ネクロムンダの歩き方:その⑤ ルール説明編・新規プレイヤー向け

本記事は、先日より公開している「ネクロムンダの歩き方」第5章として、ネクロムンダのルールについて、どんなルールのゲームなのか、ミニチュアゲームそのものが初めてというプレイヤー向けに、ゲームの雰囲気が理解出来るような記事として記載しています。

ネクロムンダはいろいろな入り口があると思っていますので、ミニチュアゲームそのものを遊んだ事がない方でも、本記事でゲームの流れを理解してもらい、この記事を参照しながら1度お試しでゲームを遊んでもらえれば、きっとネクロムンダの面白さを理解してもらえるはず!と思っています。

また、ルールについてはコアルール(https://www.games-workshop.com/en-JP/Necromunda-Rulebook-2018-eng)と最新のFAQ(https://www.warhammer-community.com/wp-content/uploads/2018/12/87J0jgS4omrX35qE.pdf)に基づいての記載としています。

その他のルールブック、特に日本語ルールは記述が古く、上記のルールとは異なっている点がいくつかある事に注意が必要です。

ルール説明については、確認しながら記載していますが、間違っている箇所に気がついた方がいたら、教えていただければ訂正するようにします。

また、ゲーム内の用語に関しては、別途用語集としてまとめています(ネクロムンダの歩き方:ネクロムンダ用語集)本記事では詳細について記載していない場合がありますので、わからない言葉があった場合、そちらを参照してください。

他にも、ネクロムンダを始めるにあたって、必要な物は何か、という点については「ネクロムンダの歩き方:その①」で説明していますので、まず先にそちらを読んでみてください。

③-1 はじめに

本記事では、ミニチュアゲームそのものが初めてという新規ユーザーでもネクロムンダのゲームの流れがわかるように一通り説明します。あくまでも基本的なルールの記載にとどめています。本記事で「出来ない」と書かれている行動があっても、それを可能にする「特別なルール」を持っているのであれば特別なルールを優先します。ここら辺は、TRPGやカードゲーム等に近いところかと思います。

③-2 ルール説明の前に

ミニチュアゲームが初めてだと、ただ単にルールのみを記載されても、ピンと来ない部分があるかと思いますので、具体的なルール説明の前に、いくつかミニチュアゲームの基本的な部分を説明します。

・ミニチュアの動かし方と距離の測り方

ミニチュアゲームでは、ゲームボード上にマス目がなく、そもそもどうやって自分のミニチュアを動かせばいいの?という疑問があるかと思います。

文章で説明するとむしろわかりにくいと思いますので、以下の写真を見てください。

ミニチュアの移動

写真のように、ミニチュアが載っているベースの先端から移動先までの距離を測って、移動先にベースの先端を置く、というように移動させてください。
※写真はミニチュアが5インチ移動したものと思ってください。

また、移動させた際に、移動させたいと思っている場所にミニチュアが置けない場合があります。例えば、足場が不安定で無理に置くと倒れそう、本当は別の向きに置きたいが、ミニチュアのポーズの関係で、腕がひっかかってしまう等です。

その場合は、対戦相手にその旨を伝えて、ミニチュア代わりになるようなマーカーを置く等で対応してください。大切なのは、相手にちゃんと伝えることと、自分でもわからなくならないようにしておく事です。

また、ミニチュアが持っている武器で、敵のミニチュアを射撃をしようと思った際には、敵のミニチュアまでの距離を測って、射程距離内であるかどうかを確認する必要があります。

その場合は、以下の写真のように距離を測ってください。

ミニチュア同士の距離を測る

ネクロムンダの武器は近距離射程と遠距離射程を持っています。
ミニチュアの載っているベースの先端から敵ミニチュアの載っているベースの先端までの距離を測って、射程距離(遠距離射程距離)内であれば射撃可能です。

写真の例ではミニチュア同士の距離は6インチです。

ミニチュアの移動に関しては、どうしても厳密な処理が難しい所も出てくると思いますが、そこはおおらかな心で遊んでもらえたらと思います。

・「射線が通っている」とはどういうことなのか?

