制度改正等は確定前から追いかけよう

本日は仕事の関係でSSBJ(サステナビリティ基準委員会)の公開草案の審議状況を過去数回分追いかけていたのですが、ふと思うとこのような、新しい制度の導入及び既存の制度の改正を、その審議・検討状況からチェックするというのは勉強になるなと改めて思いました。
本日はいつもに増して短文ですが、備忘のためのnoteに残すことにします。

具体例

具体例として、私が過去乃至現在まで追いかけている(いた)制度改正等を一部紹介します。

最後は厳密には制度改正に関する会議ではありませんが、英文開示の一部義務化等、今後の制度に影響するトピックも多いので加えました。他にもJ-SOXや開示布令関係も追いかけています。
(なお、会計に関しては全然追えていない…)

メリット

①委員等を構成するプロの様々な考えに触れることができる

制度の導入や改正がある場合、有識者によるワーキング・グループや委員会が組成され、その審議状況はHP(資本市場関連であれば東京証券取引所や日本証券業協会、会計であれば企業会計基準委員会等)で公開されています。
多くの場合、当日の資料だけではなく議事録も公開されており、そのメンバーはテーマに関連の深い大手監査法人や法律事務所、金融機関、その他事業会社の幹部、著名な学者だけではなく、監督官庁等もオブザーバーとして入っています。
(先ほど触れたSSBJの議事は、何と当日の様子がYouTubeでアーカイブ配信までされています)。

このようなプロ中のプロが、時には賛否が分かれて収束しない活発な議論を繰り広げている様子は読み物としても大変面白いですし、様々な立場から専門性に基づく理路整然とした発言を、議事録を通して読むことは大変勉強になります。
議事録だけではなく、当日の配布資料も後日の公開を前提にしっかり作られており、こちらも勉強になるものばかりです。

②パブコメやSNS等でも専門家の考えに触れることができる

専門家は勿論委員だけではありません。
制度改正がある場合、確定前の公開草案の段階でパブリック・コメントとして広く意見を募ることが多いのですが、ここには在野の専門家が様々な考えを基にコメントをされています。
これらは最終的に結果が公示されるため、意見を出す側も変なことは言えない緊張感がありますし、募集側も大変真摯に対応しています。

他にも、専門家の方々はXやNote等の各種SNS等にも広く生息しています。
特に公開草案の段階、ましてやその審議の段階から追っかけてた上で発信している方々は、その道のプロ中のプロであることが多く、まだ定まらない制度の方向性に関して考えを巡らせながら語る自説は、本質を突いていることが多いと感じています。

この点、勿論制度が固まってからでも、上記のような方々は引き続き発信をしていることも多いのですが、もう決まった話に関してはその納得感を探しに行く論調が多いと感じており、個人的には確定前の段階の方が、決定方針に縛られない自由闊達な意見を通して学ぶ機会として優れていると感じています。

③スタートダッシュが切れる

制度の新設も既存制度の改正も一朝一夕でできるわけもなく、通常は議論の開始から数か月以上はかかります。
このため、議論の開始時点から追っかけている方は、それだけで数か月以上のアドバンテージがあります。また、議論の段階では賛成・反対に分かれることも多く、その整理を各種資料を通して先に行っていくことで、確定した案に対するその趣旨も含め、頭にすんなり入ってくるでしょう。

④事情通っぽく振舞える

最後はしょうもない話なのですが、制度の確定前からその動向に関して追いかけている人は、体感ですが専門家に限ってもそこまで多くないです。
なので、ふとした時に話題に出せたりすると、「こやつ…デキル…!!」って思われませんか?思われませんかそうですか。

まとめ

以上の通り、制度の新設・改正に関して前倒しで動向を掴むメリットについて述べてきましたが、ほとんどの方は目の前の仕事で忙しく、専門分野の全てに関してカバーすることは難しいでしょう。
恥ずかしながら私も、個人的に面白いと思ったことや、今後確実に需要がある分野はなるべく追っかけるようにしていますが、後追いで追っかけている分野も多々あります。
あまり気負わず、趣味の一環くらいで考えるのがちょうどよいかもしれませんね。