「KANタービレ〜今夜は帰さナイトフィーバー〜」に向けてのイキゴミ
ライブに行った後のレポートは今まで何度か書いているが、今回はこれから行くライブの話だ。3年前にミスチルを初めて観に行った時にも同じ様な物を書いたと思う。
11/12に観に行くKANタービレの話だ。
以前書いた通り、俺の敬愛するKANさんが旅に出てからちょうど1年のこの日に行われるこのイベント。KANさんはもろちんだが、出演者にも思い入れのあるメンバーが集まっている。今回はそれについて書いて「俺はこんなにこのイベントを楽しみにしているんだぞ!」とアピールしてみようと思う。
ちなみに特にエピソードのない人についてはサラっとスルーするけど、誰の事か確かめたりするなよ!
まずは一人目のゲスト、ASKAから。
我々の世代でチャゲアスの洗礼を受けてない者はいないだろう。もろちん俺もSUPER BEST Ⅱなんて全曲歌えるくらい聴き込んだものだ。
だが良い思い出ばかりではない。俺の人生初のバンドがチャゲアスのコピバンだったのだが、これが様々な意味でトラウマものだったのだ。
そもそも「昔好きだった」だけでその時はもう聴いてもいなかったし、周りのサークルバンドは洋楽ロック多めで浮きまくっていたし、なによりメンバーがボーカル・ベース・ドラムの3人で残りは打ち込みだった。ベースとドラムなんて一番打ち込みで代用できるのに。そして初心者の不安定なリズム隊が、打ち込みの同期に合わせるのはまさに至難の業だった。今でも同期物は演るのも聴くのも苦手なのは間違いなくこの時のトラウマのせいだ。案の定このバンドは、ボーカルがサークルに顔を出さなくなったことであえなく1回きりで消滅した。
そんなこんなでしばらく離れてはいたが、当然ながら本人には罪はないし、チャゲアス大ファンの後輩TANAKA君から定期的に聴かせてもらっていたので楽曲も歌唱力もいまだに一流なのは知っている。「Man and Woman」とかすげぇ良い曲だし。
「一度くらいは生で観てみたいミュージシャン」の一人である彼のパフォーマンスを楽しみにしている。きっと披露されるのは春のBS特番以来の「MOON」なんだろうけど。
Mr.桜井のChildrenさんに関しては以前書いたので割愛するとして、次に書くのは佐藤竹善(Sing Like Talking)と塩谷哲のご両人。SLTももろちん聴いていたし、竹善さんとKANさんはGUMBO仲間の印象もあるが、俺の中ではこの二人というとSALT&SUGARだ。
それ以前にもいろいろ共演していたしSLTの「Spirit Of Love」のピアノも塩谷さんだったはずだけど、この二人はSALT&SUGARというユニットを組んで、オリジナル曲のシングルとライブレコーディングの洋楽カバーを収録したアルバムを出していた。1996年のことだ。当時J-POPしか聴かない高校生だった俺にとっては少々ちょっと背伸びしてる感もありつつだが好きでよく聴いていたし、今でもたまに聴き返している。
この人達も生で観るのは初めて。果たして披露されるのは「カレーライス」なのかそれ以外なのか、果たして。
お次に登場するのは杉山清貴。この人との出会いはかなり昔の話になる。
小学生の頃、ラジオだったかテレビだったかで流れていたオメガトライブの曲が好きで(もうどの曲だったかは忘れてしまったが)、親に頼んでレコードをレンタルしてもらった。ちょうど当時はレコードからCDへの移行期で、レンタルレコード屋の一角にちっちゃくCDコーナーがあるくらいの時代だった。
帰って早速聴いてみると何か違うことにすぐ気がついた。それもそのはずで、当時ラジオで流れていたのは1986オメガトライブで、借りてきたのは杉山清貴&オメガトライブのライブ盤「Live Emotion」だったのだ。ボーカルが違えば小学生にも分かるのは当たり前だ。
