山田

いつだって恋愛は気持ち悪い

山田

いつだって恋愛は気持ち悪い

最近の記事

レズビアンだと思って生きた5年間

私が学生の頃から同性愛という言葉は浸透していたが、アセクシャルは知られていなかった。 異性を好きにならない人はいても、人を愛さない人はいないという認識。 だから私も、きっと女性が好きなんだろうと思っていた。 男の子と遊ぶのは楽しいけど、 喜んだ顔が見たい、私を大事だと思って欲しいという感情は女の子にしか待てなかった。 これが好きという気持ちなのかなと一旦は自分を納得させていた。 だけどレズビアンを名乗れば、当然同じ仲間ができる。 はじめて女の子からちゃんと恋愛感情

    • 10.アセクシャルと正社員

      はじめて履歴書に書けるような仕事をした。 面接の際はまだ籍を抜けていなかったので、既婚者ですけど離婚調停中と話した。 元夫は離婚の話はすんなり受け入れてくれたものの、お互い離婚の知識がなく、役所も仕事中の時間帯しか空いていないから、手続きに三ヶ月くらいかかった。 やっと正式にバツイチになれたのは年明けの1月頃だったかと思う。 当然職場でも彼氏はいないの?と聞かれることもあったが、離婚したばかりでひとりを楽しみたいというと、かなり説得力があるのはそれ以上は言われない。

      • 9.アセクシャルと結婚

        私はわりと早いうちに結婚した。 今は離婚して独り身である。 結婚する理由はただ一つ。 プライドの高い私がマウントを取るためのものだった。 結婚前に19歳、20歳とで彼氏はできたものの、 どうしても続けることはできなかった。 彼氏ができることは普通の人間に擬態できるメリットがあるけどそれだけ。 私にとっては気持ち悪い、つらいと言う気持ちに耐えなきゃいけない。 今思えば向こうだって私を本当に好きではなかったと思うし、長く続かないのは当然。 それに彼氏ができたところで遅れて

        • 8.アセクシャルと水商売

          高校までの幸せな生活は戻ってこない。 恋愛主義のしんどい世の中から救ってくれたのは、意外にも水商売だった。 キャバクラで「あやちゃん」という名前で働き始めた。 アセクシャルかレズビアンかもしれないと悩んでいる山田は死んだことにして、男性と話すのが大好きなあやちゃんで過ごした。 お酒は嫌いだったし、男の人に色目で見られるのだって得意じゃない。 でも恋バナや下ネタが好きなお茶目な女の子として生きるのは、本当の私を忘れられて嬉しかった。 水商売で働くお友達の中には、風俗関係や

        レズビアンだと思って生きた5年間

          7.アセクシャルと学生時代

          私が自分をアセクシャルだと知ったのは大人になってからなので、学生時代はたまたま好きな男がいないだけと思っていた。 オープンキャンパスで知り合ったひとつ上の男性と頻繁に遊んだり、趣味で知り合った同い年の男の子とプリクラを撮りに行った。 当時流行ったmixiで知り合った他県の男性に会いに行ったりもした。 でも違和感があった。 楽しいし面白いし、これがお互い男だったら良かったのに。 もしかして私は女の子が好きなのかもしれない。 私は学生時代は一旦レズビアンを自認した。

          7.アセクシャルと学生時代

          6.アセクシャルとビアンバー

          近年私を苦しめた場所。 ここ数年の話だが、 そもそもアセクシャルという言葉があまり浸透していなかったので、でも男性を好きになれないというコンプレックスは相談しにくい社会だった。 飲むのは好きだし… そんな気持ちで、きっとこの苦しさを理解してもらえるんだと思った。 男の人を好きになれない仲間として。 でも実際は違った。 女の人なら好きになれる人と 誰も好きになれない人は違うのだ。 初めは「良い人がいればね〜」と猫を被っていた私だが、フリーのお客さんと仲良くなるように紹

