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【感想】ミュージカル『ヘタリア 〜The World is wonderful〜』【おかえり】

おかえりなさい!ヘタミュ!!

いえ、というよりも、こちらかな。

おはようヘタミュ!シエスタはどうだった?


今回感想を書くのは、12月に観に行ったミュージカル『ヘタリア〜The World is wonderful〜』。
2021年12月16日〜19日に大阪公演、12月23日〜31日に東京公演が行われた。
※一部ネタバレを含みます。

ミュージカル『ヘタリア』とは

日丸屋秀和先生の漫画『Axis powers ヘタリア』(以下、APHと表記)を原作とした、所謂2.5次元ミュージカル。
ヘタレなイタリア(以下、私の個人的な事情により国名は漢字表記とします)を主人公に、色々な時代で色々な国が登場する国擬人化歴史コメディである。

ヘタミュ第1弾の『Singin' in the World』(以下SW)は、2015年12月24日〜29日に上演された。
そこから、第2弾『The Great World』(以下GW)が2016年、第3弾『in the new world』(以下NW)が2017年に上演。そして、NWにて最終公演となること、最後にライブ公演があることがアナウンスされる。
かくして、2018年3月17日〜21日のラストライブ『A World in the Universe』(以下ヘタライ)をもって、ヘタミュは幕を閉じる――

はずだった。

しかし。

「終わって欲しくない」、ファンの想いに応えるように、キャストさんから零れた「終わりたくない」。

伊役の崚行の声をずっとずっと覚えてた。
何度も何度も、最後にはマイクなしで直に伝えてくれたありがとうの声。
こんなこと言ったら怒られるかもと言いながら、終わりたくないよと絞り出した声。
会場からの大合唱に、これは終わりじゃない休憩です!シエスタするだけ!と言ってくれた強い声。

そして、ついに。

2021年12月、3年半以上の時を経て、復活。


「絶対行きたい!!」


チケットが取れますように。コロナが収まっていますように。

真剣に祈った甲斐あってか、24日夜、26日昼のチケットを無事ゲット!!


しかし。
大阪公演初日直前、音響機器全壊という未曾有の事態に。

それでも、幕は上がった。
スタッフさんたちの、必死の努力によって。

不安な気持ちで一連のツイートを見ながら、それでもヘタミュというものに対する、スタッフ、キャスト、ファン、それぞれの思いの大きさを思い知って。
ヘタミュは負けない!私たちファンも気持ちで負けてなるものか!大丈夫、絶対無事に公演は終わる!って、本当に祈るような思いだった。

無事に観劇できたこと、みんな怪我なく、病気なく、コロナにも負けずに幕を閉じられたこと、本当に良かった。

(まあ26日はオミクロン市中感染で本当はギリギリアウトかなって感じだったけどこれだけは本当に本当に行きたかった。1ヶ月ズレてたら行けなかったよ。本当に生で観れて良かった)

(あと、なんで今更noteかっていうと1/10までアーカイブ見まくってたからですありがとうございます公式さん早く円盤ください)


ヘタミュが笑顔を届けてくれる

まず見終わって、1番に思ったのは文句なしの「楽しかった!!」

それから、たくさんの「おかえり」「ありがとう」「大好き」。

それが見終わってじわじわと、「すごいものを見たな」という感覚に変わっていった。


ひとつは、「ヘタミュ、自我を持ったな」という感じ。
2.5次元ミュージカルなので、勿論原作ありきではあるけれど、原作の面白さを踏襲しつつ、ヘタミュならではの面白さが確立されていたと思う。2次元の再現ではなく、2.5次元でしか味わえない面白さ。とても良かった。

そしてもうひとつ、ヘタミュは一応2.5次元ミュージカルの括りのはずなのに、全然そんな感じがしなかった。
(とはいえ、あまりたくさん2.5次元を観ているわけではないけど)
強いて言うなら、ヘタミュはミュージカルやお芝居というより、“エンターテインメントショー”って感じ。

後から気づいてビックリしたのが、ヘタミュを観ている間、私たぶんずっと笑顔だった。ふと気づくと、口角が上がってる。無意識に。なんでもないシーンでも。
それってすごいパワーだなと思う。

カーテンコール曲『地球まるっとフェスティバル』の歌詞で伊が歌う、

さあみんなでお祭りだ”!

ああそうか、ヘタミュは、ファンもスタッフもキャストもみんな、“ヘタミュが大好きな人たち”が一堂に会する“お祭り”だったんだなあ、と思った。

その場を全員で共有できる幸せ。

本当に、ありがとうって、幸せって、こういう気持ちなんだなあ。
ヘタミュが存在する世界に、ありがとう。


それから、ED曲。
もう、これが、笑顔で泣ける曲。

ストーリー的には、長い間離れていた2人がまた一緒になることを歌った歌……だけど。

歌詞が、素敵で。

キーワードのように「ただいま」「おかえり」が出てくるんだけど、これがまた、『ヘタミュ、おかえり!』っていう気持ちを歌ってくれてるみたいで。

歌詞の終盤に、こんな部分がある。

例え声が聞こえなくても
おかえりって
思ってくれてる君に

元気に言わせて
ただいまって

コロナ対策で、客席は発声禁止。
そうでなければ、カテコで「おかえり!」って叫びたかった。でもできなくて。

それでも、伝わってるよ、ただいまって、言ってくれてる気がして。
そのことにありがとうって言いたいけど言えないから、その分精一杯拍手して。

そんなことを思っていたところに、千秋楽後、演出・作詞を担当されている吉谷さんからのツイート。

https://twitter.com/koutaroyositani/status/1476881815109775361?t=aHywtrt03oeKjh7eEF9BVA&s=19


