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トゥルー・デッドエンド♡チョコレート

こんにちは、稲むりです。寒いですね!
挨拶くらいしか言うことがありませんでした。

はじめに

はい

これの解説です。まだ聴いてない!?そりゃ運がいい!!なんてったって今から胸糞悪くなれるのですから…

なんやかんやデドチョコをだしてから3ヶ月強も経ってしまいました。ご察しの良い方はご察しの通りなのですが、この曲、それはもうここぞとばかりにストーリーに趣味を詰めて作りました。そのため出した直後くらいまで正直かなり恥ずかしかったのですが、ニコニコだともう2000回再生を超えてしまい、本当に沢山いいねや広告、コメントを頂いて、「出して良かったな」としみじみ思っています。曲出す度いつもそんな感じです。Twitterでの感想もほとんど拝見させて頂いてます。出してほんとよかった…


ではこの3ヶ月何をしていたか。


Twitterです。


というのは半分くらいで、学業が本格的に多忙になってしまい、なかなか本腰を入れて趣味で何かを作る!というようなことが厳しいような状況でした。単位が欲しいです。内定も欲しい…
11月〜12月はTwitterとソシャゲとKiite Cafeくらいしか出来ませんでした。
《2月追記文》なおこれは記事書き始めた頃(12月末)の話です!記事書き始めてから普通に一か月以上かかってるの何?うわー懐かしい(ヤケクソ)でも2月頭に曲を出せたぞ! エライエライネ

という訳で、という訳では無くとも、それなりに時間も経ちましたし、もしかしたら知りたい方もいるかな…と思ったらやっぱりいらっしゃったよで、デドチョコを書く時に考えていた物語の筋書きや設定について、覚えてる限り全部書いてみることにしました。
サスペンスのつもりで書いていますが、破綻も沢山あると思います。いや、沢山あるのですが、どうか生暖かい目で見てスルーして頂けると幸いです。前置きはここらへんにして本題に入りましょうか。これが殺人事件の全貌だ!

基本情報

霧里中学校
霧中と呼ばれ親しまれていた、市街地にあるごく普通の中学。
あの事件の何年か後に近くの別の学校と合併したため、今はもう存在しない校名ですし、バレンタインデーのお菓子の持ち込みも合併に伴って解禁されたようです。(ビデオのシーンで書き間違えて高校になってしまっています。設定上割と致命的なので訂正しました。本当に良くない)
そんな3人のクラスはというと、バズっている動画や変な教師に由来する変な流行があり、昼休みには3分の1程が教室に残り、恋バナと悪口に花が咲き、生徒を少し好き嫌いする担任のいる、パッと見て分かるようないじめもなく、際立っておかしい人物もいない、誰がどう見ても普通のクラスでした。

二宮 勇樹 (にのみや ゆうき)
生徒会所属
クラスの中での印象は専ら「優等生」。
考えている事が態度や表情に現れやすい傾向にありますが、根が誠実で柔和であるため「裏表がない」と好意的に見られがちです。
また容姿も相まって、二宮を密かに狙う女子は少なくありませんが、彼もまた想いを寄せる人物がいます。仮に誰かに打ち明けたら引かれてしまうのではないか、まして告白なんてすれば嫌われてしまうだろう。しかしそんな想いを大切にひた隠しにし続けるほど、今まで散々無下にしてしまった女子からの告白やさまざまな誘いに対しても、強い負い目を感じるのだそうです。チョコレートもその象徴だそうで、あまり好きではなくなってしまいました。

一ノ瀬 千冬 (いちのせ ちふゆ)
帰宅部
無気力であまりクラスメイトに興味がありません。クラスの中で表立って何かをする事もなければ友人関係もほとんどありません。
そんな彼の唯一と言っていい友人である、二宮から自分に向けた気持ちに気がついてからというもの、居心地の悪い日々が続いていました。二宮とどんな顔で話せばいいのかわかりません。彼にとってはただあくまで、二宮は意外と馬の合う昔からの友人なのです。無茶苦茶にモテるのがシンプルに妬ましい点以外は。

四ツ谷 萌枝 (よつや もえ)
どこかの幽霊部員
本来純粋で人懐っこい人物ですが、クラスの中ではやんわりと距離を置かれており、あまり誰かと一緒にいる事がありません。そんな彼女ですが、自分にも親切にしてくれる二宮のことが心の底から好きでした。でもその想いに望みはあまり感じていないようです。
両親があまりものを教えてくれる親ではなかった、(もっとはっきりいうとネグレクト気味だった)ため、常識に欠く部分があるというのは、四ツ谷自身も知るところです。
事件の発端は、四ツ谷が二宮の観察から見出した、暗い自身の恋路の活路でした。