          6.アセクシャルとビアンバー

          5.アセクシャルと友人

          人生で短い期間でも友達だった人も合わせれば、色々な友人がいた。 女の子でも、同じように趣味を優先したいタイプの子もいた。 恋愛が好きだけれどこちらの性質も理解して各々で楽しめる子。 そして恋愛は絶対したほうがいいからと、無理矢理興味のない異性を押し付けてくるタイプ。 このタイプは友達でもない。 ただの嫌な人だ。 私は高校を卒業してから2年ほど専門学校にいた。 高校までの様々な楽しみ方ができる人達がいたことが嘘のように、全員が恋愛史上主義だった。 誰がかっこいいと思うか

          5.アセクシャルと友人

          4.アセクシャルとプライド

          これは私が、アセクシャルが、という問題ではないかもしれない。 恋愛において相手のステータスが優れていれば自分の価値も上がったように感じることは多いだろう。 女性は恋愛経験が豊富だと敬遠される傾向にはあるが、男性は経験人数がステータスという考え方を持つものは多い。 恋愛経験がないというのが下に見られる現実が確かにあるのだ。 また恋愛経験が少ない女性によってくる男性も、あまり良い人を見たことがない。 それこそがプライドの高い私にとって、アセクシャルのしんどさを我慢してで

          4.アセクシャルとプライド

          3.アセクシャルの私が恋愛で得たもの

          まったく無駄だったことはない。 少なからず男性と付き合い得たものもあった。 特に私はプライドが高かったから、彼氏がいるというステータスは心を安定させてくれた。 20歳前後では、当時自分の恋人を写真で友達に見せる風潮が多かった。 少し顔が良い男性を選んで、写真を見せる瞬間は優越感と高揚感を覚えた。 「私は今アセクシャルじゃない人みたいに恋愛ができて、周りにも自慢ができている」 ただそれだけだけど。 私の恋愛の楽しみがわからないため損をしているような気がするコンプレックスが、こ

          3.アセクシャルの私が恋愛で得たもの

          2.アセクシャルの私が恋愛で失ったもの

          友達と自信。 私はそれを失った。 アセクシャルが人を愛さないわけではない。 恋愛感情と性的感情を持たないだけで、人として大切にしたいという愛は存在する。 好きと言う言葉はライクとラブの二種類。 私はずっとライクだ。親も同性の友達も異性に対してもライクという意味の好き。 幼少期はそれで良かった。 でもいつからか異性に対して好きというと、恋愛的な意味と捉えられるようになった。 大好きでずっと仲良くしていられると思っていた異性の友達が、恋愛的には好きにならないために一緒にい

          2.アセクシャルの私が恋愛で失ったもの

          1.アセクシャルの私が恋愛に対して思うこと

          恋愛は苦労、修行に等しい存在。 もしくは合わない業種のフルタイム勤務。 とにかく苦痛で仕方ない。一度だって人生で経験したくないことだ。 でも苦労をしないと、働いてないと、 世間からは「なんで?」「変な人なんだ」と言われてしまう。 だからみんな精神的に追い詰められても働くんだろう。お金のために、世間体のために。 恋愛もそうだ。 恋愛しないと変な人だと思われる。 世間体のためにはどんなにつらくても経験すべきこと。 だから我慢して人と付き合ったりするアセクシャルは、意外と

          1.アセクシャルの私が恋愛に対して思うこと

          アセクシャルよきいてくれ

          聞いてくれ。届いてくれ。 この際アセクシャルじゃなくても良いからきいてくれ。 私は恋愛は気持ち悪いものだと思っている。 だけど経験をしたほうが良いこともわかっている。 同じ考えの人がいるかもしれない。1人じゃないと知って欲しいから書くことにした。 目次 1.アセクシャルの私が恋愛に対して思うこと 2.アセクシャルの私が恋愛で失ったもの 3.アセクシャルの私が恋愛で得たもの 4.アセクシャルとプライド 5.アセクシャルと友人 6.アセクシャルとビアンバー 7.アセクシャルと学

          アセクシャルよきいてくれ