「JC-dataセミナー2023」開催レポート
みなさん、こんにちは。
ジャパンケーブルキャスト株式会社(JCC)マーケティング部です。
今回は、2023年9月21日(木)に北海道で開催した「JC-dataセミナー2023」についてレポートしたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。
「JC-dataセミナー2023」開催の経緯
これまでJCCは、『JC-data』ご利用局様への情報提供と意見交換を目的に、2013年から毎年「JC-dataユーザーミーティング」を行っておりました。
新型コロナウイルスにより近年開催を見送っていた本イベントですが、今年はケーブルテレビ局様、関係ベンダ様に幅広く『JC-data』や「Hybridcast」を活用したサービスについて知っていただくことを目的とし「JC-dataセミナー2023」として開催いたしました。
講演内容について
今回のセミナーは「データ放送の可能性とJC-data ~データ放送のその先へ」をテーマとし、前半を講演、後半をパネルディスカッションとして2部構成で行いました。
講演タイトルと登壇社は以下の通りです。
それぞれ、どのような講演を行ったかについてご紹介したいと思います。
「データ放送の新たな展開」
本講演は、前半JCCがこれまで『JC-data』で提供してきたコンテンツや、一斉キャンペーン・アクセス集計結果から見えたコンテンツの利用状況についてご紹介しました。
その後、後半天草ケーブルネットワーク様に、実際に導入している『JC-data』の『視聴数調査サービス』について、導入の経緯や実際の運用、見えてきた課題についてご講演いただきました。
特に運用後の課題に対しては試行錯誤しているようで、サービス提供側としても大変参考になるご講演でした。
『視聴数調査サービス』については参加者からのご質問が多数あり、サービスへの関心の高さが伺えました。
「北海道地域DXの取り組み」
本講演では、前半HTB様に、データ放送で提供している「みちカメ」と「医TV・Hybridcast」について、デモを交えながらご紹介いただきました。
「みちカメ」は道内のおもな国道の状況をカメラ画像で配信する機能で、「医TV・Hybridcast」はHybridcastを活用して医療情報番組「医TV」の情報閲覧や、簡単な視力チェックができる機能です。
その他にも、過去に企業や自治体情報の配信等、マネタイズに向けた取り組みも行っていたようです。
その後、後半JCCが、北海道自治体に対して提供しているサービスや、HTB様と協業で取り組んでいる北海道むかわ町様事例についてご紹介しました。
本事例詳細はこちら
本事例は参加者の関心が高く、自治体に提案してみたい・JCCと一緒に取り組みたいというケーブルテレビ局様も多いようでした。
「放通連携からWebベース放送メディアへ」
本講演では、データ放送の双方向通信やHybridcast技術といった、これまでの放送と通信の連携に対するNHKの取り組みについて時系列で説明いただいた後、インターネットも活用できる放送メディアへの取り組みについてご説明いただきました。
放送とネットのUX統合事例や、デバイスに依存しない放送サービスの実現、パーソナルデータを活用したサービスの実証実験例等、普段なかなか聞けない内容で大変興味深く、参加者の満足度も特に高かったです。
本講演により、テレビの立ち位置について考えるきっかけとなりました。
パネルディスカッションについて
パネルディスカッションでは、「データ放送の可能性 ~データ放送のその先へ~」をディスカッションのテーマとし、伊那ケーブルテレビジョン様、エルシーブイ様、九州テレ・コミュニケーションズ様に加え、前半で講演いただいたHTB様、NHK技研様の5名にご登壇いただきました。
今回ご登壇いただいた3局様は、いずれもHybridcastを運用している、これから運用する局様になります。
伊那ケーブルテレビジョン様、エルシーブイ様の取り組みについては、弊社導入事例でもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
伊那ケーブルテレビジョン様Hybridcast活用事例はこちら
エルシーブイ様Hybridcast VOD,テレビdeチラシ導入事例はこちら
登壇した3局様には冒頭、各局様の取り組みについてご紹介いただいた後、Hybridcast導入にあたり社内で反対はなかったのか、実際使われているのか、マネタイズできているのかといった、ケーブルテレビ局様が気になるであろう内容についてお答えいただきました。
エルシーブイ様、伊那ケーブルテレビジョン様の「新しいアイデアや、やりたいことを実現できたのがHybridcastだった」というコメントがとても印象的でした。