事件

曲中では視点の順でしたが、今回は時系列で紹介していきたいと思います。

まず、ちょうどさっき書いた通り、四ツ谷には気づきがありました。「二宮は友人の事を随分と気にかけている。」彼女にとってはただ羨ましい限りでした。クラス替えも迫る三学期、いよいよ気持ちを伝えないまますべて終わってしまうが、ただ気持ちを伝えたところでどうにもなる気配がない。追い詰められ悩みに悩んで、ある日ふと思いついてしまったのです。「一ノ瀬に何かがあった時に、彼には慰めが必要なのではないか」四ツ谷は他意のない親切のありがたみを誰よりも知っていました。

四ツ谷の作戦(事件)のシナリオはこう。
①死ぬ事はないけど確実に体調を壊せる毒入りチョコを作る
②一ノ瀬のロッカーに匿名でチョコを置く(確実にその日に持って帰ってもらうために昼休み中に置く)
③翌日様子を見ながら二宮に声をかける

いざチョコを作る際、四ツ谷が毒に選んだものが、排水口クリーナーでした。もうダメです。うっかり排水口に落としてしまった時、思ったよりも泡立ってしまったため、焦って量を減らしたのですが、それが仮に胃に入ってどうなるか、彼女に知る由もありませんでした。
こうして(彼女の中では)無事チョコレートを完成させ、バレンタイン当日はきちんと昼休みに一ノ瀬のロッカーにチョコレートを置いたのです。

さて、彼女の目論み通り一ノ瀬は帰りの時間にチョコを発見します。一ノ瀬はそれはもう大喜び。「親友だけめちゃくちゃチョコを貰ってる」状況をようやく覆せたから。それにやっと彼女が出来るかもと思うと胸が踊ってしまいます。そしてなによりそれが、二宮に自身の恋を諦めてもらうちょうど良い口実だと思ったからです。だから二宮にも見てもらいたくて、一晩残していくことにしました。ロッカーの戸は少し開けておこう、明日の朝はさも初めて見つけたチョコであるかのように振る舞おう、昼休みにそれを食べよう…
その様を四ツ谷は目撃してしまいます。

そして、こちらも目論み通り、生徒会が終わった二宮は、一ノ瀬のロッカーに置かれたチョコレートを見つけてしまいました。
好きな人に恋人が出来る。当然あまりいい気分はしません。基本情報でも書いた通り、二宮は穏やかに一ノ瀬の隣にいるためだけに意外と色々なものを犠牲にして来ています。それをなし崩しにしたくもありません。こんなことでこの恋が終わってしまう。大抵の事にYESで答えて生きてきた自分が唯一誰にも譲らなかったものがなくなってしまう。彼に自分ではない大切な人間が出来てしまう。一緒に学校に行けなくなってしまう…そんな良くない想像が頭を巡り、気がつけば自分の鞄に一ノ瀬のチョコレートを入れてしまっていたのです。
その帰路で彼は魚を買い、そのチョコと同じものを装った思いつく限りのまずいチョコ(魚のわた入り)を作りました。「それがチョコを使った嫌がらせだった」とはっきりわかるくらい不味いチョコだったら、この件で一ノ瀬に最悪彼女が出来るなんでことはないでしょう。咄嗟にそんな事を思いついてしまった自分自身にも驚いてしまうくらい、ひどい事をしている自覚はあったものの、あのチョコレートを見てしまった時点から後ろめたく思うような心の余裕は彼にありませんでした。もちろんこの時点で一ノ瀬のロッカーに入っていたものが毒入りのチョコであった事を二宮は知りません。
翌朝早くに、一ノ瀬のロッカーに元あった通りチョコレートを置きました。

さて、ここまでそれぞれの行動を纏めると、

四ツ谷 一ノ瀬を病欠させたい(二宮に話しかける
    きっかけが欲しい)
→匿名の毒入りチョコを一ノ瀬のロッカーに置く

一ノ瀬 二宮に恋を諦めてほしい(今の関係を変え
    たくない)
!!ロッカーにチョコが入ってる!!
→ロッカーのチョコをできるだけ自然なシチュエーションで二宮に見えるようにする

二宮 一ノ瀬に恋人が出来るのが受け入れられな
   い(今の関係を変えたくない)
!!一ノ瀬のロッカーにチョコが入ってる!!
→ロッカーのチョコを不味いチョコに入れ替える