“客席を思い浮かべながら作った”……
ああやっぱり、伝わっていたんだ。わかってくれていたんだ。同じ思いでいてくれたんだ。

こうした、制作サイドの皆様の思いに触れる度に、本当に感謝の気持ちでいっぱい。
本当に本当に、ありがとうございます。



ヘタミュの好きなとこ


さて、感慨深すぎて感想が宗教じみてきたところで(笑)、もう少し真っ当(?)な感想でも。

好きなとこ①言葉遊び

ヘタミュ、セリフの言葉遊びがすごく面白いなと思う。
史実ネタは知らなくて気づかないこともあるんだけど、言葉遊びの類いは歴史に詳しくなくても面白い。

WWで特に好きだったのは、

日「この辺りには詳しくないので、間違っていたら申し訳ないのですが……伊くんというのは仏さんでしょうか」
伊「うわ全然間違ってる」

日「緊張している時は、手のひらに人という漢字を書いて飲み込むといいそうですよ」
伊「ありがとう!早速人って漢字を……漢字って何!?」

あたりかな。

好きなとこ②アナログな演出

ヘタミュの演出は、どこまでもアナログ。

今回のWWも、スクリーン映像やプロジェクションマッピングは一切使っていない。
代わりにヘタミュの世界を表現するのは、動く舞台セットにフラッグ、そして素晴らしいアンサンブルさん(たったの6人!?ってカテコで目を剥いた)。

特に、国の擬人化というヘタミュの設定もあいまって、随所で見られる国旗の演出は最高。OPでの独の旗とか、国同士の戦いをフラッグで表現してたのもめちゃくちゃカッコよかった。好き。

そして、動くセットの多彩さ!
今回の可動式セットは階段2つに家。様々な小道具や、照明の演出もあいまって、このセットが本当に変幻自在。
高さのあるセットで動きが出ることに加えて、セットが自由に動くこと、その時その時で持たせられる意味が違うことで、映像なしでも色々な光景が浮かび上がってくる。
演劇はど素人だけど、こういうの好きだなーって毎回舞台セットを見るのが楽しみ。
ヘタミュ以外の吉谷さん(ヘタミュの演出さん)の舞台もたくさん見てみようと計画中。

好きなとこ③衣装

今回公演から、キャラの衣装が一新!
正直、前までの原作衣装が好きだったので、ビジュアル公開の段階では“変わっちゃうのかあ……”っていう寂しさがあった。

が。

静止画で見るのと動いてるのとだと全然違う。みんなかっこいい。

特にどハマりしたのが英。

今回、ジャケット(コート?)の裾が長めでひらひらするんですけど、このアシンメトリーなひらみが!最高で!!

あとは日。

こちらは原作(と、二次創作MMD)から大好きな黒軍服……!かっこよかった!!の一言に尽きる。

好きなとこ④日替わりパート

ヘタミュといえば際立つのが日替わりパート、もといアドリブの多さ。
最早どこが台本なのか見失うほどのアドリブ合戦。

めちゃくちゃ笑った。

もう、1年の締めくくりにこの1年分全部合わせたより笑ったんじゃないか?っていうくらいずっと笑ってた。

是非円盤に全部収録を……


好きなとこ⑤愛される作品


ヘタミュは、私が2.5次元、ひいては舞台や演劇といった分野に興味を持つきっかけにもなった作品でもある。

だからどうしても、個人的な思い入れも強い。強いんだけど。

それさえ霞むくらい、この作品は愛されているとしみじみ思う。

観に行った24日公演。
12月24日というのは、奇しくも第1弾SWの初日公演のあった日で。

それを受けてのアドリブパート。

伊「みんな今日クリスマスイブだよ!?どうしてこんなところにいるの?……あれ、これ5、6年前も同じこと言ったような……」

SWはDVDでしか見てないけど、そんなアドリブあったの!?しかも覚えてるんだ……!とびっくり。

さらに。

今回のWWには出られなかった独からのサプライズメッセージ!

しかも。

観に来てくれていた!
また、独に会える日も楽しみにしています。


そして。
大千秋楽、伊役の崚行の挨拶。

「みんなが愛し続けてくれたから、こうして戻ってくることができました!本当にありがとう!」

それはこっちのセリフだ、と思う。

たくさんのお仕事を抱えながら、シエスタしていたヘタミュを愛し続けてくれたスタッフ・キャストの皆さんがいてくれたから、こうしてヘタミュに再会できた。

本当に、本当にありがとうございます。

また会えることを願って。
また花が咲く、その時まで。


あと一刻も早く、円盤手元にください。

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