最初は「なんだ…」とがっかりもしたが、それでも聴いてみるとそのアルバムにも良い曲がいっぱい入っていることに気付いて大好きになった。ちょうどその頃ソロ名義の曲がラジオで流れていて、そのドーナツ盤も借りてもらった。「さよならのオーシャン」とか「水の中のAnswer」とかだったと思う。振り返ってみると、1人のアーティストを継続して追いかけるという経験を、人生で初めてしたのがこの時だと思う。自分の音楽人生の最初期に登場したアーティストに30年以上の時を経て会えるのだ。なかなか感慨深いものがある。
その流れで言うと今回のゲストで一番出会いが早かったのが藤井フミヤ、というかチェッカーズだ。物心ついた頃にはテレビで見ていたと思う。姉貴の持っていた小学〇年生みたいな雑誌に特集が組まれていたのを覚えている。
その影響もあって、生まれてはじめて自分の意志でレンタルしてもらったレコードがチェッカーズだった。それ以前にドラえもんのドーナツ盤も買ってもらっていたみたいだが、幼稚園より前なので流石にそれはあまり覚えていない。
もう一つ思い出深いのは、はじめて「録音した自分の声を聞いた」時のことだ。小学生低学年の頃、何かのタイミングで家にテープレコーダーがあって、「録音するから好きな歌でも歌ってみな」という話になった。2曲候補を挙げた結果歌ったのがチェッカーズの「哀しくてジェラシー」だった。「自分の声ってこんななんだ…」とショックを受けるというよくあるイベントと共にチェッカーズは記憶に残っている。
ちなみにその時最初に歌いたいと言ったけど却下されたのがKUWATA BANDの「スキップ・ビート」だった。今考えると歌詞的に却下されて正解だったよ、うん。
個人的に、今回のメンバーでMr.桜井の次に思い入れが強いのが谷村有美だ。CDも色々持っているしコンサートに行ったこともある。佐藤竹善同様GUMBO仲間だったこの人のラジオを、俺はKANさんの日と同じくらい楽しみにしていた。
曲もトークも好きだったけど、この人の見た目も俺は好きだった。多分初恋的なものだったと思う。アルバムの広告か何かが雑誌の見開きに載っていたのを切り取って机の横に貼っていた記憶がある。写真集とかライブビデオを買った記憶もあるし、もろちんミニディスクも信じていた。
1996年、大阪フェスティバルホール以来の再会。是非また素敵な歌とピアノを聴かせてもらいたい。
GUMBO仲間でいうとトータス松本と山崎まさよしもそうだ。そういえば谷村有美がこの二人のこと「良い」って言ってた記憶がある。音楽についてもだけど、「歳取ったらカッコいいオジさんになりそう」とか言ってた気がするなぁ。山崎まさよしとはパワステかどこかで共演もしてたはず。
それは置いておくとして、この二人の音楽も勿論聴いていた。「いる」ではなく「いた」になってしまうのが正直なところではあるが。ウルフルズは正直常に追いかけている訳ではないけど、5年に一度くらいのタイミングでふと思い出して聴いてみると良いアルバムがあるイメージ。具体的には「バンザイ」とか「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック」とか「ONE MIND」あたり。
山崎まさよしもFM802でよく流れていたのでデビューの頃から聴いている。ステレオは1も2も買ったし、歌本のスコア見て「One more time, One more chance」のギターも練習した。多分イントロだけなら今でも弾ける。2002年のジョンレノンスーパーライブで披露された「Strawberry Fields Forever」も素晴らしかったので何回も観た記憶がある。
あとしょうもない記憶で言うと、「セロリ」のタイミングで大阪ローカルの深夜の音楽番組(確か「サウンドギャング」というタイトルだったはず)に出てMCの人と、
「それでは聴いてください。グリーンアスパラガス」「おいっ!」
