海は拾いな、大きい名(仮)その4

目の前に押し寄せる波の音は遥か彼方
凍り付いた時を溶かすのは灼熱の視線
歪んだメガネの焦点が集める影
ねじれ切った鉄骨は口ずさむ旋律
澄み切った空の青が吸い取っていく

無風

流れゆくコンクリート躯体に留まる黄色い服
白いフリル
ゆらめく
何も残らないフリをしたガレキの山
エレキで発火してダイオキシンの群れ
漂う構造式の腐臭

夢遊

流れゆくアクリル板
遮るモノは亡き者
自ら動かない車
ドライバーはマイナス
ボルトは感電してショートゴロ
犠打

狂う

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