一方、前半講演いただいた2社様には、民放やNHKの立場でどうHybridcastを推進しているのかに加え、ケーブルテレビ局様からの質問についてお答えいただきました。
NHK技研様のデータ放送・Hybridcastの普及に関する話やHTB様の開発費等、大変参考になる内容でした。
パネルディスカッションはデータ放送・Hybridcast先駆者の生の声が実際に聞けるということで、参加者もとても興味深く聞かれており、「時間が足りなかった」「もっと聞きたかった」という声も多くありました。
最後のまとめとして、今後のデータ放送、Hybridcastの可能性について、各社からいただいたコメントを抜粋します。
エルシーブイ様
「データ放送を11年前から初め、試行錯誤を行いやっと使っていただけるようになった。今後も見るテレビから使うテレビとして、Hybridcastの仕組みを使って、加入者の皆様が便利になるようなサービスを提供していきたい」
伊那ケーブルテレビジョン様
「ゆうあいマーケットは福祉的な位置づけで始めてきたが、より魅力的なサービスをお届けしたいと考え、2023年10月2日から北海道感動いちば様の商品を試験運用として取り扱うこととなった。今後はVODと連動する等、Hybridcast買い物を皮切りに地域・日本全国、世界とつながっていきたい」
九州テレ・コミュニケーションズ様
「Hybridcastは使い方によって可能性があり、アイディア次第で色々なものが作れるのではないかと感じている。住民への情報伝達もケーブルテレビ局の役割だと考えているので、Hybridcastを絡めて、住民にきめ細やかな情報伝達を行っていきたい」
HTB様
「昨今テレビはネットとの対比で語られることが多いが、信頼性やすべての住民に情報を届けるという点では放送波が優れていると考える。現在JCCとむかわ町へHybridcastサービスの提供を行っているが、防災の観点で自治体に対してサービスを提供することは、マネタイズの点でも可能性が広がるのではないのかと考えている」
NHK技研様
「今回の講演を聞いて、ケーブルテレビ局がコミュニティチャンネルを含め、データ放送・Hybridcastで自社の強みを活かしたサービスを提供しようと工夫されていることを知ることができた。今後もケーブルテレビ局を含め、求めるユースケースに答えられるような技術研究を行っていきたい。」
最後に緊急発表ということで、北海道感動いちば様と連携し、北海道の食材をケーブルテレビ事業者を通して全国へ届ける新ザービスについてご紹介させていただきました。
動体展示について
当日会場後方では、本日のセミナーでご紹介した、以下サービス・事例のデモ展示を行いました。
休憩中や講演後に参加者の皆様がデモ展示の前に集まり、意見交換をされておりました。
特に、Hybridcast VODは新画面となって初めて展示しましたが、4Kカメラで撮影された映像(2K編集)の画面のきれいさに皆様驚かれておりました。
その他展示内容については、過去イベント出展レポートに記載しておりますので、よろしければご覧ください。
ケーブルテレビテクノフェア2023出展レポートはこちら
おわりに
今回はJCCが開催したイベントの様子についてお伝えしました。
当日、遠方からセミナーにご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました!
最後の各社コメントにもあった通り、ケーブルテレビ局、民放、NHKのそれぞれの立場でHybridcastに将来性を感じており、今後さらにHybridcastを活用していきたいと思える内容となっておりました。
全体として参加者の満足度が高く、主催者側としても開催して良かったと感じました。
今後も、ケーブルテレビ局様や関連ベンダ様と協力しながら新しいビジネスを検討し、ケーブルテレビ業界を盛り上げていけるよう、JCCとしても努力していきたいと改めて思いました。
今回ご来場いただけなかった方や、セミナー、展示内容にご興味がある方は、以下からお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら
なお、9月22日(金)には、ケーブルテレビ局様、自治体様向けに、防災とメディアのあり方について考えていただくべく、「北海道防災とメディア研究会」を開催いたしました。本研究会の内容についても後ほどレポートとしてJCC公式noteに掲載予定ですので、ぜひご覧ください!
(おまけ)
今回は北海道出張ということで、セミナー前日、アイヌ料理屋さんにてJCC社員で決起会を行いました。漫画「ゴールデンカムイ」を想起させるような部屋でアイヌ料理をいただき、シンプルな味で大変おいしかったです。
皆で「チタタプ」と言いながら鮭を叩いたことで、結束が深まった気がしました!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ぜひ皆様からのフォロー&スキをお待ちしております!