環境法令 その5(地球環境分野-2)


例年この時期には庭のキンモクセイの花が咲き、良い香りが漂っているのですが、今年はまだその兆しが見えていません。剪定の仕方が悪かったのか・・・ 


 さて、今回からは世界が、そして日本が脱炭素社会へむけて動き出した背景について触れていきます。

 まずそもそも地球温暖化とは何か? そのメカニズム・科学的側面から見てみましょう。 地球温暖化とは、大気中の温室効果ガス(以下「GHG」という)の濃度が高くなることにより、地球表面の温度が上昇することで、産業革命以降、人類による化石燃料の大量消費等によりGHGが大量に排出されてきました。 

 GHGには二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類(代替フロン)等が有り、それぞれ温室効果の度合い(地球温暖化係数)も違います。 

 では、なぜGHGが増えれば地球温暖化に繋がるのか? 


 太陽から地球に降り注ぐ光は直接地球の表面を暖め、暖められた地表からは宇宙へと熱(赤外線)が放出されます。

 この時に大気中のGHGが宇宙へと向かう赤外線を吸収し、熱として大気に蓄積し再び地表へと戻す働きをします。 

 これを繰り返すことによって、地表と大気が互いに暖め合うのが温室効果です。 


 大気中にGHGが全くないと地球の平均気温は-18℃になるといわれていますが、多すぎると気温が上昇してしまいます。 

 大気中に適度にGHGがあることで、地表の平均気温は生物にとって快適な気温に保たれます。


 約65万年前から18世紀中頃までは、地球の大気中のGHG濃度に大きな変化はありませんでした。

しかし産業革命以降、GHG濃度は急激に上昇しています。 今後も世界が大量の化石燃料を消費しながら経済成長を続けると、2100年にはGHG濃度の上昇等により世界平均気温は最大で今より4.8℃上昇すると言われています。 


 GHG濃度の上昇により地球温暖化が進むと起こり得る気候変動リスクを、下の5つの分野に大別しています。 

①サンゴ礁生態系などが高く脅威にさらされる 

②干ばつ、台風等の極端な気象現象

③農作物や水不足などの地域的な影響 

④生物多様性の損失や経済への影響

⑤氷床の消失などの大規模な特異現象


何やら深刻な内容になってきました。続きは次回ということで。

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