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彩色キューブ・ドラフト攻略メモ

最近『MTG Arena』でドラフトをよくやっています。

同じ環境をやり込むより様々な環境でプレイするのが好きなので週替わりの環境でよく遊んでいるのですが、彩色キューブ (Chromatic Cube) ドラフトは攻略記事があまり多くなく、通常環境のやり始めに頼りにしている17Landsも未対応っぽいので、自分の印象をメモしておきます。


彩色キューブって何?

強力なカードと多色土地だらけの独自カードセットでドラフトするカジュアルフォーマット。年に1回(?)開催され、今年は6月13日から21日にかけて開催されている。開催ごとにカードプールは更新され、カードプールはゲーム内から確認できる。見やすいリンクは以下。

環境の特徴

・通常環境なら単独でゲームを破壊しかねない強力なカードが、コモンのように飛び交う
・2色土地が組み合わせごとに6種類(計30種類)、トライオームが5種類あり、好きな色マナが出せるアーティファクトも数種類ある

・5マナ以上のカードは放置されるとゲームに勝てる力を持つカードだらけで、+能力でカードを引け、-能力で戦場に干渉するプレインズウォーカーが強さの基準になっている
・3マナ以下の能動的に行動できるカードは、5マナ以上と比べて、少なく、弱い
・4マナのカードは3マナと5マナの中間のようなカードで、そこそこ有利になるが決定力はないものが多い
・カウンターは4マナ以上
・除去は2マナから4マナ。全体除去は5マナから7マナ
・2、3、4マナのマナアーティファクトが豊富

デッキ構築・ピックの指針

・通常環境のリミテッドと比べると4マナ以降のカードパワーの上がり方が極端に激しく、構築と比べると3マナ以下のカードが弱く、少ない
・そのため、5マナを中心としたカードをぶつけ合う展開になり、3マナ以下のカードを中心とした戦略は不可能か、あるいは再現性がない
・マナカーブの頂点は7マナのことが多い。7マナの時点で無茶苦茶してくるので、8マナ以降のありがたみは大きくない

・カードパワーの上がり方が激しいので、各マナ域ごとに達成すべきカードパワーのノルマがある。ノルマをクリアしていないカードはデッキに入らない
・同様に、土地が止まってマナが伸びなくなったときの影響が大きいため、土地を16枚以下に減らす基準が通常環境よりも厳しい。マナアーティファクトが2枚入っていたとしても土地は17枚にしておいた方が良い気がする
・2色+1色が望ましいが、多色土地の枚数によっては3色目のダブルシンボルも可能。通常環境で9枚8枚の2色が標準だと考えれば、25枚分の色マナがあれば均等3色が可能になるはずで、多色土地8枚(トライオーム・5色土地・色マナアーティファクトは2枚換算)は現実的な枚数

・全体の優先順位は
5マナ以降の強カード > 4マナ以下の強カード > 3マナ以下の普通カード = 多色土地 > 4マナ以降の普通カード = 除去

くらいの印象。個別のカードや状況によって変化するし、何となくでピックしてるので大して正確とは思っていない。

以下の評価は2023年6月バージョンの評価。とは言え、来年以降も大枠は変わらないかもしれない。

マナ域ごとの印象

マナカーブ

2マナから6マナまで、能動的に動けるカードが各4枚前後が目安。5マナ・6マナが10枚あると通常環境では重く感じるが、マナ加速も豊富なので問題ない。

1マナ

大したカードはあまりない。タップインの土地を置くターン。

2マナ

2マナは基本的には4マナ以降に備える準備のターンだが、例外も存在している。ほったらかすとアドバンテージを取られる「大群の妨害工作員」が筆頭で、マナが多く必要なこともあってディスカードが強い。

標準的なカードは2マナのマナアーティファクトで、これらは全部デッキに入る。

3マナ

ここも準備のターン。「不屈の追跡者」などの継続的にドローするカードは強力だが、2マナほどの無茶苦茶感はない。3マナのマナブーストもあり、強いものはデッキに入り得るが、2マナよりは劣る。

2マナ・3マナの継続的にカードを供給するカードは貴重なので、通常環境であれば初手級のカードよりも優先順位が高いことがある。

2マナと3マナは除去の中心的なマナ域でもある。後半で2アクションするのに使ったり、序盤の不味いクリーチャーを排除するのに使うが、通常のリミテッドほどの優先順位ではない。

