山の幸

この時期毎年恒例、区有林の整備作業に初参加、総勢20名ほどが参加。30年振りに会う人とか、最初全然誰なのかわからなかったが、話し声を聞いていたら段々とよみがえってきた。まさか耳で思い出すとは。

軽トラ4台で道中まずは山の神様を祀る石碑でお神酒とお参りをし、その先、未舗装のガタガタ道へ。途中、こないだの大雪で垂れた竹林や倒木を取り除きながら、車が回れなくなるギリギリまで上がり、歩きで更に尾根へ向かって上がっていく。森林組合によって更に奥まで道が伸びていた。じいさまの代から使っている手ノコとナタを持参しての慣れない作業、今年は昨年の倍の人手が集まったので、ビギナーとしてはありがたかった、といってもまるで借りてきた猫だったが。午前と午後の作業が終わり区民館での慰労会の席の最後になってやっとほぐれる。

赤らんだ顔した長老による山話が始まり、山林委員長が
「せっかく区の持ち物なんだから、みんなで楽しんでいきましょうよ」
と切りだす。
この時期の山のお楽しみといえば山菜。秋の味覚も含め、意外と地区の人よりも外の人がみんな取ってっちゃうとの事。そりゃあいい気はしない、区が持っている山なので区民が手入れをし、手入れに参加出来なかった家は出不足金を支払うのがルール。7000円である。
(エネルギー問題と似てるような気がしたりしなかったり)

朝出かける前に「山菜取れたらよろしく」と親父からビニール袋を渡されていたのだが、期待していたタラの芽はあんまりで、こごみポイントでは食いしん坊のおじさま達が静かに興奮、切り立った尾根を降りて行った。ちなみにその山や周辺の畑は、ありがたい事にフクイチの影響は薄く、しかしながらチェルノブイリ由来かと思われる数値は出ている。
あらためて山菜は今や財産なのだと感じる。

軽トラとか無い時代は、奥の方まで歩いて入っていって、帰りはど引きというらしいのだが、切った木をロープで引いて持って帰ってくる。相当大変、でもそれなりの値で売れたんだそうだ。その積み立てで上水道をひいた歴史を初めて聞く。今や売っても二束三文、お荷物とか、山を売ろうという意見もあるみたいだが、時代の変化もあるかもしれない、簡単に売るのではなく、と長老は区の山の大事さを語る。初参加の若輩者に長老の話はいちいち響く。

で、次のお楽しみは秋。その前に盆明けの集まりにも今年は参加を表明して帰ってきた。もやしっこデビュー戦はなかなか有意義だった。

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