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BURN のギター(6)・遅回し疑惑編


  1. ギターが違う

  2. ギターのセッティング/調整が違う

  3. アンプが違う

  4. エフェクターが違う

  5. 耳コピが違う、譜割りが違う

  6. 弾き方が違う

  7. 遅回し録音である


7.遅回し録音?

BURNのギターソロに痺れて半世紀も生きてきました。
あんな速くてカッコいいギターソロを弾ける訳がありませんが...

レコードのリリース当時があら、ギターソロに関してはチート疑惑があります。つまり、テープを遅回しにして、遅いスピードで録音したのではないかというものです。

絶対に遅回しでしょ

ギターの音だけをAIで取り出せるようになった、この2~3年でで思ったのことですが、いくらなんでも人間がテンポ190でこんなに正確に弾けるわけがない、絶対、遅回しでしょ。ということです。
特に、ギターソロ本体よりも、ソロ後半のアルペジオの部分です。ハーフミュートで、スタッカート気味で正確に弾くのは絶対に無理だ!と思ってしまうのです。

遅回し録音の原理

若い人には分からないかもしれないので、ちょっとだけ当時の技術事情を。
アナログ時代の人にとっては常識ですが、当時はデジタル技術はなく音程を変えずにテンポを変えることはできませんでした。
遅く弾くためには、テープの速度を遅して録音し、元の速さで再生する必要があったわけです。でも、当然、遅くすればその分音程が下がってしまいます。この遅くしたテープに合せてギター弾くためには、チューニングをダウンさせることが必須なわけです。

例えば、約24%遅くするとします。
BURNの場合、原曲♪=190くらいのテンポなのが、♪=144くらいまで落ちます。速度だけ見れば、かなり楽に弾けるようになるでしょう。
しかし音程は、G→Dへと5半音落ちてしまいます。これはよっぼど太い弦を張らないと楽器として成立しないでしょう。
ギターが楽器として成立するのは、せいぜいー2半音くらいでしょうか。

G3 (391.995Hz) ➡ F3 (349.228)  の場合 だと 、
テンポマイナス11% ♪=190 ➡ ♪=169 
速度の恩恵が小さいわけです。

つまり、BURNのソロやリフのような、開放弦を多用する曲では遅回し録音は考えにくわけです。

アルペジオなら遅回しOK

しかし、開放弦を使わないアルペジオパートの場合には、弾くポジションを変えればいいので、遅回しにしても通常のチューニングで弾くことができます。

遅回し録音か調べる

遅回し録音されたかどうかは、ギターだけを分離した音源があれば簡単です。例えば、-24%ほと遅くしてみて、聴いてみればいいだけです。

  • ギターの音じゃなくなってしまうなら、そこまでの遅回しではない

  • ギターの音のままなら、遅回しかもしれない

スタジオ盤「BURN」のギターソロを24%ほど遅くしてみます。

どうでしょう

  • 定番のリフはデロデロの音でこりゃダメだ 
    ➡ 遅回し録音じゃない

  • ギターソロ、あれ?まだリッチーのギターのまんまの音じゃない?
    ➡ まさかのソロ自体が遅回し録音じゃない?

-24%のメリット

BURNのソロの有名な速いとことは、開放弦をバンバン弾きます。
ー24%にすると、ちょうど弦がひとつ下がります。
つまり弦をひとつ下に変えれば、遅回しでも開放弦を使って弾けるのではないか?ということになります。

早回し時には変な音色になる

でも、遅回しで録音した場合、速回しで再生したとき、音色が変になります。
あれ?そういえばBURNのソロの音色って、ちょっと硬すぎる感じで変だよね。

検証してみる

とにかくやってみましょう。
VOX Mistic EdgeとHS-Sで、かなりBURNっぽい音がでるようになったので、この音で再現実験をしてみました。

果たして、早回しすると変な音になってしまうのかどうか。

  • 24%ダウンの音源を、普通のギターソロとして耳コピ

  • とりあえず暫定実験なので、細部には拘らずに軽くコピー

  • 24%ダウンのバッキングに合わせて弾いてみる

  • 元の速さに戻してみる

なんか、BURNのギターソロみたいになってませんか?
自分的には、音色やBURNのソロに似てる気がします。
リッチー…やってたのか!

衝撃的です!…俺の50年が

こちらは、ちょっとだけ音色にこだわって弾き直してみました。
24%ダウンの本人の音色に近づけたつもりです。




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