ここまでが、各々がその結果に期待して故意に起こした「事件」になります。
以下その結果です。

大事件

これらが絡み合った結果何が起こったか、おそらくこの記事をお読みの方はご存じのことかと思いますが、
まず第一に、「一ノ瀬に毒入りチョコを自宅にて食べてもらおう」という四ツ谷の作戦はバレンタイン当日の時点で失敗しています。一ノ瀬が何故かチョコをロッカーに置いて行った瞬間、もうダメだ、一度置いたチョコだけど持ち帰ってしまおうか?とも考えましたが、それでも一縷の希望に賭けたのでしょうか。
バレンタインデーの翌日(2月15日)の昼休み、一ノ瀬は嬉々として貰ったチョコレートを口に入れましたが、もちろんこれは二宮が作った魚のわたいりのチョコ。どんな味がしたのかは想像もつきません。しかし当然ながら、一番こんなことの想像が付かなかったのは一ノ瀬です。すぐには受け入れられません。だってもしこれが悪意なら、一度でもチョコを貰ったと舞い上がってしまった自分がバカみたいですよね。きっとクラスの何処かでこの様子を見た誰かが笑っていることでしょう。思わず吐き気を引き起こし、言葉としても口から出てしまうほどにあらゆる意味で最悪な気分でした。
このことにより結果的に命拾いをした事実も最後まで知ることはありません。

それを見守っていた二宮ですが、そうなることが分かっていたとしても、いざそれを前にする覚悟がありませんでした。一ノ瀬を介抱する絶好のタイミングだったのでしょう。でもこんな事になったのは全て自分のせいではありませんか。持ち前の善性が目の前の現実を拒絶します。こんなことしなければ良かったと。望んだ結果になったんですけどね。

そしてそれを傍観する四ツ谷にも、薄々こうなる事が分かっていました。一ノ瀬が食べたのは毒入りのチョコなのです。吐くくらいするでしょう。二宮は呆然としています。それも然るべきでしょう。
二宮話しかける?どうやって?何の分際で?
体がシミュレーション通りに動きません。作戦は失敗です。何もかもうまく行きませんでした。皆が彼らを見ていて、みるみる間に人々が動いて行くのを見守ることしか出来ませんでした。

二宮は帰宅後、もともと一ノ瀬のロッカーにあったチョコレートが目につきます。捨てようとも思いましたが、その誰かの一ノ瀬宛のチョコレートがゴミ箱に入っている様は見たくありませんでした。誰かの気持ちを蔑ろにするのにはもう耐えられません。
結局、食べる事にしました。そっちの方が供養になると思ったのでしょう。それがどんな味がしたかは、もう知る由もありません。

事件後

曲中で語れた分は上記で終わり。ここからはその後の捜査の話です。
状況はこう。

二宮勇樹 塩素系洗剤の誤飲が原因の中毒死。(胃液はまぜるな危険のそれに該当しますから…)
彼の部屋にはチョコレートの包装のゴミが沢山ありました。どれもバレンタインデーに貰ったチョコレートです。
また、二宮はチョコレートを入れ替える際に、包装は元の物をそのまま使い、中身だけ変えて一ノ瀬に渡しています。本来ロッカーに入っていた毒チョコはジップロックのようなものに入れていました。
部屋のゴミ箱に数多あった包装紙から四ツ谷の指紋が見つかるようなことはこの時点で既にありませんでした。
事件当日の二宮の様子は一ノ瀬曰く、妙によそよそしかったとの事です。「でもそれは自分かチョコレートを貰ってしまったからだったのだろう、二宮は多分自分のことが好きだったから」との事らしいです。

毒といえば、とクラスメイトからは一ノ瀬がチョコを食べて嘔吐してしまった話が挙がりました。
一ノ瀬曰く、誰かの悪意からものすごく不味いチョコレートを受け取ってしまったとの事です。(あえて表現するなら不自然に苦かったそうです)
これに関しては、四ツ谷から見ても何も違和感のない状況でした。自分の作って、一ノ瀬に渡したそのチョコレートが美味しいはずありませんし、きちんと一ノ瀬の手に渡って、一ノ瀬がそのチョコレートを食べたのだと思い込んでいました。
しかしここで話が一点、同一犯か?という推測が浮かびます。勿論これは違うので、ここで初めて四ツ谷が名乗り出ることになります。そして、一ノ瀬を病欠にさせて、二宮に話しかける機会が欲しかった事、一ノ瀬宛に排水口クリーナーを仕込んだチョコレートを渡したことを洗いざらい話したのでした。
これにより四ツ谷への疑いが一層増すことになりますが、それでも彼女は自分が作ったチョコレートはたった一つだと言い張りました。そしてそれは一ノ瀬が食べたものだと。第一、二宮にそんな物を渡す理由がありません。
そして実際に、二宮の室内には他のチョコレートの残骸は全て残っていたにもかかわらず彼女の指紋のついたものが見つからなかった点、一ノ瀬の話した内容などから、四ツ谷だと断定することは結果的に出来ませんでした。模倣犯か?当日のうちにそんな事が出来るでしょうか。それに四ツ谷曰く、自分のした事については今回初めて話したとのことなので、その線はまずないでしょう。自殺か、偶然他の人が同じ方法で殺害を試みたか、それともなんだかんだ言って四ツ谷がやったのか、そこから先は調べてもあまり情報が集まらないままでした。
そして、ある日を境にぱったりと四ツ谷が消息を絶ってしまった事がきっかけで、事件の真相はとうとう闇に葬られてしまったのです。