4マナ

継続的にドローできるカードか、出た瞬間1:2取れるカードが強い。4マナのマナアーティファクトは2マナブーストするが、好きな色が出るものはデッキに入る。これ以降、ぼんやりサイズがデカくて回避能力ありますみたいなクリーチャーは、通常環境と違ってほとんど役に立たない。

5マナ

ここがこのゲームの中心のマナ域だと想定している。継続的にカードを引け戦場にも干渉できるプレインズウォーカーやクリーチャーと、出た瞬間、戦場に対して1:2取れるカードが強い。
戦場に対して1:2取れなかったとしても、4マナのように戦場に対して1、手札に対して1くらいの影響力はノルマとして欲しい。

プレインズウォーカーが多用される環境なので、「戦場に対して1:2取れる」の「1」はプレインズウォーカーを1回で破壊できる4/4以上を基準にするのが分かりやすい気がする。少なくとも2/2バニラは1枚分と見なせない。

全体除去もこのマナ域から。デッキには大体入るが、優先順位はカードによる。

6マナ

5マナと似たような基準だが、枚数が多く確実性が高い。

7マナ

戦場に対して1:2取れるカードを2枚戦場に投下したり、サイズもデカいクセに無茶苦茶カード引くようなイカれたマナ域。「多元宇宙の突破」「原初の征服者、エターリ」「王神、ニコル・ボーラス」「偉大なる統一者、アトラクサ」など(しょっちゅうピックできる)。

トップをめくって無料でプレイ系のカードは、平均的なマナコストが高いので通常環境よりもかなり強い。

色ごとの印象

明滅の色という印象。明滅は、準備のターンにCIPでカードを引くクリーチャーを置いておくなどアドバンテージを細かくとることを主眼として、単独でも使える軽いカードから入るのが良さそう。「霧の月の引力」や「精鋭呪文縛り」も良い相方。

通常環境でよく初手級になっている「飛んでます。警戒です。絆魂です」みたいな天使族は、出た瞬間何もせず、ダメージレースにもなりにくい環境なので、あまり活かせない。「刃の接合者」はただの戦闘要員の中ではもっともコストパフォーマンスが良く、明滅もできるので平均以上。「大修道士、エリシュ・ノーン」は出たターンに無茶苦茶になるので、さすがに強い。
除去と全体除去は豊富。白除去は死亡時誘発を誘発させないのが利点だが剥がされることもあり、強力なCIP能力持ちが多いこともあってそこまで信頼できない。「激変の機械巨人」は一番強いクリーチャーを倒せない代わりに色々巻き込んでくれるので結構好き。

プレインズウォーカーも控えめなので、全体的に決め手に欠ける気がする。

カウンターしたりドローしたりしてる。2マナのルーターはどちらも2マナ圏の平均を上回っている。「頭目の神官」は強さ以外に面白さポイントも高いのでおすすめ(タイムウォークをルーツリーする実績を解除しよう!)。

4マナのカウンターは平均的な強さに感じるが、「暗記 // 記憶」は戦場も触れるうえ「記憶」側も状況によっては強いので、4マナカウンターの中で最も強い。「大食の巨大鮫」は戦場に1:2取るので強い。「夢喰い」も1:2取れるので強い。「崇高な天啓」はカウンターできなくても、1:2取ってドローまでするポテンシャルがあるので青で一番強いかもしれない。

デッキに嬉しく入れれるカードが多く、3マナ以下も充実しているため主色になることが多い印象。

戦場の1:2を取れるカードが「シェオルドレッド」「墓所の冒涜者」「害悪の機械巨人」と豊富で、プレインズウォーカーも優秀なものが多く、「大群の妨害工作員」も「多元宇宙の突破」もある。「真夜中の空、殉至」も除去った瞬間2枚手札が減るのは強い。「破滅を囁くもの」は出た瞬間アドバンテージを取らないっちゃ取らないが、能力はさすがに1枚分くらいの価値はありそうだし、本体スペックも高い。

個人的に今回のカードプールだと飛び抜けて強い色だと思っている。ちなみに「食肉鉤虐殺事件(ナーフ済み)」は、クリーチャーのサイズが大きすぎてあまり強くない気がする。黒除去はプレインズウォーカーに触れないものが多いのでちゃんとテキストを読もう。

赤除去がクリーチャーのサイズの大きさから機能しづらく、及第点のカードが少なめな印象。しかし「家の焼き払い」「絶滅の星」はプレインズウォーカーも巻き込むため白の全体除去より明らかに強く、上位レベルのカードパワー。また、X除去はおまけがどれも優秀なので、デッキに入る。

