誰かのために、自分のために、全力になれた夏
早稲田大学応援部に入部して、初めて迎えた夏合宿。
応援部の合宿は80年続く応援部文化の濃いものが詰まった独特な雰囲気を持つ。
常軌を逸脱する上下関係や規律は勿論のこと、合宿独自の様々なルールある。10日間インターネットを禁止され、朝の5時から校歌の斉唱し、常に絶叫を求められる。
厳しい合宿を乗り越えても、決して応援部は目立つ存在ではない。
苦しい練習をして何のためになるのかと正直辛かった。
くすぶっていた私に、当時の新人監督が
「選手以上の努力をするから応援部の”頑張れ”には力がこもるんだ。」
という言葉をかけてくれた。
アスリートでない応援部だからこそ、選手たちの血の滲むような練習を理解しなくては、彼らに胸を張ってエールを送る資格はない。この言葉が腑に落ち、合宿を機に私は努力を惜しまなくなった。
この経験から、誰かの努力に応えられる、そんな自分であり続けたいと、心から思えるようになった。
努力家の私は、ここからはじまる。