どれだけ後悔してももう二宮は帰ってきません。自分が一ノ瀬に毒入りチョコレートを作った事もバレてしまいました。もう親切な人はいませんし、少なくとも、学校が自分の居られる場所ではなくなってしまったのです。

こうして、霧里中学校殺人事件は多く謎を残したまま幕を閉じたのでした。







……?









呪いのビデオ

先に申し上げますと、この設定ほぼ蛇足なので、ビデオテープの長文は読まなくても結構でした。
動画を出す直前に思いついて急に入れてしまったんですよね…
それでも、一体どういう事だったのかと言いますと、実はその事件についてのドキュメンタリーを作った人物がいました。とんだ数寄者がいたもんですね。
それからおよそ20年。ひょんな事から発見したそのビデオ。懐古しようと再生しましたが、そこには本来無いシーンがありました。
曲でいえば1番とアウトロに当たります。
前述のとおり、事件後にわかっていたことは、一ノ瀬と四ツ谷が何をしたか、それだけだったのです。二宮の、最後までただの被害者だと思われていた彼の行動がそこには記されていました。
警察署に持っていこうか、しかし自分でも半信半疑なような内容です。それとも神社に持っていこうか、しかし仮にその内容が真実なのだとすれば、お焚き上げなんて以ての他です。


結局その時はどちらもせずに自宅にまた置いておく事にしたそうです。



曲を作った経緯

さて、こんな妙にねちょねちょした文章をここまで読み頂きありがとうございます。こういうところで記事を書く事自体慣れない事なので大変でしたが、なんだかんだ結局7000字も書いてしまいびっくりしています。
ここから先は稲むりの話なので興味のない方はタブを閉じてしまっても構いません。
時は一年ほど前に遡るのですが、時期としてはまさにバレンタインで、勤めていたコンビニでもチョコが増えていたような気がします。恐らくそれに影響されてか、「バレンタインの漫画が描きたいな」と思ったのがデドチョコが生まれたきっかけです。元々サスペンスのつもりはなく、普通にドロっとしたBLにしようと思っていましたが、最終的には要素の一つに落ち着いてしまいましたね。それもこれも四ツ谷という人物を思いついてしまったせいです。登場キャラクターは3人とも可愛いですが、私は四ツ谷が一番好きです。無邪気で一途で少し冷酷なところが良いですね。
それからは一ノ瀬の行動なども思いつき、どんどん頭の中でストーリーがまとまっていって、これは描かねば!と、そう思ったは良いものの、稲むりは漫画が描けません。何を隠そう、壊滅的に継続力がありませんでした。
そこにちょうどあったのが、なんだか可愛い感じのエレクトロポップのひな形でした。
 これだ!!!!!!
そんな感じです。

連作として3人の視点ごとに一曲…なども考えましたが、作曲のノウハウもあまりなく、前述の通り飽き性なので、妥協と、「そっちの方が面白い曲構成になりそう」というアレもあり一曲にしてしまいました。
反省として、4分もない曲に"全て"を詰め込んだ弊害でとっ散らかった話になってしまった点があります。特に3人、その中でも四ツ谷のバックグラウンドについては全然触れられなかったことは後悔していて、ヘイトをモロに買いそうなキャラクターになってしまいましたが、これを読んで見直してくれたらと思います。もっともちゃんと意志を持って毒を盛ったので見直すもクソもありませんが。改めて事件を俯瞰してみるとかなり四ツ谷のせいだな…
それでも、どう話せばみんなと仲良くなれるか(それは誰かの排斥とセットかもしれません)、どうすれば無知でなくなるかなどという、曖昧な壁をよじ登るよりも遥かに確かな、夢を叶えようという彼女なりの足掻きがこれでした。二宮も、一ノ瀬も同じです。誰も自ら進んで不幸になんてなりたくありませんし、彼らは寧ろ凄く強かなのではないかと、書いた後に思いました。自分の願いを叶える為の努力は、自分の気持ちを大事にすることは現代大抵美談として語られるもののはずではありませんか。じゃあ面と向かって伝えれば幸せになれましたか?どうすれば良かったんですか?エゴとしようのない後悔の歌です。


曲名の由来 本当に〜?意訳過ぎない…?

終 協力・提供 ⒾⓃⓂ


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