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福祉なんてと思ってた


子どものころから捻くれ者で、お母さんにはよくクールでドライだ、と言われていました。奉仕精神が全然ないので、進学先や就職先を決める時も、福祉関係は眼中にありませんでした。

そういうわたしが、いまは放課後等デイサービスで働いていて、楽しく、そこそこやりがいも感じつつできています。


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転機、というか、きっかけになったのは、10年ほど前に始めた、高齢者介護のパートでした。

当時、次女が小学生になって、そろそろまとまった時間働けそうだなーと思って、パート先を探しました。

その少し前には東日本大震災があり、地震のこわさがまだまだリアルにあったこともあり、まだ小さいこどもたちにもし留守番させることになっても、すぐに帰れたり、また子どもが来れたりする、ごく近いところがいいなと思って、家から歩いて2分くらいの、デイサービスに面接に行きました。

全然経験ありませんが、人手不足なのか、すぐ採用。就職活動はいつもいつも落ちてばかりだったので,それだけでも結構嬉しかったなぁ。

介護は大変だとは思っていましたが、絶対無理!と思わないで、やろうかなと思えたところが、いま思えば自分に合っていたのかもしれません。できるかな、って思えることって、たぶんできるんでしょうか。

最初、認知症のお年寄りに接するのはなんか怖かったし、何をしていいかわからなかったし、車での送迎もいつも恐々で、慣れるまでは、やはり大変でした。

でもでも、仕事の帰り道は、なぜかとても充実感をもちました。お風呂に入れてあげたりすると、さっぱりしたよと、喜んでくれます。直接笑顔をみれたり、お礼を言ってもらったり、喜んでもらえたりするので、なにか、しっかりと役立てた気分になれて、嬉しかったんだと思います。

自分は全然興味を持ってこなかったけど、こういうのもできるんだな、合ってるのかなと思いました。

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5年近く介護の仕事をして、しばらくまた離れましたが、次にいまの仕事を見つけたときも、ちょっと不思議な感じでした。

福祉業界は人手不足が多いからかもしれませんが、すぐに仕事が決まります。大学生のとき、あんなに就活苦労したのに。20代半ばで転職活動したときも、落ちてばかりでほんとに落ち込んだのに。

今思えば、なにか自分のやり方が間違っていたのかも。どこか合わないことをしようとしてたのか、どこかむりがあったのかなと思っています。

いまは、障害が重い子も軽い子も色々な子と接していますが、福祉業界に入る前より、初めての相手でもそれなりにペースを合わせて話したりできるようになりました(たぶん)。

そして、支援のしかたを考えるのも、悩みはしますがやりがいを感じます。

近いからという理由だけで始めた介護の仕事が自分のなかで根となって、いまに繋がってる気がとてもしています。

あのとき、思い悩まずぱっと動けた自分に、よかったよと言いたいきもちです。

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