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20頁目 神保町本店7階事務所 Oさん

神保町本店での思い出や周辺のお店、現在行っているフェアなどを
100日紹介する<三省堂書店神保町100頁日誌>。
本日は神保町本店7階事務所Oさんにお話を伺いました!


Q1.神保町でおすすめのお店を教えてください。

 1931年創業の駿河台下にある老舗の和菓子店『ささま』です。茶道に使用する和菓子を作られています。中でも「松葉最中」は絶品で、多くの小説やエッセイにも登場しています。

 香ばしいパリパリの皮に、上品ながらもコクのあるみずみずしい漉し餡が合わさった極上の一品です。かしこまったお礼の手土産や、お誕生日のお祝いなどにもきっと喜ばれる、月替わりの上生菓子などもあります。そして外の喧騒を忘れさせてくれ、まるで時空も超えたような落ち着きと趣のある店内も素敵です。神保町になくてはならないお店のひとつです。



Q2.当店で働いていた時の印象深い思い出を教えてください。

 当店では従業員の避難訓練を毎年2回行っています。私は「避難誘導係」の役割が多く、「逃げ遅れた人はいませんか~」と無人の廊下を走り、「エレベーターは使用できません。階段をご利用くださ~い」とひんやりとした階段で誘導灯を振り、ひとり学芸会みたいじゃん…などと思っていました。

 そして3.11の東日本大震災が起きました。7階の事務所では机上や棚の中の物がすべて落下し、8階の休憩室ではブラウン管テレビが飛び、食器棚の中身も落下して割れました。ただただ恐怖しかなかったのに、しっかりと救急箱とヘルメットを持って「階段を降りよう」と緊張しながらみんなで避難をしました。

 けやき広場に集まって点呼を取り、余震で周辺のビルがユサユサ揺れるのを見ながら、避難訓練の大切さを痛感し、救急箱が役に立たずに済んで良かったと安堵しました。

 翌日からは一週間は電車不通により出勤ができず、その後も余震と計画停電に怯えながら過ごしました。

 みんなで復興に向けて頑張りました。少しずつお客様が戻ってきてくださり、問い合わせの電話も増え、活気づいてくるのが本当に嬉しかったです。

 辛い日々でしたが、やり甲斐も感じた貴重な体験でした。



Q3.当店での企画で印象深かったことを教えてください。

 某結婚総合情報誌様の企画で店頭に大きなクリスマスツリーを設置したことがあります。ハート形の赤やピンクの可愛いオーナメントがたくさん飾られたキラキラしたクリスマスツリーは、神保町の街ではとても目立ちました。

 ところが、飾りの重みのせいなのか日に日に傾いてきてしまい…企画営業課の従業員の方々が寒空の下でオーナメントを付け直して補修し、クリスマスまで美しく綺麗な姿を保つことができました。

 裏方さんの苦労を垣間見た出来事のひとつです。


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