先ほど、ミニチュアから射撃する際の距離の測り方を説明しましたが、射撃をするためには、もう一つ条件があります。

それが、「射線が通っている必要がある」という事です。

では、射線が通っているとはどういう事でしょうか?これも文章で説明するよりも写真を見てもらえればと思います。

射線が通っている状態

写真のように、ミニチュアの目線で敵が見えているのかどうかで判定します。
手前のミニチュアの目線から見て、奥のミニチュアが見えているので、「射線が通っている」状態です。

ここもなかなか厳密に扱うのは難しいところがありますので、微妙な場合は対戦相手や誰か第三者がいればその方に見てもらって判定するようにしましょう。

また、敵ミニチュアが見えていたとしても、「どの程度」見えているのか、という事も重要です。

ネクロムンダでは、以下の3段階で判定します。

オープン:敵ミニチュアが完全に見えている状態です。

カバーなし(オープン)

パーシャルカバー:敵ミニチュアが半分よりも多く見えている状態です。

パーシャルカバー

フルカバー:敵ミニチュアが半分以上見えていない状態です。

フルカバー

詳細なルール説明は後でしますが、敵がどの程度見えているのかによって、射撃の当たりやすさが変わりますので、対戦相手に必ず確認を取るようにしましょう。

例えば、「このファイターからあの敵に対して射撃しますが、パーシャルカバーでいいでしょうか?」等です。

判定が微妙な場合は、ロールオフする等で対応してください。

③-3 ルール説明

ここから、ネクロムンダ個別のルールを説明していきますが、前述した通り、あまり詳細なルール説明ではなく、あくまでも大きな流れのみを確認してもらうための記述にとどめています。
本項を読んで、さらに詳細なルール説明が欲しい、という方向けには、別途記事を用意する予定です。

ウォーハンマーストア等で体験ゲームを遊んでもらったり、コアルールブックを読む前に、本項に一通り目を通してもらうと、理解しやすくなるかと思います。

細かいルール説明の前に、一つだけ説明しておくと、ネクロムンダの場合は、「事前に距離を測る事が出来ない」というルールがあります。

距離の測り方を説明しましたが、例えば移動する際に、移動したい場所までの距離を測ってみたら、たどり着けなかったので移動をやめます、敵を射撃するために距離を測ってみたら、射程距離外だったので射撃を止めます、という事はできないという事です。

まず行動を宣言、それから距離を計測し、計測した結果によって行動を変更する事はできない、と理解してください。
移動であれば、あっちの方に移動します、と大まかな方向を宣言してから距離を測って、移動できるところまで移動する、射撃であればあの敵ファイターを撃ちます、と宣言してからその敵ファイターとの距離を測るという形になります。

0. ギャング編成ルール

ギャングの編成ルールは、コアルールブックには記載されておらず、各ギャング毎に異なる本に記載されています(ネクロムンダの歩き方:その①に記載しました)ギャングによって異なりますが、ほとんどのギャングは以下のルールとなっています。

・リーダーを1人入れる(リーダーは1体のみです)
・リーダーとチャンピオンを足した人数と、それ以外(ギャンガー、ジュブ、プロスペクト)を足した人数が同じ、もしくはそれ以外の人数の方が多くなるように編成する
例:リーダー1人、チャンピオン2人とした場合、ギャンガー、ジュブ、プロスペクトの3種で3人以上入れる必要がある
・ギャング内の装備を含めたファイター全員のクレジットの合計は、ゲーム形式で決められたクレジット(基本は1000クレジットです)以内になるようにする

ギャングの人数に制限はありませんが、だいたい7~8人くらいは欲しいところです。詳細は省きますが、ギャングの人数が少ないと少しゲームで不利になってしまいますので、注意しましょう。

悩む場合、最初はリーダーx1、チャンピオンx2、ギャンガーx4 くらいであまり深く考えずに組んでみる事をオススメします。
装備も最初は選択が難しいと思いますので、キットに入っている装備を持っているものとして組んでみましょう。

あとは、実際にゲームをしてみて自分の好みに調整していくのがいいと思います。

装備やスキル等については、お店で相談してみるのもいいですし、Twitterでつぶやくと誰か(例えば筆者とか)が検索してアドバイスをくれるかもしれません。

1. ラウンドの流れ

ネクロムンダのゲームは、勝利条件等はシナリオによって決まっています。ゲームが何ラウンドで終了するのか等もシナリオ次第なのですが、だいたいは片方のギャングが戦場から居なくなったら終了、という事が多いです。

各ラウンドは以下の3フェイズを順番に処理していくことで進行します。

1)プライオリティフェイズ(先制権を決定するフェイズ)

