見出し画像

好きなアニメの話【1】『パプリカ』

今敏監督のアニメ映画『パプリカ』を知ったのは、たしか、大学生の頃に深夜に見たNHKの衛星放送のアニメに関する番組がきっかけでした。
その頃は大人向けのアニメ作品にも興味が出てきていた頃。
さらに、主演の林原めぐみは、小学生の頃から大好きだったこともあり、すぐに興味を持ちました。
それと、原作小説はまだ読んでいなかったのですが、当時は臨床心理士を目指して勉強していたこともあり、精神世界をテーマにした話はめちゃくちゃ関心があったので、思い切って見てみる事に。
それが、今敏作品にハマったきっかけとなりました。
だってすごかったもの。圧巻のガラクタたちのパレードや、セリフ回し、名作映画パロ、夢と現実のシーンにまつわる色彩のこだわりなどなど。
平沢進の音楽もぴったりでしたね。

たった一度の視聴で『パプリカ』の世界にハマり、『東京ゴッドファーザーズ』と『千年女優』も視聴、『妄想代理人』もこの頃に見たんだったかな。(『パーフェクトブルー』はだいぶ後になってから観ました。)
とにかく『パプリカ』は一番好きで、何度も繰り返し見ました。
おそらく同じようにハマった人たちが、セリフとかソラで言えるようになっているのでしょうね。
さらに次回作の『夢みる機械』の制作も発表されて、劇場で見るのを楽しみにしながら大学生活を送っていました。
何しろ『パプリカ』までの作品は劇場で見られていなかったのでね、初めて劇場で今敏監督の作品を見れるかもって思うとそれはもう楽しみだったんです。

ところが2010年のある日、何気なく当時入りびたりだったmixiを開いた私の目に衝撃的なニュースタイトルが飛び込んできました。
それは、今敏監督の訃報を伝えるニュース。
あまりに驚いて、地元の駅で立ち尽くしてしまったのを今でも覚えています。
今まで訪れていたニコニコの今敏ファン向け動画なども追悼のコメントで溢れていて、名前も顔も知らない人たちと悲しみを共有していたわけですが、それでも喪失感はすごかったです。
今思えば2007年にハマったから、ファン歴もまだ3年だったのですが、次回作を楽しみにしながら今敏監督のアニメを楽しんでいた日々が結構濃かったので、悲しみもそれだけ深かったみたいです。

その後、『夢みる機械』のプロジェクトは引き継がれたものの、やはり監督を失ってしまっただけあって難航したようで中止に……。
やはり今敏作品は今敏監督にしか作れないってことでしょう。
恐らく誰が引き継いだとしてもそういう壁にぶち当たってしまうのだと思います。
ただ、今敏監督の影響を受けた人々はいっぱいいますし、そういった人々がその血脈を受け継ぐような新たな作品を生んでくれたりするものなんですよね。
これから先に出会う作品で、かつて『パプリカ』にハマったような感覚っていうのは難しいかもしれませんが、同じくらいハマれる作品を生み出してくれるクリエーターとの出会いに期待するというところで、今回の話は終わります。
また次の記事でお会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?