他人の善意に乗っかる悪意

我が家の近くで　びっくりするような場所に　家を建てる人が居るらしい。
「本当に　ここで大丈夫？」と聞きたくなるような場所。
で、建築業者が土地のボーリング調査だの　ならしだの　始めたんだけど、
一度も挨拶に来ない。
いやねぇ、騒音が凄まじいのよ。
仕方ないから苦情を言いに行った。
「自分達は仕事してるだけなんで」という返事。

この前　来てたお兄ちゃんも　そう言ってたわ。
土砂降り雨の日の　夕方６時過ぎてから　ユンボでガンガンやっててさ
雷ピカーっと光ってゴロゴロ鳴ってるのに、ガンガン　ドカンドカン　やってて
街灯もない場所で　ユンボがガランゴロン動いてたら　ハッキリ言って怖いで。
「あのなぁ、始める前に　ご近所に挨拶せんで良いわけ無いやろ？」と言ったら
「いや、俺は　頼まれて仕事してるだけっす。下請けの下請けなんで
　元請、知らないっす。んで、元請に言ってくれっす。」
あぁ？　何　言うてんねん。
埒が開かないので、そのまま帰った　その日はな。

で、それから２ヶ月経って、今日の朝。
一応、仕事が始まったのは　８時からだけども。
トラックに　ちゃんと会社名入ってるやん。
この前の　お兄ちゃんのトラックには入って無かったからな、アカンかと
思って　ちょっと諦めたけれども。

「あのな、会社名入ったトラックや重機使ってるから　分かったんやけど
　オタクの会社　そこそこ大きいやん。元請、分かるよな？
　一言、伝えてくれへん？　ご近所回りした方がエエと思うって。
　誰も　一言も聞いてへんよ、あんたらの仕事のこと。
　それとも　もしかして　あんたらも下請けやから　元請知りませんなんて
　仕事してるのぉ？　会社名　そこそこ聞いたことあるようなとこやけど
　そんな仕事も請けるんやねぇ。はぁ。そうかそうか。もうエエわ。」

さすがに　そこそこ名前の知れた会社やからな、　　　　　　　　　　　　　　マズイな　これはと察したんでしょうね。　　　　　　　　　　　　　　　　　元請の　建設会社の副社長さんが　菓子折り持って飛んで来はった。
「いや、菓子なんぞ要らんねん。
　いつから　工事始めますって周知くらいしてやって話やねん。」と言ったら
「施主が自分らでするんで　って言ってましたので。」と言う。
　なんですって？
「それはダメですね。施工業者として　おかしな事言ってますよね？
　施主が自分で？　施主が挨拶に来るのは　家が出来てから　でしょ？
　違います？　何のために　それもコミコミで家を建てて貰うんでしょう？
　いやぁ　いつから　そんなヘンテコな常識になってるの？」と聞くと
　苦笑いしてる。

あのねぇ、M建設さん
ここに住んでる人たちは皆　どこぞの馬の骨か分からん人たち　ちゃうよ。
私も含めてね。オタクの会社、知ってるよ。何なら　ご自宅だって知ってるよ。
地元で仕事するんやったら　いい加減なことしてたら　信用失くすよ。

うるさいオバはんやと思ってるやろうけどな、
当たり前のことして貰ってたら　こんな事　言わんよ。
家づくりって大変やん。あんたらの仕事のせいで　出来た家に住む人が
最初から　非常識な人ってレッテル貼られるんよ。　　　　　　　　　　　　　高いお金払って　家建てて　こんな田舎で　非常識って言われみ！　　　　　　
肩身が狭くて気の毒やんか。
あんたらの会社やって　そんな気遣いも出来ん建設業者さんって言われる　
経営者なら　社員が気の毒って分からへんの？」

逃げ場のない方向へ追い詰めないように　気をつけてたんだけど
結果して　ちょっとキツく言ってしまった。

こういう時に夫は　事なかれ主義に走る。「まぁまぁ」と私を宥めに走る。
アカンねん！そうやって「きっと誰かが言うてくれるから任せぇ」って態度。
他人の善意に　おんぶに抱っこって態度、社会人として有り得ない。

一時が万事、こんな調子。もう任せてなんて置けん。
ダメなことはダメ、間違ってることは間違ってると　
皆が　言わずに暮らして30年余り。日本は　どうなった？
息苦しないか？　金と権力と　声の大きな人間に　支配されてるやんか。
自分の意見をちゃんと言おうや。誰かに任せとくなんて、アカンよ。
自分の意見を言わないでおいて、決まったことに文句ばっかり言うのは
大人として情けない。大人って、責任持って意見を言う事なんちゃう？

自分の人生やで。誰かに任せてたまるか。

あかん、アカン。
自分らの暮らしを　自分らの手に戻さな。な！