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【ぼっち・ざ・ろっく】ぼっちちゃんのレスポールの正体考察(ぼっちギターの作り方)

大人気アニメ(漫画)ぼっちざろっく。私も大好きなこのアニメでは、私が大好きなギターも丁寧に描かれています。ギターオタクとしてはぼっちちゃんのギターが色んな意味でとても気になったので、今回「ぼっちギターは何なのか」論点をまとめて行きたいと思います。

OP映像より。適度にデフォルメされたすばらしい作画

1.3つの可能性

私は調べた結果この3通りの可能性があると考えます。
①Gibsonではない
②Gibsonを魔改造
③ぼっち父が作り上げたオリジナルギター
以下、この3つに絞った論拠をまとめていきます。

2.アニメ、漫画から得られる情報

原作の表紙。指板バインディングなし。ポールピースあり。ステッカーあり
漫画での初登場。ボディバックの縁に注目。まさかボルトオンではないよな
演奏中。指板バインディングなし。すばらしい作画
OP。やはり指板バインディングなし。ステッカーなし、省エネ作画

私が一番注目するのはバインディングです。
バインディングとはボディ、ネック、ヘッドストックなどの角に沿って付けられた縁飾りのことです。Fenderにはあまりなく、Gibsonによく見られる飾りです。基本的には白色・クリーム色でカスタムの多くは黄色く見えます(経年劣化でしょうか)。ぼっちギターの黄色い縁のことです。

Gibsonレスポールの場合のバインディング
・レスポールスタンダード等レギュラーライン・・・ボディトップ、ネックの指板
・スタジオ等廉価ライン・・・バインディングなし
・カスタム・・・ヘッド、ボディトップ、ボディバック、指板

ぼっちギターのバインディングは
・漫画・・・ボディバックあり、指板あったりなかったり
・アニメ・・・ボディバックなし、指板なし
・共通・・・ヘッドあり、ボディトップあり

他に気になる点はポールピースなどです。
ギターの音を拾うピックアップという重要なパーツがあるのですが、ポールピースという部品が見えるか見えないかはピックアップカバーの形状により異なります。

一般的なカバー。6本のポールピース(ねじ)が調整可能です

アニメでは通してポールピースが見えないカバーが描かれているように見えました。喜多ちゃんギターのはしっかり描かれている点から、ぼっちギターのピックアップカバーは特殊なものな気がします。

しっかり6本描かれているポールピース

他には、インレイの位置にばらつきが見られますが作画のブレと考えます。
この辺は詳しくないとわかりにくいですから。
また漫画ではピックガードに金色のステッカーがあります。限られた時期のGibsonに貼られていたものらしいです。

漫画の特徴・・・ポールピース見える、ステッカーあり
アニメの特徴・・・ポールピース見えない、ステッカーなし

機材に詳しいリョウさんによるとフレット錆、クラックがある年季もの

11話では
リョウ「フレット錆、クラックがある相当使い込まれたビンテージもの?」
ぼっち「お父さんが若い頃から使ってるやつを借りているので結構古い」
という会話があり、かなり古いギターのようです。

ちなみに漫画では楽器屋に行った際「ぼっちちゃんの初代ギターじゃん」と虹夏が50万円のギターを示すシーンがありますが、ぼっちちゃんやリョウがいない時の発言であり、正確性はありません。

ここで有識者の見解を紹介します。

https://twitter.com/koichizikan/status/1587837599145938949?s=20 より

こいちさんが描いた、とてもわかりやすくまとまっている図を紹介します。ここで私が着目する点はスイッチ、ボディバックバインディングです。プレートを含めて金ぴかなスイッチはGibsonではなさそう。カスタムなのにボディバックにバインディングがないのは奇妙。

「ぼっち・ざ・ろっく」のレスポールは「○○年製」の「〇〇」【ギターバイヤー増田】

有識者ならではの観点で特定されています。この方の結論は動画を御覧ください。
ノブ、ペグ、PGのステッカーに触れているがバインディングへの言及はありません。
ステッカーを重視している点から、アニメは確認してなさそうです。またノブ、ペグは簡単に変えることができます。父親がそのままの状態をキープしているという保証はありません。漫画版のモデルはこれかもしれません。

3.Gibsonレスポールカスタムとは

Gibsonレスポールカスタムの概要について、https://guitar-hakase.com/8808/ より引用、加筆
『「ギブソン・レスポール・カスタム(Les Paul Custom)」は、「タキシードに似合うギター」をコンセプトに、1952年に発表された「レス・ポール(Les Paul)」の高級仕様として、1954年に発表されます。

  • 精悍なグロス(つやのある)ブラックのカラーリング(現在ではホワイト、サンバーストなども)

  • 高級感を演出する多層バインディング、ゴールドパーツ、白蝶貝(マザー・オブ・パール)のポジションマーク、ヘッドインレイ

  • 銘木であるエボニー(黒檀)を指板に採用

というドレスアップを施した特別仕様モデル。金属パーツはゴールドが基本で、ヘッドには「スプリット・ダイアモンド・インレイ」が輝きます。レスポールの「台形」から「長方形」に変更された指板インレイは1フレットから取り付けられている。』

漫画に近い仕様

ぼっちちゃんのギターの木材やパーツの中身はわからないものの、見た目は上記のポイントを多く抑えていることがわかります。ではぼっちちゃんのギターはGibsonレスポール・カスタムなのでしょうか?

