父の命日に、母の介護の先を思う

6月に脳梗塞を発症し、病院でリハビリ中の母。
認知症も患っており、介護認定がついた。
10月の退院後にはグループホームへ移れるか……という話で進んでいたのに、なにやら別の展開が。
かなり元気になってきたというのだ。母が。
家に帰れるかも、というほどに。
ただし脳梗塞の症状は治癒に向かったものの、認知症が治ったわけではない。
漢字を判読できず、その意味も理解できず、10秒前のことも忘れてしまう。
それでも性格は穏やかで、会話も普通に成立するそうな。……さっき言ったこと、すぐ忘れるけど。
そして体は至って健康。さすが自転車で坂道をガンガン漕いで、ヨガに行ったり合唱に通ったり、曾孫の世話をしたり、と動き回っていただけある。

私と兄の間では「退院後はグループホームで」で、話が決まっていたけれど、姪っ子たちは、おばあちゃんが家に戻ってくるのが嬉しいのかもしれない。ずっと、おばあちゃんが母親代わりだったから。

さて。10月退院予定が、そんなこんなで年内は病院に置いてもらえるらしい。
年が明けたら実家に戻ってくるかも……ということで、来年は私も頻繁に三重へ帰るか、それとも東京の家を売って三重へ移住するか(事情があって実家には住めないから中古マンションを探すか……)。

ここで、老犬の存在が立ちはだかる。
現在我が家の老犬は後ろ脚の調子が悪く、先日も夜中に二階から一階へ降りる際、数段足を滑らせた。その十数秒後にはソファから落ちて「ギャン!」と鳴き、慌てて様子を見に行ったら……足を引きずっていた。
それ以来、二階は封印。私も老犬と一緒に、ずっと一階のソファで寝起きしている状況。
我が家の老犬は車が苦手。車に乗せるとずっとそわそわイライラしている。
そして病院も苦手。宿泊の際は三日目にはハンストを起こして一切食べなくなる。私が迎えに行くと、帰りの車内でとんでもない声で鳴きわめく(私に向かってぶちキレる)という癇癪を起こし、数日はお腹を下して胃薬の世話になる。
……こんな子を実家へ連れていけるわけもなく(実家はほぼ畳で、物も多く誤飲の脅威にさらされるため、外飼必至だから無理)、長期間病院へ預けられるわけもなく、それでなくとも耳が聞こえず、視野も朧気な老犬ゆえ、精神的かつ肉体的な負担はかけたくない。
そのうえで母の介護をするには、母を東京へ連れてくるのが一番なのに、それには兄が猛反対。「娘たちが、ばあさんに会えなくなるから」と。
姪っ子たちは、それぞれ小学生のときに母親が居なくなった。それなのに、また母親代わりのおばあちゃんまで奪われたら……という複雑な感情もあるのかもしれない。だとしたら、それはもちろん尊重するし、叔母として私も、姪っ子たちが一番心安らぐ方法にするつもりでいる。
母が元気を取りもどしたのは本当に本当に嬉しいけれど。
事態がややこしくなったのは否めないなぁ、と。

さて、どうしたものか……と、父の命日に自問する。
父さんや。どうしたらいいと思う? 
天国から、なにかアドバイスくださいな。

……と、ここまで書いてアップしたら。
年内に退院という連絡が来た。
変わりやすいこと初秋の天候のごとし。
来月は久々に、母に面会してきます。



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