの社会の目標が排他的でない社会を築くことだと理解していた。
 新しい方法は、その態度を180度変えてしまった。それは何千万人もの人々を排除し追いやろうとしている。そしてその目標はその方法を正当化できない。

 この変化がもたらすコストは計り知れない。政治家や専門家は意図的にこれらの質問を避けてきた。しかしこれらの政策が実行されれば、そのコストはきっと歴史的なものになる。

 禁酒法はアメリカの生活の多くの側面を作り変えた。私たちが今考えている変化はそれよりずっと大きなものになる。現在行われようとしている接種義務化は何千万人もの人々の生きる権利を剥ぎ取ろうとしている。その標的となる人々を取るに足らないと見なすことはできない。たとえその支持者たちがそう見なしたとしても。

 私たちの最も基本的な権利の重大な侵害への支持を集めるために、政治家と官僚は恥知らずな「分断」を行った。ある「悪い」人々が他の「良い」人々を命の危険に晒していると吹き込んだのだ。
 この戦術は私たちの国でも他の国でも何度も用いられている。「醜い」と言うだけではその結果の始まりさえ描写しきれない。

 今こそ、私たちは家族・友人・近隣の人々と一緒に立ち上がる時だ。自分たちの失敗を人々のせいにしようとする政治家や官僚と一緒にではなく。
 私たちは信頼と透明性と説明責任に基づいた社会に戻る必要がある。強制と検閲と生贄の新しい社会モデルに進むのではなく。

 著者のサイトから再掲。

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著者:エミリー・バーンズ Emily Burns ;マサチューセッツ州ニュートン在住。州議会議員候補。Sweet Briar College卒業(生物化学・音楽)。ロックフェラー大学で神経科学の博士課程で学んだ。Learnivoreやその他のベンチャーの創立者の一人。寄稿者としてRational Groundで活躍。

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