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神々が降臨するスギハンの祭礼

以前、ガルンガンは日本のお盆のような日、と書いて大反論された事がありました。確かに今の私ならガルンガンをお盆のような、とは書かないでしょう。

自分は分かっているという錯覚に陥って、物事を解釈してしまい落とし穴に落ちる。私も人の事は言えないです、同じような間違いを犯してきています。

 最近、ガルンガンは迎え盆、クニンガンは送り盆とする日本人が増えています。でも迎え盆が先祖の霊が地上に戻ってくる日なら、バリでは神々と先祖の霊が降りてくるのはスギハンの日でとされ、神々と先祖の霊が天界に帰るのはウリハンの日です。

そもそもガルンガンの祭礼とはどういう日なのでしょう。ガルンガンとは戦い、勝利と言う意味であり、アダルマに対するダルマの勝利を記念していると言います。バリの人々は、ガルンガン期間に降臨する神々のために、たくさんの供物を用意しおもてなしします。

お浄めに使うクリアンという祭具

ガルンガン前のスギハンの祭礼

スギハン・テンテン Sugihan Tenten
スンサン週、水曜日のポン
ガルンガンが近いことを知らせます。ブンチャル・バルン期間の始まりという地域もあるそうです。ブンチャルとは抜く、バルンは骨という意味で、骨抜きということなので、アクティビティを控えるという意図があります。

スギハン・ジャワ Sugihan Jawa
スンサン週、木曜のワゲ
神聖な場所である家の社(サンガ/ムラジャン)を清めます。神々と祖先の霊がガルンガンのために天界から降りてきますので、お清めをしてお迎えします。ジャワというのは、外という意味でマクロコスモスを浄める日です。

スギハン・バリ Sugihan Bali
スンサン週、金曜のクリウォン
自身を清めるために聖水をもらいます。マクロコスモスを浄める日。

ガルンガンのシンボル、ペンジョール。

神々はスギハンの日に、祖先の霊を伴って地上に降りてくるそうなので、家寺や祭壇をお清めします。使った後のお供え物は玄関先に置きます。メインは神々であって、祖先の霊は一緒に降りて来るわけです。実際、バリの家庭の家寺は神々を祀るものであって、祖先の霊を祀る仏壇のようなものではありません。

スギハン・ジャワに神々をお迎えする家もあれば、スギハン・バリにお迎えする家もあります。スギハン・ジャワに迎えるのは、ジャワから来たマジャパヒト系の人というのは、正しくありません。スギハン・ジャワの日にお迎えする家が圧倒的に多いです。






神々を木曜のスギハン・ジャワで迎えた家は日曜日のウリハンに、ウルッタンの供物を捧げて天界に送ります。


金曜のスギハン・バリで神々をお迎えした家は、月曜のプメチュカン・アグンの日に天界にります。





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