モバイルアプリ開発|知識から気をつけたいポイントまで解説
今回は当たり前に使っているモバイルアプリについて、開発フェーズを解説します。
モバイルアプリがどのように世の中にリリースされているか知りたい方や、開発を検討していて情報が欲しい方はぜひ参考にしてください。
また、開発の段階よりもっと前段階のモバイルアプリとは?という基本的な知識を知りたい方は、ぜひこちらをご覧ください。
モバイルアプリ開発アプローチの種類
モバイルアプリ開発において、プロジェクトの内容、目標、予算、期間、人数、技術など様々な面を考慮し、どの開発アプローチや種類が良いか適切な選択することは重要です。
ウォーターフォール開発
開発プロセス全体を複数工程に分割し、要件定義▶︎基本設計▶︎詳細設計▶︎開発▶︎テスト▶︎リリースの順で進行する手法。分割した工程を上から順に行う様子を滝に見立ててその名が付いた。
・メリット:進行状況の可視化、ドキュメンテーション向き
・デメリット:変更対応が難しい、顧客とのコミュニケーション不足が起こる場合がある
アジャイル開発
柔軟で反応性の高い手法で、短い反復を通じて要件の洗練と機能の実装を進める。
・メリット:顧客との継続的なコミュニケーション、フレキシブルな変更対応可能
・デメリット:制約の厳しいスケジュール、要求の明確化が難しい場合がある
DevOps開発
Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた造語で、開発担当と運用担当が緊密に連携することでスピーディーに開発する手法。
・メリット:自動化されたプロセス、迅速なデプロイメント
・デメリット:技術的な課題や学習コスト、文化的な変革の必要性
モバイルアプリとWebアプリの違い
ここではモバイルアプリとWebアプリそれぞれの違いについて説明します。
開発とデプロイ
・モバイルアプリ:アプリストアへの申請・承認プロセスを経て、規則や審査基準に従う必要がある。
・Webアプリ:アプリストアの審査不要。
プラットホーム
・モバイルアプリ:iOSやAndroidなどのプラットフォームに依存して開発され、アプリをインストールする必要がある。
・Webアプリ:GoogleやSafariなどのブラウザの中で動作し、特定のプラットフォームに依存しない。
ユーザーインターフェース
・モバイルアプリ:タッチ操作が主要な入力手段となるため、タップ、スワイプ、ピンチイン/アウトなどのジェスチャーに対応する必要がある。
・Webアプリケーション:主にマウスやキーボードを使用する。
オフライン対応可否
・モバイルアプリ:一部オフライン利用可能のものあり。
・Webアプリ:ブラウザを介すため、基本的にオンラインでのみ利用可能。
ハードウェアへのアクセス可否
・モバイルアプリ:プラットフォーム自体がカメラ、GPS、指紋認証、通知機能、加速度センサーなどの様々な高性能のハードウェアで構成されている。Webほど厳しい制限がないためこのような機能を使用することができる。
・Webアプリ:セキュリティ制限により、ハードウェアへの直接的なアクセスが制限されている。しかし、その制限を解除するような技術も開発されている。例としては、ブラウザ間でのリアルタイムなオーディオ、ビデオ、データの通信を可能にするオープンなフレームワークの「WebRCT(Web Real-Time Communication)」が挙げられ、ネイティブアプリケーションのインストールなしで、ブラウザ上でリアルタイムなコミュニケーションを実現することができる。
モバイルアプリ開発の流れ
開発アプローチの方法次第で変わる部分もありますが、一般的な開発の流れは大きく分けて下記の通りです。
企画・要件定義
何が課題で何を実現したいのか、どのようなアプリを開発したいのか、ターゲットは誰なのかなどを洗い出す、アプリ開発において最も重要なフェーズ。あわせて予算、必要機能、技術、スケジュール・納期、必要な人員(工数)、実装手順などを明確にする。
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基本設計(外部設計)
要件定義に基づき、アプリの操作画面などの「見た目・デザイン=UI(ユーザーインターフェース)」を設計。ユーザーストーリー、ワイヤーフレームの作成を行い、カラースキーム、アイコン、画像、フォントなどのデザインを作る。
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詳細設計(内部設計)
アプリの「中身(機能・動作)」に関する設計。開発言語、サーバー・データベース、APIとの連携など技術的な要素を中心に検討・設計される。
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開発(コーディング/プログラミング)