4.作画の問題、改造の可能性

アニメという性質上、ギターを完璧にリアルに作画するのは不可能です。一枚絵なら写実的に描くことはできるかもしれませんが、アニメとして動かさなくてはなりません。細かいディーテールを省略することは合理的です。
また、一人のアニメーターさんだけで描かれているわけでは当然なく、話数、シーンによって作画ブレが生じることもあるでしょう。

更に、この作品のアニメーターさんはギターにあまり詳しくないことが推定できます。ペグやブリッジ、指の位置、動き、ギター経験者ならすぐ気づく作画ミスが多く散見されます。私はこのような細かいミスは許容される、全く問題ないと考えますが、目につくのは否定できません。

かっこいいイラストを筆者が再現した写真。通常、レスポールは床にべったりつきません
Fコードを練習中の喜多ちゃん。ギタリストなら一目でおかしいと気づく作画
チューニングしてあるのにペグの向きがすべて揃っているのは奇妙。あとロゴの角度

以上より、アニメの作画が正義だと言うことはできず、アニメだけでぼっちちゃんのギターを推定することは不適です。

次に、改造の可能性についてです。先に示した通り、Gibsonはおろか、コピーモデルでも無いような仕様がたくさんです。ギターの音や見た目の改造をすることはよくあることであり、ぼっちパパがやっていなかった保証はありません。
簡単なところだと、ノブやプレート、ロゴステッカー。少し手間だが全然可能なのはペグ、ピックアップ交換。

大変なのはバインディングです。本物のバインディング加工はプロに頼む以外だと現実的にかなり難しいです。ボディはまだしもプレイに影響する指板に手を加えるのはとても勇気がいります。
もしやるとするなら塗装でしょうか。指板のバインディングを黒く塗りつぶせばパッと見は再現できます。

ロゴがGibsonだからといってGibson製とは限りません。もともと偽物として作られているケース、塗りつぶしてロゴステッカーを貼ったケース、色々考えられます。ぼっちギターのロゴはものすごく傾いているのでステッカーの可能性あり。

https://www.zinguitars.com/REPAIR_item/040_FakeGibson/FakeGibson001.html より


5.①Gibsonではない説

アニメ、漫画の特徴を細かく見ていくと、Gibsonのギターだとは考えにくいです。とすると別のメーカーのレスポールカスタムコピーだと言う説が浮上します。
とはいえレスポールカスタムに今まであまり興味がなかったので他にメーカーが思い浮かびません。一昔前コピーしまくっていたジャパンビンテージの亜種でしょうか。近年数ある廉価ブランドのどれかでしょうか。

6.②Gibsonを魔改造説

現実的に可能であり正攻法なのがGibson魔改造説。
(1)レスポールカスタムを改造 (2)レスポールスタジオを改造
の2パターンが現実的かなと考えます。

(1)はレスポールカスタムの指板のバインディングをなんとかして消すアプローチです。黒く塗りつぶす。またはバインディングを取って、黒いバインディングを巻き直す等。 
(2)はレスポールスタジオのヘッドとボディにバインディングを付けるアプローチです。こちらの方が難しそうですが、演奏中気にならない場所なので思い切っていじってもいいかも?

スタジオは最初からバインディングがないコスパモデル

7.③ぼっち父が作り上げたオリジナルギター説←最有力

結局のところ、この説しかありえないかな、と言わざるを得ないほど特殊なギターです。古いギターとのことですので、ぼっちパパが若い頃に買ったジャパンビンテージをコツコツ改造したり、修理したり、ネック交換したりしたオリジナルなギターなのでは無いでしょうか。
それを受け継いで猛練習し、ギターヒーローとなったぼっちちゃん。仲間と出会い新しい一歩を踏み出した時に引退を迎えた、と考えると胸がアツいです。2代目のPACIFICAも次の世代に受け継がれたらかっこいいですね!

結論.存在しない

最後に、ぼっち・ざ・ろっく!原作音楽監修を担当されているInstantさんのツイートを紹介します。

https://twitter.com/ioArthus/status/1588127740439326720?s=20 より
監修の方がおっしゃっているのでこの話は終わり

「現実に存在してるモデルからズラしてる」
「なんでズレてるかとか ぼパパが何に憧れてたのかとかは各々の解釈でよろ」とのことです。

長々と一人でミルクボーイをやってきましたが、原作に携わる人が存在しないと言ってるのですから、

ぼっちパパギターは存在しません。QED

(そのギターの指板にはバインディングが無いらしいねんな。あ~ほなレスポールカスタムと違うかあ~)

おまけ. ぼっちパパギターを再現

私ならぼっちパパギターをどう再現するか、妄想していきます。

重要な特徴は以下の通りです
1 ゴールドパーツ
2 ゴールドスイッチ
3 Gibsonロゴ
4 ダイヤヘッドインレイ
5 1フレットから始まるブロックインレイ
6 ヘッドバインディング
7 指板バインディングなし
8 ボディバックバインディング
9 角ばったペグ
10 ポールピース見えない
11 ソンブレロノブ
コスパ重視、アニメ・漫画どちらかに合ったモデルにしたいので8は気にしないこととします。またポールピースを隠してしまうと音に悪影響を及ぼすと私は考えるので10もスルーします。

まずは素体。安くて多く特徴を備えているBLITZをピック。
この時点で1,5,6,9はクリア。

2 ゴールドスイッチ、11 ソンブレロノブは購入できます。

4 ダイヤヘッドインレイ は微妙に違うのでうまいこと黒く塗ります。
7 指板バインディングなし もうまいこと黒く塗ります(適当)。
少し調べてみると意外と大変そうなのは3 Gibsonロゴ でした。メ○カリ等の非正規なルートじゃないと手に入りそうにありません。なんとか調達するなり印刷するなりします(適当)。かなり傾けて貼ります。

以上を踏まえたコラ画像がこちら

これが「ぼっちパパモデル」だ!

Gibsonについて、レスポールカスタムについていい勉強になりました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

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