Google Scholarで効率よく論文を検索するには? 言語別・刊行年別で検索する方法
どうも、『人文×社会』の中の人です。
今回は、検索パラメータを活用して、Google Scholarで効率よく論文を検索する方法をご紹介したいと思います。
この方法を使うと、英語やフランス語、ドイツ語など、特定の言語別で検索したり、刊行年の範囲を指定して検索したりすることができます。
Google Scholarは使い勝手が悪い!?
世界中のあらゆる分野の論文が検索できるGoogle Scholar。
海外のJSTORやphilpapers.org、国内のJ-STAGEやCiNiiをはじめとする学術論文データベースのほか、国内外の大学や研究所の機関リポジトリを横断的に検索できます。
これを使いこなせれば、論文で使う参考文献を見つける際の強力な武器になりそうです。
しかし、いざGoogle Scholarで検索しようとすると、どうにも使い勝手が悪いように感じます。
例えば、「Hobbes」というキーワードで検索するとします。
すると、確かに論文データベースやレポジトリを横断的に検索してはいるものの、英語の論文ばかり引っかかります。
言語を指定したいと思っても、左側のメニューでは「すべての言語」と「日本語のページを検索」の2択しかありません。究極の2択です…。
刊行年に関しては、いちおう左側のメニューの「期間を指定」をクリックすると、刊行年の範囲を指定することができます。
試しに、刊行年を2000年~2010年の間に指定してみると、こうなります。
しかし、やはり英語の論文ばかり引っかかります。できれば、言語別に論文を検索してみたいものです。
特定の言語別で検索する方法
実は「検索パラメータ」というものを活用すると、Google Scholarで特定の言語別に検索することができます。
言語を指定する検索パラメータは、「lr=lang_(言語の略号)」です。これをGoogle ScholarのURL上に組み込めばOKです。
主要な言語別のURLのリストが下記です。
上のURLでGoogle Scholarを開いて、検索したいワードを入力して検索すれば、各言語別の検索結果が得られます。
例えば、「Hobbes De Cive」の検索結果は、フランス語版ではこうなります。("De Cive" は『市民論』の原題です)
イタリア語版だとこうです。
確かに、各言語別の論文を検索することができています。
これを活用すれば、なかなか検索が難しいオランダ語やスペイン語の論文とかもじゃんじゃん検索できそうです。
刊行年の範囲を絞る方法
刊行年の範囲も、検索パラメータで指定することができます。
その際、開始年は「as_ylo=(西暦)」、終了年は「as_yhi=(西暦)」で表し、両方指定する場合には「&」でつなぎます。
例えば、「2000年以降」を表したい場合は「as_ylo=2000」、「2000年以降2010年まで」を表したい場合は「as_ylo=2000&as_yhi=2010」とします。これもGoogle ScholarのURL上に組み込みます。
デフォルトの場合と一見同じ画面に見えますが、検索結果はしっかり異なります。
さらに、これを先ほどの言語の検索パラメータと組み合わせることができます。
「2000」や「2010」の数字を適宜変更していただければ、いろいろな刊行年の範囲で検索できるはずです。
便利なコマンドも使いこなそう
Google Scholarでは、こうした検索パラメータのほかに、便利な検索コマンドを使うこともできます。これはURLに組み込むのではなく、検索ワードとともに検索フォームに入力します。
① authorコマンド
代表的な検索コマンドの一つが、authorコマンドです。これは、論文の著者を指定することができます。検索ワードの後ろに、「author:(著者名)」をつければOKです。
例えば、「Hobbes author:Skinner」と検索すると、「Hobbes」の検索ワードで引っかかった検索結果のうち、論文の著者名が「Skinner」であるものだけが表示されます。
もちろん先ほどの検索パラメータと併用可能です。試しに、フランス語の検索パラメータと併用してみると、こんな感じの結果になります。
はえー、スキナーの論文って、けっこうフランス語版もあるんですね。
② siteコマンド
authorコマンドと同じくよく使うのが、siteコマンドです。これは、特定のサイト内を検索する時に使います。検索ワードに続けて、「site:(URLの末尾)」を入力すればOKです。
例えば、「Hobbes site:academia.edu」と検索すると、academia.edu内の検索結果のみが表示されます。
12,400件ってハンパないですね。さすがacademia.eduです。
これももちろん検索パラメータと併用できます。試しにオランダ語の検索パラメータと併用すると、こんな感じになります。
③ 検索除外
検索コマンドの中には、検索結果から除外するワードを指定するためのコマンドもあります。「-(除外するワード)」を付け加えるだけでOKです。
例えば、「Hobbes -Locke」と検索すると、「Hobbes」の検索結果のうち、「Locke」がヒットするものは除外されます。
しかし、これはむしろsiteコマンドと組み合わせると、便利な使い方ができます。
特に、Google Scholarの検索は、Google Booksの結果も拾ってしまうのですが、それを除外する時に使えるのです。
例えば、ただ単に「Hobbes」と検索すると、こんな感じでGoogle Booksの結果が上位に入ってきてしまいます。
Google Booksの結果だけを除外したい時には、「Hobbes -site:books.google.com」と検索すればOKです。
そうすると、こんな感じの結果になります。
結び
以上、Google Scholarを効率よく使いこなす方法をご紹介してきました。これでかなり論文を検索しやすくなるはずです。
検索パラメータや検索コマンドはこのほかにもありますので、気になった方はぜひ調べてみてください!
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