海は拾いな、大きい名(仮)その7
雲は厚くのたうち回る灰色のネズミ
映し出す水面は白い縞模様のグレイッシュ
押し寄せる波は引き際を心得て鳴く
風が
境界層ごとに巻く渦は熱エネルギーを移す
温度差が産み出す密度の違いが色を付ける
深度で異なる流体の動き
差し込む光は雲を掻き分けて熱を与える
起こる
微かに撫でられた水面が白く泡を立てる
めくれ上がり生まれる波に飲み込まれゆく白い泡
うねる曇天を反射して拡散する薄日が霞む
風が
仄かに照らし出される陰影に追われる群
交感は不可能
温められた空気が昇り始め渦を描く
動き続ける表面から供給されるエネルギー
僅かな揺らめきを模様づける渦
捩じる
水平線の彼方から響き渡る唸り
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?