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あなたのメルマガ配信、大丈夫ですか?

「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」

こちらの法律をご存知ですか?
一般的に「特定電子メール法」「迷惑メール防止法」と呼ばれている法律です。

第1条の目的には、このように記載されており

一時に多数の者に対してされる特定電子メールの送信等による電子メールの送受信上の支障を防止する必要性が生じていることにかんがみ、特定電子メールの送信の適正化のための措置等を定めることにより、電子メールの利用についての良好な環境の整備を図り、もって高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

「営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人」である送信者が「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信する電子メール」(特定電子メール)を送信する際のルールを定めた法律になります。


ガイドラインで示されている特定電子メールの範囲

法律は難しい言葉が羅列されていますが、こういった法律はだいたいガイドラインがありますから、そちらを読む方がわかりやすく書いていて良いかと思います。

特定電子メール法のガイドラインには、特定電子メールの範囲についてこの様に明記しています。

電子メールの内容が営業上のサービス・商品等に関する情報を広告又は宣
伝しようとするものである場合には、明らかに特定電子メールに当たるもの

である。

また、次のような電子メールについても、広告又は宣伝を行うための「手
段として」送信されているものと考えられるため、特定電子メールに該当す
るものである。
ア)営業上のサービス・商品等に関する情報を広告又は宣伝しようとする
ウェブサイトへ誘導することがその送信目的に含まれる電子メール
イ)SNS(Social Network Service)への招待や懸賞当選の通知、友達
からのメールや会員制サイトでの他の会員からの連絡などを装って営
業目的のウェブサイトへ誘導しようとする電子メール


一方で、次のような電子メールについては、広告又は宣伝のための手段として送信されたものとは考えられず、特定電子メールには当たらないものもある。
ア)取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせなど取引関係
に係る通知であって広告又は宣伝の内容を含まず、広告又は宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール
イ)単なる時候の挨拶であって、広告や宣伝の内容を含まず広告又は宣伝
のウェブサイトへの誘導もしない電子メール

2)政治活動・非営利活動等との関係
「特定電子メール」は、「営利目的の団体又は営業を営む場合における個人」である送信者が「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信する電子メール」とされているところ、政治団体・宗教団体・NPO法人・労働組合等の非営利団体が送信する電子メールは、特定電子メールには当たらないものである。

特定電子メールの送信等に関するガイドライン(平成23年8月)より引用

簡単にいうと「広告または宣伝」やそれに関わるウェブサイトへの誘導があるかないか、目的が営利・非営利の団体かで「特定電子メール」に該当するか否かが決まるのです。
メールマガジンは、ほぼ「広告又は宣伝」をする内容が含まれるため「特定電子メール」に該当しまので、メルマガ配信をしている人・メルマガ配信を検討している人は正しく特定電子メール法を理解し、運用していく必要があります。


特定電子メール法の基本は、オプトイン方式

オプトインとは、広告又は宣伝を配信するときに事前に同意を求めることをいいます。
特定電子メール法第3条には、「メールを送信することに同意した相手以外にメールを送信してはならない」と記述されています。(してはならない、なので義務規定です)

つまり、同意を得ていない相手に対して「広告または宣伝」やそれに関わるウェブサイトへの誘導があるメールを配信してはいけないということになりますね。

広告や宣伝を配信する上で大切なのは「特定電子メールが配信されることを知ってもらうこと」と「特定電子メールの配信に同意してもらうこと」であり、受信者が「知らないうちに配信されていた」とならないように、配信に関する表示や同意を得る欄は分かりやすく表記するなど注意が必要です。

連絡先を交換した起業家さんからプライベートのメールやLINEなどの連絡ツールを使い、個別に「○○に参加してみませんか?」とか「○○始めました」という案内を頂くことがありますが、法律違反になる可能性がありますので止めておいた方が良いでしょう。なぜなら、私は広告や宣伝を頂く同意をしていないのですから。


また、オプトインとは逆に「オプトアウト」という方式があります。
これは、「メールをもう送らないでください!」と受信を拒否することです。この通知が来た相手にはメールを送信することができません。

読者登録を解除したメルマガから、引き続きメールが届くことがありました。登録解除をしたのになぜかと調べて見たら、開封率が上位の人に対して送るメルマガが送られてきていたようです。これは違反ですよね。
読者登録を解除した相手のデータは全て消去される設定にしておくといいでしょう。


オプトインの例外

次に該当する場合はオプトインの対象外となり、同意なしで特定電子メールを送信することができます。

電子メールアドレスの通知をした
 名刺などの書面により自己の電子メールアドレスを通知した場合には、書
面を提供した側にも、書面の通知を受けた者から電子メールの送信が行われ
ることについての一定の予測可能性があるものと考えられるため

取引関係にある
 ビジネスの実態として広告宣伝メールの送信が問題なく行われていて、受信者にとっても相手からの広告・宣伝メールの送信が行われることが予想されるため

・電子メールアドレスを公表している団体・営業を営む個人
正当な営業活動の一環として事業者間(BtoB)で電子メールを送受信
する場合に、ウェブサイト等でメールアドレスを公開している事業者に対し
てビジネス向けサービス・製品の広告・宣伝メールを送信することは実態的
に行われており、ビジネス慣習上も一定の範囲で認められているものと考え
られる。また、そもそも電子メールアドレスの公表は、基本的に、電子メー
ルを受け取るために行われるものである。このため、そのような場合には、
特定電子メールであっても、一定の送信は許容されるものと考えられるため。
※同意しない場合には、広告宣伝メールを行わない様に意思表示した文面を公表しているメールアドレスの前後に併せて表示することが適当。

特定電子メールの送信等に関するガイドライン(平成23年8月)より抜粋して引用


同意を得た書類は保存しなければならない

同法第3条第2項にて「特定電子メールの送信をするように求めがあったこと又は送信をすることに同意があったことを証する記録を保存しなければならない。」と定められています。

個別の電子メールアドレスについて、同意を受けた際の状況を示す記録(時期と方法など)を、特定電子メールの送信をしないこととなった日(オプトアウトを受けた日)から1ヶ月間を経過する日まで保存すべきとされています。

書面で同意を得ていれば書面を、メルマガスタンドを利用している場合は「読者登録の通知メール」を保存しておきましょう。

これと同時に、オプトアウトに関してもその記録を残すようにしてください。


特定電子メールの送信に表示義務があります

特定電子メールの送信を同意した相手からの特定電子メールであるか否かを、受信者が容易に判断できるよう特定電子メールの送信をする際にはその送信に責任のある者の氏名・名称を表示すべき義務を課しています。(同法第4条第1項)
また、受信者が確実にオプトアウトを行えるように、受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレス又はURLの表示をしなければならない義務も課せられています。(法第4条第2号)

キャプチャ

・送信者の氏名または名称
・受信拒否ができる旨の通知
・送信者の住所
・苦情や問い合わせの受付先

※「送信者の氏名または名称」と「受信拒否ができる旨の通知」は本文中に必須
※「送信者の住所」と「苦情や問い合わせの受付先」はリンク先のページでも可


まとめ

今回は、特定電子メール法の一般的な基礎部分についてのみを記述しました。取り扱っている業種や職種、業務内容等に応じて「特定商取引法」も付随して関連する場合があります。表示漏れ等がないように細心の注意が必要です。

ご自身のメルマガ配信等が法令違反をしていないか、この機会に確認をしてみてはいかがでしょうか。

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