除去ると手札が全部土地になる「混沌のバロール」や「原初の征服者、エターリ」などの強カードもあり、殴ると宝物出すクリーチャーも同コストのマナアーティファクトより強い気がするため、よく使ってる。マルチカラーも強いカードが多い。「峰の恐怖」は出た瞬間何もしない奴らの中では能力が一番強いので、平均を上回ってる。「燃え立つ空、軋賜」も宝物が役に立つ環境なので強い。

マナ加速の色。1マナ・2マナからやたらブーストしてくる。山札の一番上から土地をプレイできる系のアドバンテージ獲得手段も3マナからある。

除去がなさすぎるのと、プレインズウォーカーや5マナ以降クリーチャーも弱めな印象。「巨大猿、コグラ」は1:2交換を取れるので強く、「巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス」は速攻・トランプルも、カウンターを半分にする能力もプレインズウォーカーに対して強い。「終末の祟りの先陣」など速攻・トランプルが緑の強みなのかもしれない。

多色化して「樹の神、エシカ」「神の乱」「不屈の巡礼者、ゴロス」などを使えるようにすると真価が発揮される色という印象だが、あまりやっていないため自信なし。また、「永久の証人」など明滅と相性のいいカードがある。

マルチカラー

命令サイクルのカードは、どれもスペルの平均を上回っている。また、白青には明滅と相性のいいカードが複数ある。

強いと感じたカードは、
秘本に縛られし者、プロスパー」「炎鎖のアングラス」「真紅の花嫁、オリヴィア」「時を超えた英雄、ミンスクとブー」「コグラとイダーロ」「自然の怒りのタイタン、ウーロ
破滅の龍、ニコル・ボーラス」「王神、ニコル・ボーラス」「腹音鳴らしとフブルスプ」「ズルゴとオジュタイ」「偉大なる統一者、アトラクサ
あたり。黒絡みのデッキをよくやるので、評価がそちらに偏ってるのかもしれない。
真紅の花嫁、オリヴィア」は赤や青のルーターで「約束された終末、エムラクール」や「原初の征服者、エターリ」などを捨ててから釣ると気持ちいいのでおすすめ。

ミラーリの目覚め」はキモいくらいマナが出るので、X火力や「帰還した王、ケンリス」など適切な使い道があるなら楽しい。「新ファイレクシアへの侵攻」はトークンのサイズも上がって相性最高。
深海の破滅、ジャイルーダ」は見た瞬間は強い気がしたが、クリーチャーの採用枚数が少ないせいで大したものが出てこないことが多く、明滅しないならデッキに入れたくないくらいの評価になってしまった。

無色

2マナのマナアーティファクトは平均以上の強さで、色マナが出るものはより強い。3マナのマナアーティファクトは2マナ出る「パラジウムのマイア」が飛び抜けていて、全3マナクリーチャーの中でも上位だと思う。

プレインズウォーカーはどちらも、すごく強いわけではないがそのマナ域のプレインズウォーカーのノルマを十分満たしており、よくデッキに入る。「約束された終末、エムラクール」はプレイが現実的だが、思ったほど勝たない。「街並みの地ならし屋」は重めだが強め。「不滅の太陽」は除去しづらいこともあってプレインズウォーカー少なめのデッキなら平均以上。「勢団の銀行破り」も2マナとしては強い。

土地

3色合ってるトライオーム > 基本土地ないとタップイン = 2枚ないとタップイン = 後攻ならアンタップイン = ショックランド > 両面土地 > その他

タップインする土地は多すぎると行動が1ターン遅れるので、タップインする確率が高いほど評価が低い。

シナジー

アーキタイプと言えるほど組み合わせが多いのは明滅と5色くらいだが、組み合わせによって優先順位が大きく変わるカードがいくつかある。

スペル複製

シルムガルの命令」「崇高な天啓」「アールンドの天啓」「マグマ・オパス」「多元宇宙の突破」などの強力スペルと、「呪文追い、ルーツリー」「失われた宝物庫の学者」「ミジックスの熟達」。「多元宇宙の突破」2発はライブラリーアウトを意識して撃とう。「呪文追い、ルーツリー」は相棒条件を大抵満たせる。

生け贄

甦りし悪夢、ブレイズ」「スランの医師、ヨーグモス」「悪ふざけの名人、ランクル」などの生け贄手段と、「ネファリアのグール呼び、ジャダー」「蛇術師」などの供給手段。

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