今までの工程(要件定義と基本・詳細設計)で決定した仕様に沿って、開発者がプログラミング言語を使用して開発を行う。
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テスト・検収
開発したアプリの納品前にテストし不具合を修正しながら、ユーザーのフィードバックを収集し、改善点を特定する。あわせてクライアントや関係者との検収作業と品質検証も行う。
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審査・リリース
モバイルアプリの場合、リリースに際して審査が入る。iOSとAndroidで審査やリリースの手順が異なるため注意が必要。最終的に各プラットフォームのストアにてアプリ配信が行われ、誰でもインストールして使える状態になる。
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運用・保守
リリース後、予期せぬ不具合や改善が必要な箇所が発生することもあるため、アプリは開発後もメンテナンスし続ける必要がある。
開発費用の相場
開発費用については、人件費(人月×人月単位×開発期間)+諸経費の計算が多く用いられます。詳細はこちらをご覧ください。
機能数やアプリの規模感により振れ幅があるため一概には言えませんが、以下で目安の金額を示していきます。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)
→ 相場幅:500万円〜8,000万円以上
オンラインショッピングアプリ
→ 相場幅:200万円〜1000万円以上
デリバリーアプリ
→ 相場幅:800万円〜1,500万円以上
メッセージングアプリ
→ 相場幅:300万円〜500万円以上
マップアプリ
→ 相場幅:500万円〜1,000万円以上
開発を成功させるために気をつけたいポイント
モバイルアプリ開発を成功させるためには、ユーザーのニーズを汲み取り、利用意欲が湧くようなプロダクト開発を進めれるか?また、適切な開発会社を選択しているか?など、様々な点を考慮しなければなりません。ここではモバイルアプリ開発を成功に近づけるために気をつけたい点をご紹介します。
開発プロセスと品質管理
開発にあたってユーザーニーズを汲み取り、それをしっかりと反映させたアプリ設計を行うことが大切です。また、開発中およびリリース後に発生する可能性のあるバグやパフォーマンスの問題を随時修正し、徹底した品質管理も重要なポイントです。
ビジネス戦略とコミュニケーション
アプリの目的、ターゲットユーザー、収益モデルなどのコンセプトを明確にし、アプリ価値向上のためユーザーエンゲージメントを意識、通知やリマインダー機能を活用しましょう。
セキュリティとプライバシー
ユーザーの個人情報や機密データを適切に保護するために、セキュリティ対策を十分に行う必要があります。また、ユーザーからのフィードバックには迅速に対応し、セキュリティに関連する問題や脆弱性を修正していきましょう。
開発費を抑えるためのコツ
現在モバイル端末の市場はiOSとAndroidのが主要なシェアを占めており、アプリ開発をする際には両方のプラットフォームに対応することが推奨されます。しかし、あまりに多くの機能を追加しようとすると、開発費がかさんでしまう可能性があります。そのため、開発の目的を見失わずに、ユーザーのニーズを反映させるため、以下の開発技術の活用も検討してみてはそうでしょうか?
クロスプラットフォーム開発
クロスプラットフォームとは、1つのコードで複数のプラットフォーム(iOSやAndroidなど)向けのアプリを開発できるフレームワークです。開発チームを1つにできるため、管理やアップデートも一元管理できるようになり、開発効率向上とともにアプリ開発コストや保守コストの削減が見込めます。
MVP開発
MVP開発とは「Minimum Viable Product」の略で、製品やサービスの可能な限り最低限の機能を備えた最初のバージョンを素早く開発する手法です。あれもこれもと機能を追加していくと費用がかさんでしまうため、実用最小限の機能で顧客の反応と市場ニーズを確認しながら改善と拡張を繰り返し、無駄の少ない開発していくことで、開発時間と開発コストを最小限に抑えることができます。
スマートフォンの普及とともにますます必要不可欠になっているモバイルアプリについて、各企業でも自社サービスの提供をモバイルアプリで検討している企業も増加傾向にあります。なかなか開発に踏み出せないでこのブログに辿り着いた方がもしいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談下さい!
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