・ロールオフ(両者でD6を振る)して、ラウンドの先行を決定します。
⇒同値だった場合は、前ラウンドの後攻側ギャングが勝利します(第1ラウンドはリロール)
・自軍ギャングのファイターにレディーマーカーを配置して、まだ行動していない事を示します。
⇒どのファイターが行動していないかを表す事は、自分にとっても相手にとっても重要なので、他ゲームのものを流用する等して、なにがしかのマーカーは準備しておくとスムーズに遊べると思います。
※マーカーがないと、このファイターは行動したっけ?してないっけ?というのがどうしても発生しやすくなってしまいます。

2)アクションフェイズ(実際にファイターを行動させるフェイズ)

・先行を取ったプレイヤーから順番に1体ずつファイターを選択(アクティベート)して、2アクションずつ行動させます。アクション終了後は、ファイターに配置したレディマーカーを取り除いて、アクションが終了した事がわかるようにします。
※アクションについては「2.アクティベートとアクション」で説明します。

3)エンドフェイズ(戦闘の後処理をするフェイズ)

全てのギャングファイターのアクションが終了したら、そのラウンドに負った肉体的負傷や精神的ショックの解決のため、以下の処理を順番に行っていきます。を以下の処理を順番で行います。

・ボトルテスト:メンバーに重傷者や死亡者がいる場合、エンドフェイズにギャング全体の士気を確認し、士気が崩壊してしまうとファイターが戦闘から逃げ出してしまったりします。
※自分のギャングがヤバい状態になったので戦場から自分だけずらかるというイメージです。この際、そもそものギャングの人数が少ないと士気が崩壊しやすくなるルールとなっていますので、ギャングの編成人数は大切です。

・リカバリーチェック:重傷を負ったファイターがいる場合、回復できるかチェックします。回復に成功すれば、軽傷状態に戻って戦線に復帰できます(回復できずに戦闘不能となってしまう事もあります)
重傷を負ったファイターの1インチ以内に味方ファイターがいると、この回復チェックにボーナスがもらえます。

・ラリーテスト:ゲーム中にブロークン状態(近くで味方ギャングが倒れた時に、ビビってその場から逃げ出した状態になってしまったファイターがいる場合、落ち着きを取り戻して、戦線に復帰できるかチェックします。

2.アクティベートとアクション

アクションフェイズではプライオリティフェイズで先行を取ったギャングから順番にファイターを1体選択して行動をさせていきます。

ファイターをアクティベートした際には、各ファイターに2個アクションを実行させる事ができます。

よく使うアクションは以下の通りです。

・Move(移動):1アクションを消費して行動。ファイターをMoveの値と同じだけ移動させます。同じアクションを2度実行出来ます。
・Aim(狙う):1アクションを消費して行動。射撃する際のヒットロール(後述します)に+1ボーナスを得る事ができます。同じターンで2度狙う事はできません(そもそも2回狙う意味はないですが)
・Shoot(射撃):1アクションを消費して行動。装備している武器で射撃します。同じターンで2度射撃する事はできません。
・Charge(突撃):2アクションを消費して行動。2アクション消費するので、1ターンに1回だけしか実行出来ません。その代わり、突撃が成功した場合、無料でFight(白兵攻撃)アクションを実行出来ます。
・Fight(白兵攻撃):1アクションを消費して行動。装備している白兵戦で使用出来る武器で攻撃します。同じターンで2度白兵攻撃する事はできません。

実際に2アクションの組み合わせでよくある動きとしては、以下のようなものがあります。

⇒2回移動して位置取りする
⇒1回移動して射撃する
⇒狙ってから射撃する
⇒(白兵攻撃をするために)突撃する

アクションについての補足として、特に重要となる「Shoot」(射撃)アクションと「Fight」(白兵攻撃)アクションについては、以下に処理の流れをもう少し詳しく記載しておきます。

○SHOOT(射撃)の流れ

1)ターゲットを決める

ネクロムンダの場合、一番近い敵を射撃しなければいけない、というルールがあります。そのルールに従って、射撃する敵を決定します。
手前の敵を無視して遠い敵に対して射撃したい場合には、「Cl(Cool)」値でチェックする必要があります(冷静に近い敵を無視して遠い敵を狙えるのかチェックするイメージです)
※このチェックに失敗しても一番近くにいる敵を射撃することは可能です

2)使用する武器を決める

ターゲットが決まったら、装備している武器のうち、どの武器で射撃するのかを決定します。
武器によっては複数の弾薬を装備している場合があり、その場合はどの弾薬で射撃するのかについても決定します。

