Q&A アレルギーのクスリ(抗ヒスタミン薬)は新型コロナにどうなの?


Q
いつも記事を拝見させて頂いてます
従業員に毎日Dのサプリを飲ませています。
私もですが従業員には花粉症がおおく
薬(アレジオ○)をのんでいます
このような薬は
今のコロナに対して危険なのでしょうか?
お時間可能な限りで
教えて頂けたら
有り難いです
よろしくお願い致します。


A ズバリおすすめしません。 
 
 従業員にビタミンDサプリを飲ませていらっしゃるとのこと!
 すばらしいですね!
 日本中の企業・団体でそうすれば、非常事態宣言なんていらないでしょう。
 すでにそうしてくれた人が多いから、今このくらいで済んでいるのかもしれません。(だったら嬉しい)
 さて、アレルギーのクスリ、抗ヒスタミン剤についてですが、ズバリ言ってもいいですか?
 おすすめしません。
 コロナに対して、ということでは、血圧を下げるクスリ(ACE阻害剤、ARB、〜タン/〜サルタンという商品名)や糖尿病薬のように、新型コロナウイルスの受容体(ACE2)を増やすということはなさそうです。
 ただそうでなくても、様々な不利益があります。


 1 副交感神経をブロックする

  副交感神経は自律神経のうち、リラックスする方の神経です。副交感神経をブロックする作用を抗コリン作用と言い、胃痛のクスリや睡眠薬などをはじめ、多くのクスリが抗コリン作用を持ちます。

 アレルギーのクスリも典型的な抗コリン薬です。

 副交感神経がブロックされると、唾液が減って口が乾き、腸の動きや腸液が減って便秘になり、吐き気がしたり、ぼんやりしたりします。

 唾液は感染防御にも重要な役割があり、乾いた口の中は病原体が感染しやすいですし、便秘になって腸内環境が悪化すれば免疫力も低下します。胃腸が止まり吐き気が起きれば脱水になります。
 さらに眠くなったのにリラックスできない、睡眠薬では意識はないのに緊張しているという状態になり、疲れが取れません。

 2 アレルギーがひどくなる。

 抗ヒスタミン剤は、アレルギー反応を起こすヒスタミンという物質の受容体を塞ぐことで一時的にアレルギー症状を抑えるクスリです。
 ところが、クスリを長く連用しているとだんだん効かなくなります。
 これを薬剤耐性と言います。
 身体の細胞たちは受容体をブロックされると、受容体を増やすなどして、クスリに対抗するのです。
 ちょうど、血圧を下げるARB(ACE2ブロッカー)がACE2受容体を増やしてしまうのと同じです。(ACE2受容体が増えると新型コロナウイルスが侵入しやすくなると考えられます)
 ヒスタミン受容体の場合は、増えてもコロナウイルスが侵入しやすくはなりませんが、アレルギーを起こしやすくなります。クスリが切れるとクスリを飲み始める前より鼻水などがひどくなり、クスリを飲んでも効きづらくなるのです。
 まさに本末転倒です。かつて同僚だった耳鼻科医(喫煙者)は大量の抗ヒスタミン剤を飲んでいて、患者に「大丈夫ですか?」と心配されるほどの花粉症でした。
 WARSは喘息様の症状になりやすく、そこにはヒスタミンも関わっている可能性が高いです。
 ですから抗ヒスタミン剤を常用している人は、喘息症状がひどくなりやすい恐れがあるとと考えます。


 3 肝臓・腎臓に負担がかかる

 クスリは栄養素ではなく身体にとって異物であり、肝臓が代謝して腎臓が排泄しなくてはなりません。
 連用している人では検査すると肝障害が出ていることもあります。
 肝臓と腎臓は感染症に際しても最も負担の掛かる臓器です。余計なクスリを代謝する負担は少ない方がいいでしょう。
 
 4 お金がかかる

 当たり前ですが、クスリを買えばお金がかかります。そのお金があれば、もっと重要な栄養素を含む物を食べたり、楽しみに繋がることをしたりできたはずです。その方が免疫力を高められます。

 5 そもそもメリットがない

 長期的にはアレルギーを酷くしてしまうのですから、そもそもクスリを飲むメリットがないことになります。
 ビタミンDを飲んでもクスリが必要なくらい花粉症がひどいとしたら、何か原因があるはずです。
 喫煙、腸内環境の乱れ(ビタミンDが吸収されない)、ビタミンDが足りない、上咽頭炎(のどの汚れ、鼻うがいが有効)、環境が汚いなどです。
 心と身体のメッセージを受け止めずに病が治ることはありません。
 
 メッセージを受け止めた上で身体が癒えるまでの一時凌ぎとして使うならいいかもしれませんが、漢方の小青竜湯がおすすめです。
 その場合も1日何回と常用するのでなく、身体の調子を見ながら最小限に頓服する方がいいでしょう。

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