見出し画像

好きな音楽の話【4】ミュージカル『Hair』より「Hair」

ミュージカルといえば、キャッツとかアニーとか、大人も子どもも楽しめる明るくて夢のある舞台をイメージしますが、必ずしもそういう作品ばかりじゃなかったりしますよね。
たとえばスウィーニー・トッドなんかは、舞台でお客をぞっとさせたいという意図で原作が選ばれたという話も耳にしました。
ちなみに今回とりあげる『Hair』はというと、そういうホラー作品ではないのですが、色んな意味である程度年齢を重ねた人がみる感じの作品です。

この舞台がブロードウェイで上演されたのは、1960年代後半から1970年代前半のことで、日本でもフォークソングとかが流行っていたくらいの時代。
私のくらいの世代でもピンとくる人は多いかもですが、ベトナム戦争への反発からなるメッセージだったり、当時のヒッピー文化が盛り込まれた内容となっています。
ま、だから、ヒッピーってことでね、ヤクの描写もあるのですよ。そういう意味では、ある程度年を重ねた人たちに適した舞台といえるのですよね。
薬物の取り扱いには共感できないのですが、ヒッピーたちのラブ&ピースを前面に出した自由な生き様や、強いメッセージ性というものは、型にはまった生き方に違和感を覚えていた大学生くらいの頃の私には結構ささった作品でしたね。
ちなみに初演から十年くらい後に映画化されています。こっちを見たことがあるっていう人も多いんじゃないかな。結末辺りは舞台のあらすじとはちょっと違うところがあって、見たことない人向けにネタバレを避けて説明しますと、始めてみた時は怖さと悲しさで震えちゃいました。
そんなヘアーですが、名曲もいくつかありまして、「Aquarius」「Let the Sunshine In」あたりが昔は好きでした。とくに後者は色んな意味で心に残ってしまう映画のラストのイメージも合わさって、印象深かったんだよね。
でも、何度も聞いているうちにタイトルナンバーめっちゃいい曲じゃない?ってなって、今ではこの曲が一番好きになりました。

でも、この完全なる陽キャノリ、私はとても仲間に加われないなぁ。
曲とかは大好きなんだけどね。

ちなみに、この舞台が登場した当時のアメリカでは、男性が髪を長く伸ばすっていうことが、反体制・反戦を意味していたそうです。
このプロモ映像以外では、初演の頃の映像とかもYouTubeで昔見かけたのですが、その時のコメントにあった、この時の出演者たちがおじいちゃんおばあちゃんの年齢になっているってなんかすごい的なコメントがあって、すごく共感した覚えがあります。
時代がこれだけ流れても、世界の情勢はいつもどこかで戦火が…って思うと何だかやるせない気持ちにもなります。

ってことで、今回は『Hair』の話でした。
また次の記事でお会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?