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ジロリンタン備忘録220314

リーチャーって本当に正義のアウトローなの?

 春になりましたな。でも、暦の上ではもう春だけど、ニューヨークでは昨日(12日の午後かな?)雪が降ったんだって、ニューヨーク/ニュージャージーのラジオ局WBGOのニュースで報じていた。
 春に相応しい曲は何かなと考えると、一番先にペギー・リーの『春はまた来る』There'll Be Another Spring だろう。おれが1ヶ月ほど前に電子書籍で出した短編「早く殺される奴ほど早く死ぬ」でも、バックグラウンド・ミュージックに使わせてもらった。ジョージ・シアリングのピアノ伴奏がはいっている曲がYouTubeで聴けるよ。映画『グッド・ナイト、グッド・ラック』ではダイアン・リーヴズの歌が流れていたね。

 ちょっと書庫の大整理中でものすごく忙しかったものだから、先週はここで備忘録を書く時間がなかった。今もまだ整理は終わっていない。前回の備忘録は、死亡記事ではなかったのに(『斧』の映画化について)、この1ヶ月で165名も読んでくれた。この1ヶ月中のそのほかの記事に比べると100名以上も多い。
 今回の見出しの画像は、『ジャック・リーチャー/正義のアウトロー』のストリーミングのポスター画像だ。今度のマル鷹ファイヤー春号でこの番組を取り上げるので、これに付随するのに相応しいとおれが考える(どうも、まどろっこしいね)画像をネットで捜していたが、なかなか見つからないのだ。出演する俳優のプロファイル写真は面白くない。1枚でその場面の雰囲気とストーリーが感じられると共に、俳優の顔がはっきり映っている画像を捜すことにしている。これは意外と難しいよ。
 「正義のアウトロー」という謳い文句だけど、アメリカ版にはそんな謳い文句はないよ。「アウトロー」というのは、トム・クルーズ主演の映画Jack Reacher の邦題だ。「アウトロー」を日本語に役すると、「無法者」だ。リーチャーは、無法者ではなく、放浪者(vagabond) だ。この邦題の付け方だけが悪い。つまり、それ以外はかなり上出来である。
 アマゾンのプライムでストリームしていて、主役のアラン・リッチソンはトム・クルーズよりも外観がリーチャーに近い。原作は1997年刊の『キリング・フロアー』だ。日本語訳が出たとき、「現代版西部劇」だと思った。
 2003年にはラスヴェガスで<バウチャーコン>があり、参加した。リー・チャイルドも作家として参加していて、ある夜にチャイルドのパーティーがあるというので、参加した。パーティー会場は、<バウチャーコン>会場のホテルの隣のレストランで、チャイルド・ファンが多数集まった。ちなみに、チャイルドとジャック・リーチャーのファンは自分たちのことを、Reacher Creatures(リーチャー・クリーチャーズ、直訳すれば「リーチャーの生き物たち」)と呼んでいる。
 そのとき、デイヴィッド・マレルと同じテーブルにたまたますわって、マレルと短篇小説の話をした。おれはミステリー雑誌『ジャーロ』の編集顧問をしていたので、マレルの書いた短編小説を読ませてほしいと頼んだ。そのあと、マレルは書いたばかりの短編小説をネットで送信してくれた。今までと別のキャラクター(ボディーガード)が主役で、なかなか面白かったので、『ジャーロ』の編集部に訳載するように提案するつもりだった。たぶん提案はしたんだと思うが、2003年頃から、『ジャーロ』は海外短編ミステリーを載せることをやめたのだ。読者にとっても、作家にとっても、雑誌にとっても非常に残念なことだった。
 2008年の<バウチャーコン>はメリーランド州ボルティモアで開催された。そのときに、リー・チャイルドはベストセラー作家になっていた。ある夜、<バウチャーコン>会場のホテルから少し歩いたところにあるバーで、チャイルド主催のパーティーがあるということで、参加した。出席者は飲み物代を払わなくてもいいが、ただバーテンダーにはチップを払わなければいけない。<バウチャーコン>参加者のほとんどがこのバーにいたような気がする。これはなかなか評判がよかった。もちろん、チャイルドはベストセラー作家なので、その夜のバーの売り上げ代を支払うことなど、大した支出には考えてないのだろうが、ファンを増やしたことは確かだ。

 そういうわけで、ストリーミング版『ジャック・リーチャー』シーズン1は成功だった。そして、シーズン2の制作のOKが出たのだが、原作は何だろう? リーチャーもの長編第2作『反撃』(Die Trying, 1998) なのかな? だいぶ前に読んだから、プロットを忘れてしまったよ。
 3月10日にマイクル・コナリー原作の Bosch: Legacy がIMDb TV(アマゾンの子会社)で無料で5月6日からストリーミング放映されるという朗報がはいったので、同じアマゾン系のプライでストリーミングされている新作『ジャック・リーチャー/正義のアウトロー』の話題を取り上げてみたわけだ。
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