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繰り返す夢

遥か昔、マグマの上に立っている夢を見た。

熱くて、自身が今にも燃えてしまいそうなマグマの上なのに、そこには橋がかかっていて、

(落ちませんように、落ちませんように)

と、震える足を、恐れながら前に出し、わたしは橋を渡ろうとした。

数歩前にでたところで、目が覚めた。

身体は、こわばっていた。

辺りの景色を、身体が固まったまま、しばらくの間確認して、

「あっ、....夢だった」

と、気づいた。

どっと疲れを感じるとともに、心底安心したのを覚えている。

何故そんな夢を見たのか。

わたしには、見当もつかなかった。

不思議なことに、わたしは、その後も、何度か同じ夢を見た。

一回目と、二回目は、小学生の時。

二回目の時は、

「これ、前に見た夢だ!!大丈夫!怖いけど、きっと目が覚める!!」

と、夢であることを自覚しながら、橋を渡った。

三回目は、大人になってから。

怖い夢だというのに、目が覚めた時、なんだか懐かしいような、不思議な気持ちになった。

この時は、橋を渡ったかどうか、覚えていない。

でも、確かに、あの時のマグマだった。


四回目を見る日は、いつか来るのだろうか?

そして、その時こそ、わたしがその夢を見た理由に、気づけるのだろうか?

来るかもわからない日を、わたしは、どこか楽しみにしている。

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