暴論
電車で隣の女性が泣いていた。
明らかに泣いている。
時折鼻水を啜りながら、時折手に持ったハンカチで目を拭きながら、泣いていた。
何があったのだろう。
最初は「ネギを切っているのかな?」と思ったが、「電車でネギを切るわけないやろ!」と心の中でツッコんだ。
そんなことはどうでも良いくらい、泣いているからだ。
マスクを外して、鼻も拭いていた。
一体何があったのかは、分からない。
でも、ネギを切っていない事だけは、分かる。
大概、世界って、そんなもんだ。
戦争が終結するかは、分からない。
でも、戦争が起こっている事だけは、分かる。
あの人の事が好きかは、分からない。
でも、あの人の事が大好きなことだけは、分かる。
ちょっとだけ、暴論だったかな。
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