見出し画像

【連載】ambivalence. ~vol.1~ じきまるがじきまるになるまで。

ambivalence
両面性 、両面感情。(相反する)感情の交錯、あいまいさ。

weblio英和辞書

____人はみな、幾つもの”顔”を持っている。
家族へ向ける顔、友人と接する時の顔、はたまた、仕事での顔。
それらは意識せずとも、自然と出てきたり、自然と仕舞い込むものである。
それらは偽っているようで本当の自分だったり、本当のようで偽りの自分だったりする。

私自身もその例外ではなく、無意識的に幾つもの”顔”を使い分けている。
時にはっきりとしているようで、時にはあいまいに____

人生において一つの分岐点である今、この瞬間に。
これからも本当の自分を見失わないように、ここに記しておきたいと思う。

じきまる。がじきまる。になるまで。

2018年。「じきまる。」としてポートレートモデルの活動を始めた。
連載(予定では5部作のつもり)第1弾、今回は「じきまる。」が誕生するまで____
つまり「じきまる。がじきまる。になるまで」の話をしたいと思う。

人生で初めて熱中したこと。

幼少期からの記憶といえば、物心ついた頃からほとんどが習い事で埋め尽くされている。
3歳の頃から習っていたクラシックバレエとピアノに始まり、絵画教室に水泳(潔癖症でプールが嫌すぎてすぐ辞めたので泳げません)、学習塾、バイオリンなど様々な習い事をさせてもらっていて、自分の親はどちらかというと教育熱心な方だったと思う。
中でもクラシックバレエとピアノは15年くらい続けていたのだが、正直にいうと実はそこまで真剣に取り組んでいたわけではなかった。
「ただやめる理由がなかったから続けていた」と言ったほうが適切かもしれない。
自分で望んでやっていたというよりかは、学校が終わったら親がレッスンへ送り迎えしてくれて、また次の日が来る。その繰り返し。ただただ”毎日”がやって来るから、それを消化しているという感覚だった。

そんな私が10歳の頃、人生で初めて熱中したことがあった。
何がきっかけだったか忘れてしまったが、親に初めて自分から「中学受験をしたい」と言った。
思い返せば、その後の人生を大きく左右するようなこと(家庭的にも)である割に、よくあっさりと受け入れてくれたなと思う。と同時に、両親には感謝している。

中学受験をするにあたって、進学塾へ2年間通うことになる。(大体2~3年かけてお勉強するのである)
じきまる10歳、「勉強」にハマる。

小学生の受験勉強とはいっても今思うとなかなか過酷なものであり、塾のクラスの順位は上から下まで貼り出されるわ、宿題は量が多すぎて常人ではこなせず、採点や単純作業は親からサポートを受けるなど親子二人三脚で行なっていく。

しかしこれが今の私の素質そのものなのだが、「ハマったこと」に対してはいかなる過酷な状況でも1ミリも辛いと思ったことがなく、むしろ楽しくてやりたくて仕方なくなってしまうのだ。変態である。
受験真っ盛りの夏期講習の時期、自主学習だけで1日に10時間を超えていた。(今思うと信じられない)

そして「ハマったこと」に関してだけは、その他全てを犠牲にした挙句とことん結果にこだわるのも昔から変わっていない。(近畿の模試でトップ10位以内に入ったこともあった。あのまま続けていれば…(以下省略))

当時通っていた塾では、クラス1番を獲り続けた。
当然のことながら先生方は実績を出したいので、過去一度も合格者が出た事のない最難関校への受験を進められた。(このような穿った見方をしようとする性格もこの頃からで、捻くれたクソませガキである(余談)。)

で、結果としては第一志望校には落ちた。

そして滑り止めの中高一貫校に通うことになるのだが、ここで「お勉強ハマりモード」は糸が切れたように途絶え、勉強への興味は無くなった。(そして今に至ります)
ここからまた、熱中できることの無い日々が始まる。

「遊び」とことん、熱中。

中学から高校にかけての6年間は、「いかに楽しく遊ぶか」ということにハマった。
可愛い洋服を着て、カラコンしてメイクをして、友達と可愛い格好をして可愛いカフェに行く。可愛いパンケーキの写真を撮って、プリクラで「今日の可愛い自分」を残す。女の子ならそういう時代は誰にでもあったと思う。

毎日手帳に遊びの予定を書くのが生きがいだった。(どんな生きがいだよ)
でもそれはそれで、充実した日々ではあった。
「遊ぶこと」にハマっていたから。

とはいえ、最初に書いた習い事も並行して続けていたり、部活が厳しくて遊びに行ける日が限られていたり、いろんな「義務」が課されていた。
とにかく「限られた環境」という中にいた。

一方で、自由奔放という性格は昔からで、これと思ったことはすぐに行動していた。
高校1年生の時、「高校生になったら(当時漫画で読んだ登場人物みたいに)アルバイトをしてみたい」という思いだけで、アルバイトを始めた。
当時から発想がぶっ飛んでいたのか、なぜか「この世の中に高校生でもできるアルバイトはマクド◯ルドしかない」と勝手に思い込んでおり(そんなはずはない)、親にも言わず勝手に応募して「今から面接行ってくるわ」というところで初めて告げた。

省エネモードで生きる日々。

大学生。
当時の私は「大学生」というものに過剰な期待を抱いていた。
中高私立で、比較的過保護な家庭で育った反動なのか「大学生は自由だ」「大学生は遊ぶことが仕事なのだ」と信じて疑わなかった。(学業がつとめです)

講義終わりはサークルの仲間たちと集まり、意味もなく飲み騒いだり毎日カラオケでオールしてみたり。その翌日はもれなく1限をサボってみるというところまでがセット。非常に頭が悪い。
心のどこかで罪悪感を感じていたのか、そもそも感じてすらないのかは今となってはわからないが、頭の片隅にあるどこか後ろめたい気持ちを、酒と一緒に飲み込んだ。本当に頭が悪い。(2回目)

もちろん熱中できることなどなく(強いていうなら遊び)、遊び以外のことは何も興味がないし、やるべき事すらおざなりにしてしまうような日々だった。
興味のあること以外は、基本全て省エネ。
0か100か、本当に極端である。

というような感じで大学時代の前半はほとんど省エネモードで過ごした。
当時はそれで良かったのだが、今思うと少しもったいない時間だったなとも思う。
しかしそれもまた、人生。

そんな私にある時、転機(?)が訪れる。

というわけで、その”転機”が何かはもう皆さんお気づきの事かと思うが、今日はここまでにしておきたいと思う。
省エネ人間はここからきちんと挽回(?)するのでお楽しみに。笑

次回:【連載】ambivalence. ~vol.2~ ポートレートと出会う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?