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遺伝カウンセリングとは

はじめは、遺伝カウンセリングは癌や遺伝的な要因についてのみカウンセリングができることだと思っていました。

出生前検査につきものの遺伝カウンセリング。

しかし、遺伝に関することはもちろんですが、出生前検査に関する遺伝カウンセリングは、検査でどのようなことが分かるのかが基本となり、カウンセリングを通じて、自分たちの考え方が整理できる時間をつくることができます。

自分も実際受けた印象では、ちょっとした授業感覚で、ときに自分の気持ちを整理するワークショップ的な印象も持ちました。与えられた情報をもとに、自分たちならどう考えるか、夫婦で受診したらお互いの気持ちを整理する時間となります。

出生前検査で調べると、たくさんの情報が出てくるようになりました。ほとんどWebマーケの世界になっていますが、たくさんの広告記事も目にしますし、LPも作りこんであり、特にNIPTの記事はとても目立つ印象です。

NIPTを行うクリニックや施設には認可無認可といった種別が確認できるかと思います。どちらも良し悪しな気もしています。

特に自身で何を知りたいかをわかっていて、それがトリソミーについての場合、無認可で安価なクリニックでも場合によっては、良いかもしれません。

ただ、赤ちゃんの生まれつきの病気は、トリソミーだけではありません。トリソミーについては病気全体の2割程度、FMF胎児クリニックで受診できる初期FMF胎児ドック、中期FMF胎児ドックを受診すると、約8割の形態異常に気づくことができます。

こちらは当院でFMF胎児ドックを受診する前に行う遺伝カウンセリングで利用するカウンセリングシートです。

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例えば、骨の数に異常がないか、心臓の部屋が4つに分かれているかなどといった超音波検査でしかわからないことは、トリソミーを調べる検査では、もちろんわかりません。

出生前検査に関する遺伝カウンセリングでは、そういった、自分たちが知りたいこと、知りたくないことを整理して、そのうえで自分たちが知りたい病気についてわかる検査は何なのかを選択することができます。

認定遺伝カウンセラーとは

ググるとトップに出てくる、日本認定遺伝カウンセリング協会のホームページによると、

遺伝カウンセリングは、染色体や遺伝子が関与している生まれつきの病気や特性・体質にかんする様々な問題について相談できるところです。クライエント(来談者)は、不安・心配、困っていること・悩んでいること、疑問・質問、考えや意思について自由に話すことができます。

とあります。

出生前診断を受診する方は、ここの表現がわかりやすいです。

染色体や遺伝子を調べる検査を検討するときは、その検査がクライエントや家族に与える影響、倫理的な問題、社会的な問題なども考慮しながら話し合い、クライエントが自分の意思で決めることができるよう支援します。

出生前診断で、新型出生前診断(NIPT)やコンバインドテストなど、トリソミーの検査をするときは、可能性についての結果がレポートとして渡されるので、受診する前に夫婦で話し合うことはとても大事なことです。

当院のインスタでもちょっと紹介しています。



遺伝カウンセリングだけで受診はできるのか

クリニックによってさまざまですが、受診は可能です。特に昨今では初診からのオンライン診療が可能となり、遺伝カウンセリングもオンラインでできるようになりました。

料金も様々ですが、おおよそ5,000円~10,000円が相場で、専門知識を持つ認定遺伝カウンセラー30分~1時間かけてじっくり話をできる時間と考えると、相当割安にも感じますが、いかがでしょうか。


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