3)距離を測る

射手とターゲット間の距離を測ります。ネクロムンダでは、武器には近距離射程(武器ステータスにおけるS:ショートレンジ)と遠距離射程(武器ステータスにおけるL: ロングレンジ)の2種類があり、近距離に入っているかどうかで、この後行うヒットロールへのボーナスが違ったり、効果が変わる武器特性もありますので、距離を測る事(近距離射程内なのか遠距離射程なのかを確認する事)は重要です。
適正な射程内に敵が居なかった場合(射程よりも遠くに敵がいる等)は射撃失敗となります。

4)ヒットロール

射撃のターゲットが決定し、ターゲットが射程内である事が確認できたら、実際の射撃の処理に入っていきます。
ファイターの能力値「BS(Balistic Skill)」の値を確認して、それを目標値としてD6をロールします。
「狙う」アクションを実行してから射撃した場合等、状況によって目標値に修正が入る場合があります。

5)ダメージロール(ダメージの判定)

攻撃がヒットしたら、次にダメージロール(ダメージの判定)を行います。
ダメージロールの目標値は、武器の「S(Strength)」値とターゲットファイターの「T(Toughness)」値を比較して、目標値を決定します。
※実際の目標値はルールブックに記載されています。

6)セーブロールとインジャリーロール

ダメージロールに成功したら、ターゲットとなったファイターをコントロールしているプレイヤーが、ファイターの防具によって決定されるセーブロール目標値に対して、武器の「AP(Armour Penetration)」値の修正を加えた値を目標にD6をロールします。

7)インジャリーロール

ファイターがセーブに失敗した場合、武器によるダメージで体力が削られます。ターゲットとなったファイターの「W(Wounds)」から武器の能力値「D(Damage)」の値を引き、「W(Wounds)」が「0」にならなければ処理はここで完了です。
「W(Wounds)」が「0」になった場合は、インジャリーダイスと呼ばれる怪我のマークが描かれたダイスをロールし、軽傷、重傷、戦闘不能のいずれかの結果になります。
※軽傷は複数重なる事があり、軽傷1個につき、ファイターの「T(Toughness)」が1ずつ減っていき、「T(Toughness)」が「0」になった場合でも戦闘不能となります。
※「W(Wounds)」がマイナスになることはなく、例えばW2のファイターが4ダメージを受けた場合は、 0になった時点で1つ、それから余剰の2ダメージ分の2つ、合計3つのインジャリーダイスによる判定が発生します。

○FIGHT(白兵攻撃)の流れ

1)突撃を行う

白兵攻撃を行うためには、対象になる敵ファイターとベースコンタクト(ベース同士が密着)する必要がありますが、そもそも敵ファイターの1インチ以内に入るためには、突撃(Charge)アクションが必要です。
※移動(Move)アクションでは敵ファイターの1インチ以内には入れません。

突撃アクションを選択した場合、ファイターをMoveの値+D3インチ移動させます。仮に敵に届かないとしても、移動は実行する必要があります。

突撃アクションの移動で敵ファイターとベースコンタクト出来なかった場合は、そこでアクションが終了します。敵ファイターとベースコンタクト出来た場合は、敵ファイターに対して白兵攻撃を行う事ができます(以降の処理を続けて行います)

2)攻撃回数を決める

ファイターの能力値「A(Attack)」値を確認して、攻撃回数を確認します(状況によって、修正が入る場合があります)

3)使用する武器を決める

攻撃回数が決まったら、装備している武器のうち、どの武器で何回攻撃するのかを決めます(ネクロムンダでは、白兵戦でピストルを撃つ事もできます)

4)ヒットロール

射撃とは違い、仮にピストルで攻撃するのであっても、ファイターの能力値「WS(Weapon Skill)」値を目標にD6をロールします。

5)ダメージの判定(ダメージロール)

ダメージの処理は、射撃時と全く同じですので、「SHOOT(射撃)の流れ」を参照してください。

6)セーブロールとインジャリーロール

セーブロールとインジャリーロールの処理も射撃と同じですが、1点違いがあり、重傷となった場合には、「とどめの一撃(クーデグラ)」アクションをアクションを消費せずに実行して、敵を戦闘不能にする事ができます。
※白兵攻撃の方が、相手を戦闘不能にしやすい、という事です。

7)殴り返しの判定

白兵戦の場合、攻撃側の処理が完了した後に、ターゲットが生き残っていた(「W(Wounds)」が「0」にならなかったか、軽傷のみだった)場合は、ターゲットが殴り返す事が可能です。
処理としては、攻撃側が白兵攻撃をする場合と同様ですが、攻撃側ファイターを重傷にした場合でもとどめの一撃(クーデグラ)をする事はできません。

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