いっぱい間違っていい
「いっぱい間違っていいんですよ」
よくセミナーを主催してもらっていた晴美さん(通称はるみどん)と、ちょっと前にお茶したときのこと。
ある人曰く
「断食明けにカツ丼を食べる」
位の間違いをされたらしい。(モノのたとえ!実践したら死ぬw)
「いいじゃない、間違って。だってはるみどんはメンタルコーチ・カウンセラーなのだから」
と申し上げました。
心理面のアドバイスをする職種はひとつ特徴があります。
いくらスキルを伸ばしても、クライアントのメンタル改善には関係ありません(!)。
会話がうまくいき、クライアントと楽しくやりとりできて、満足していただいても、クライアントのメンタルが回復・成長するわけでは無いのです。
つまりカウンセラーは自分がいくらすごくても、自分がいくら正しくとも、意味が無いのです。
▼この本にも書いたこと
じゃどうしたら
クライアントのメンタルが改善するかというと、
クライアントが
「潜在意識を意識化する」
かどうかにかかっているのです。
今まで意識してこなかった「言葉にならない意識」にアクセスされて、がんばって言語化されることです。
表面的に目に見える事象でいえば、クライアントがたどたどしくも言葉を絞り出して自己開示するような場面です。うまく言える場面ではありません。
カウンセラー側がそうしたクライアントの自己開示を促す方法として主流なのが
・ただ耳を澄ませて聴く
です。正確には聴いてもらえていると伝わればいいので、相手の言うことをしっかり理解・記憶する必要はありません。そもそも、言語化されていなかった部分をたどたどしく言語化されるので、理解は難しいです。
あとは、「潜在意識を意識化する方法」を指導することです。私の知る限り、やり方としては、心の掘り下げ、瞑想の一種で西洋式座禅(フォーカシング)など。
この
今まで意識してこなかった「言葉にならない意識」にアクセスされて、がんばって言語化することを
「自己開示」とも言います。
たとえば、隠していた罪の告白、みたいなことです。言葉にせず閉じ込めていた自分について話すのです。
罪の開示なので
「おのれの正しさ」
を主張するわけではありません。
むしろ
「おのれの間違い」
に気づいて語るのです。キリスト教の懺悔ですね。
この「自己開示」の効用を知る人が増えた影響か、自慢のように語る人もいます。
これは中々ややこしくて
「懺悔することは正しい」
「隠していた罪を告白することは正しい」
という価値観になった人がやります。
「こんな間違う私はすごいでしょ!」と。
このように正しさの主張や自慢めいてくると、自己開示とは全く異なるものになります。正しさの主張は自己弁護だし、懺悔と自慢は全く正反対のものです。
なので、
「いやー、やっちゃった…」
っでいいってこと^^
特にカウンセラーのような対人援助職は、「いやー、やっちゃった…」を開示することは、
「職業上望ましい態度」
といえるでしょう。
カウンセラー自身のメンタルが改善するし、その様子を見たクライアントの自己開示とメンタル改善も促されます。
メンタルの改善は
間違ったことを認める時に起こるってこと。
懺悔する時に人の心は改善・成長します。
なので、いっぱい間違っていいのです。
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