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ジロリンタン備忘録210803

 週末に<ラップ・シート・ブログ>を読んだら、知られていない私立探偵もの TV映画があるというので、サミー・デイヴィス・ジュニア主演の1969年放映の The Pigeon という TV番組だ。ただいま、ユーチューブで観られるというので、観たわけだ。1時間10分ぐらいの長さだから、観ることにしたよ。
 もともと1968年公開の映画《君は銃口/俺は引金》でピーター・ローフォードと共演して、ロンドンのナイトクラブの共同経営者に扮して、国家を転覆させる陰謀を阻止することになるという話だった。そのあと、1969年に《スウィート・チャリティー》というミュージカル映画があった。これは、フェリーニの《カビリアの夜》のアメリカ版ミュージカル化で、ボブ・フォッシ監督、ニール・サイモン(舞台版戯曲)、ピーター・ストーン(映画版脚色)、サイ・コールマン&ドロシー・フィールズ(音楽)がスタッフで、シャーリー・マクレーンが主演して、サミー・デイヴィスやリカルド・モンタルバンが出演している。ここのサミーはヒッピー教の教祖様のような役だ。
 ということで、The Pigeon の話にやっと戻れるね。原題の意味は、たぶん鳥の鳩ではなく、情報屋とか密告者とかいう意味だろう。
 サミーはヴェトナム復員兵の私立探偵ラリー・ミラーで、同じ部隊にいた復員兵と一緒にLAで探偵事務所を営んでいる。そのパートナーに扮するのがパット・ブーンだ。えっ、<砂に書いたラヴレター>のパット・ブーンなの? そんなに仲が良さそうには思えないなあ。ほかに、<三つ数えろ>のドロシー・マローンと、リカルド・モンタルバンが出演している。モンタルバンとは<スウィート・チェリティー>でも共演していたね。
 ストーリーは、マローンの娘の車の後部席に怪しい男が乗り込んだのを見たサミーは、それを知らずに車に乗った娘の車を追いかける。娘が車を自宅の前でとめると、後部席の男は娘をつかまえるが、そこにサミーがやって来て、男を追い払う。男は娘のあとをつけて、母親の居所を突き止めようとしたようだ。じつは、母親は昔の恋人モンタルバンの会社が不正を働いている証拠の手帳を持っている。モンタルバンはその証拠の手帳を奪おうとしているというわけだ。
 サミーの父親は市警の警部補だが、父親やパートナーにも事件の内容を頑固にも教えようともせず、一人で解決しようとする。個人的には、こういう頑固な男は嫌いなので、この探偵は好きになれないし、こんなのは警察に助けてもらったほうが、すぐに解決する。
 もちろん、最後にモンタルバンたちはつかまるのだが、犠牲も大きかった。こういう結末だったら、シリーズ番組になりそうにないなあ。
 <ラップ・シート・ブログ>によると、IMDbの評では「グレイト」とあると書いてあるが、本当の評は「not great but a good one」だ。でも、それほどグッドとは思わないなあ。監督はアール・ベラミー。オリジナル脚本はエドワード・ラクソとスタンリー・ロバーツ(二人ともほかのミステリーものの脚本を書いているヴェテランらしい)。

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 とにかく、ドロシー・マローンが出演していたから、最後まで観ただけだよ。
 では、もう眠る時間だから、またいつか……

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