みたいなミニコントやらされてたことも俺は忘れてないからね。その番組にお笑いコンビのオセロが「大阪のPUFFY」のキャッチコピーで出ててCDデビューしたこともセットで憶えてるからな。
最後に登場するのはトライセラの二人。
1999〜2000年くらいにNHKでライブ映像が流れてたのを観て「カッコいい!」となって、かなり短いスパンでCDとスコアを揃えて、先輩が卒業するタイミングでコピバンをやった。今考えると単発じゃなくパーマネントなバンドでやった方が良かった気もするけど。個人的には、なんか流行り物として消費してしまった様な申し訳ない記憶として残っている。
その後しばらく離れていたが、KANさんがトリビュートに参加したり共演するようになったりしてまた接点が出来たのを、「あ、こことここが繋がるんだ」と不思議な気持ちで見ていた。あと、一時期出演作のDVDだいたい買うくらいファンだった女優さんが和田シャーと結婚して、あんなほのぼの写真をインスタに上げるようになるなんて思ってもなかった。良い雰囲気でホント癒されるのよあの夫婦…
そんなトライセラも生で観るのは初めて。今回ドラムはいないけど彼にはYAZAWAのサポートの時一度エンカウントしてるので、これで3人コンプということで。
ゲストについてはあらかた語り尽くしたので次はホストの4組の番なのだが、申し訳ないのだが各アーティストCD1枚は買ったことはあるもののそこまで深い思い入れがないのが正直なところ。スタレビの音楽や一緒にDJしている姿よりは副音声家の根本要さんの方が馴染みがあるし、秦基博もアルバム何枚か聴いてるしカラオケのレパートリーにもさせてもらっているが最近はカサナルキセキくらいしかちゃんと追えていない。スキマも最初のミニアルバムの頃から聴いてるし、回奏パズルも言わずもがな。だがスキマといえば何と言っても「魔法がかかった日」。初めて聴く曲であんなに泣いたことは無かった。伝わったよ。ありがとう。
ということで、ゲスト・ホスト全16人中CDを買ったのが10人(レンタルも入れれば14人)という、なかなか無いライブ。中心人物があの人なのである意味当たり前なのかもしれないが、フェスとかでもここまで全組把握していることはあまり無いと思う。
この記事の最初に「このイベントを楽しみにしている」と書いたが、今の心境は正直複雑だ。もろちんどんなライブになるだろうと思って気持ちは高揚しているし、久々の横浜は楽しみだ。ちょっと張り切って良い目のホテルをチケット応募のかなり前から予約しているし。
だが、純粋に「楽しみ」というのとはやはり違って、「現実を突きつけられてしまうのでは」という恐怖もある。SNSを見ていると未だに曲も聴けないし映像も見れないという人もいる。俺はそこまでではないが、それでも「ああ、もう生でこれ聴けないのか」と不意に思ってしまって泣きそうになる時がある。湿っぽいイベントにはしたくないというのはKANさん含め演者・観客の総意なんじゃないかと思うけど、ちょうど一年というタイミングで行われるこのイベントで、気持ちに区切りをつけて現実と向き合わなければいけなくなるんじゃないかという予感もしている。そして、いざその時に自分の感情がどう揺れるのか予想がつかないのだ。喪失感を改めて感じてしまうのか、それとも前を向くきっかけになるのか、どっちに転ぶのか全く分からない。
でもいずれにせよ泣くんだろうなぁ。別に泣きに行く訳じゃないし、しんみりしたイベントにはしないだろうけど、我慢できる気はしないなぁ。こないだイベントの開演時間がKANさんが旅立ったのとほぼ同時刻だと気付いただけで俺泣いちゃったもん。
いずれにせよ一度しかない貴重なイベントに現地で立ち会えるのだ。来れなかった人の分もしっかり見届けてこようと思う。きっとその時の感想も記事にすることになるだろう。では股。
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