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ジロリンタン備忘録210926

 ジャン=ポール・ベルモンドが死んだ!

 この一週間は祝日が2つもあって、きのうが何曜日なのかわからなくなってくるよ。きょうが月曜日に思えてくる。
 20日(月)の敬老の日は、敬うべき老人が先に亡くなってしまって、自分で自分を敬う日になってしまった。間違えて、おはぎを食べる始末だ。連休と言われたって、こっちは毎日が休みで、毎日が仕事日だ。
 23日(木)は秋分の日 equinox で満月だった。なんとか東の空に小さい満月が見えたけど、ウサギは見えなかったね。
 こっちはマルタの鷹協会フライヤーの原稿編集で忙しかったもんで、この備忘録には何も書いていないというか、書くネタがなかったのかもしれない。自分の連載コラムのために、ウィリアム・ノーランとロバート・サッキの真面目な死亡記事を書いていた。サッキの映画リストを調べていると、ある疑問が浮かんできたので、50年前に観たはずの《悪の紳士録》Pulp をもう一度観る羽目になったよ。

 そして、きのうはジャン=ポール・ベルモンドの死亡記事にやっと取りかかれた。彼の生涯や映画に関する記事を読んで、観た映画を思い出していたのだ。
 たぶん、初めて観たベルモンドの映画は、《勝手にしやがれ》だろうね。おれはニューヨークの大学へ行くまで、ほとんどヨーロッパ映画を観ていなかった。ニューヨークで知り合った日本人はほとんどアーティストだった。だから、1970年前後、映画の話になると、ゴダールだの、トリュフォーだの、アントニオーニだの、フェリーニだの、ブニュエルだの、今まで名前を聞いたことのない監督の映画の話をするから、自分も観ないと会話についていけない。
 それで、ゴダールの《勝手にしやがれ》を観たのは、どこなのか覚えていない。あの頃は、アヴェニューBに《チャールズ劇場》という三番館があって、入場料がたった1ドルだった。毎週、上映映画が変わるので、毎週金曜日の午後はほとんど、そこで映画を観ていた。ヨーロッパのアート系映画もアメリカのアクション映画も上映していた。たぶんそこで観たと思う。
 夏休みには、現在は《ストンプ》を上演しているセカンド・アヴェニューの《オーフィアム》で日替わりの映画を観ていた。おかげさまで、その頃は、半分以上のヨーロッパ名作映画をニューヨークじゅうの名画座で安く観ることができた。
 というわけで、ベルモンドの《勝手にしやがれ》は最後にセバーグのことを「まったく最低だ」と言ったのかなあ。最近の英語版の最終場面では、”You're a real louse." (お前はほんとにクズだ)という英語の字幕がついていた。50年前は、bitch(スペタめ)という字幕だったかもしれない。
 ベルモントの映画リストを改めて調べていると、ゴダールの《女は女である》と《気狂いピエロ》(ほとんどライオネル・ホワイト原作)、トリュフォーの《暗くなるまでこの恋を》(ウィリアム・アイリッシュ原作)、《華麗なる大泥棒》(デイヴィッド・グディス原作)、《ボルサリーノ》(アラン・ドロン共演)は観ているはずだが、昔の話なので、内容はほとんど覚えていない。ほかにも観ているはずだが、同じようなタイトルが多くて、どれを観たのかも覚えていない。30年以上前に読んだ本や、観た映画の内容をほとんど覚えていないことに、最近は気づき始めている。
 ということで、ベルモンドの真面目な死亡記事はまだ The Maltese Falcon Flyer に書いていない。というより、ベルモンドが出演したハードボイルド/ノワール系の映画が少なくて、困っているのだ。刑事役や泥棒役が多かったが、私立探偵役はなかったような気がする。《勝手にしやがれ》はノワール映画ということにして、誤魔化すかな?
 死亡記事に添えるベルモンドの写真を選ぶのに、1時間以上かかってしまった。そのときに思い出したのがジーン・セバーグのことだった。70年代に反戦運動や人種差別反対運動の活動家だった彼女がFBIの汚い策略(これは今ならポリス・ハラスメント、ポリハラと呼ぶべきかな? )で精神的にまいってしまって、1979年に謎の自殺をしたことだ。新聞でそのことを知ったが、この策略に関してはFBIも認めているが、トランプ政権下のFBIの仕事ぶりを見ると、現在もまだ改善されていないね。その1年後の1980年に、元旦那の作家ロマン・ギャリーがあとを追うように(?)自殺した。

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 ということで、1時間でこれだけ書けたし、もう寝る時間だから、公開するのは昼頃にしよう。では、おやすみなさい。夢の中でベルモンドに逢えるかな?//

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