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バリ創世神話

サンヒャン・トリ・プルサ

昔々、バリには何の生物もいなかった頃のお話です。バリは繰り返す地震のために揺れ動いていました。あまりにも不安定であったので、バリは隣のロンボク島とくっついたり離れたりしていました。 そんな様子を見ていた天界のパスパティ神(シヴァ神)は、バリとロンボクが可哀想になり同情しました。

この時のバリの様子を眺めてみると、東のレンプヤン山、南のアンダカサ山、西のバトゥカル山、北のブラタン山の四つの山がありました。バリとロンボクの2つの島を安定させるため、パスパティ神は東ジャワにあるマハメル山の山頂を切り取り、バリに移動させることにしたのです。

パスパティ神の使命により、バダワン・ナラという大亀が大地の基盤となり、アナンタ・ボガとナガ・バスキという二匹の大蛇が、亀に巻き付き亀が動かないようにしました。大地を支える亀が動くと地震になるからです。

そして、翼を持つナガ・タクサカは、マハメル山の山頂を切り取って運ぶように命じられました。山頂を運ぶ途中で、一部がこぼれ落ちて、バトゥール山とロンボクのリンジャニ山になり、残った部分はアグン山になりました。この時から、バリには六つの山があるのです。

サカ暦113年(西暦191年)、2年間続いた地震の後突然アグン山は大噴火し、そのマグマの中からパスパティ神の子供であるグニジャヤ神、マハデワ神、デウィ・ダヌ女神が誕生しました。マハデワ神はアグン山に、グニジャヤ神はレンプヤン山に、デウィ・ダヌ女神はバトゥール湖にあるバトゥール山に降り立ちました。この三人の神がサンヒャン・トリ・プルサです。

バリに向けて出発する前に、3人の神はパスパティ神から命令を受けました。

「マハデワ、グニジャヤ、デウィ・ダヌよ、バリが安定するように、今すぐバリに向かっ て出発しなさい。そうすればバリは安定し、お前たちはバリで崇拝されるだろう。バリに降り立ったら住み処として、いくつかある山を選びなさい。そして、そこに神を祭る場所を建立するのです。」

使命を受けた三人は、バリへ向けて出発する前にパスパティ神に尋ねました。

「お父さん、私たちはまだ小さいので、どうやってバリまで行くのかわかりません。どうか道を教えてください。」

「道は教えるから心配することはない。パリに着いたら常に住民から崇拝される神になるように祈る事を忘れてはいけない。」とパスパティ神は言いました。


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