ちくわは夢の中で
ちくわは駆ける駆ける駆ける!
ケージみたいな狭いところになんか、もう戻るか!
ちくわは草原を駆ける駆ける駆ける!
耳がピンとたち、目はくりっくりに見開き、ときどき立ち止まって風の音を聴く。近くに大きい獣がいないか、耳をそばだてる。
土のにおいを嗅ぎ、うまそうな虫がいないか探す。
あっ、ミミズだ!
土を掘り、前歯でくわえてかじる。ミミズは抵抗してからだをくねらせるが、ちくわは前足でしっかりとミミズをつかんで離さない。
ミミズはとろっとしてうまいんだ。
彼は食事を終えて、すっかり満足そうだ。
きょうはいい風が吹いている。
どんな生き物たちに出会うだろう。
どんな自然と巡りあうだろう。
ちくわはきょうも草原を駆ける!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?