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ジロリンタン備忘録210907

 この前の備忘録で、リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク短編集『皮肉な終幕』(扶桑社ミステリー、税込935円)の紹介をしたね。
 収録作品10編のうち、おれの翻訳したのは2編(「ある寒い冬の日に」「夢で殺しましょう」)だが、巻末解説で小山正さんが書いているように、「夢で殺しましょう」というタイトルは、NHKでかつて放送されたバラエティー番組「夢であいましょう」のモジリなのだ。原題は Shooting Script なので、そのまま「撮影台本」と訳しても面白くない。この shoot は拳銃を撃つの意味もあるので、「撮影」と「射撃」の両方に関係する言葉を捜して、「一発撮り」というタイトルも考えたが、それほど面白くもない。
 最終的には、「一発撮り」でも「夢で殺しましょう」でも「夢のような話」でも好きなのを選んでくださいと、あとは担当の編集者さんに任せた。
 どうして、こんな話をするかと言うと、9月6日放送の『徹子の部屋』に田辺靖雄と九重佑三子が出演して、『夢であいましょう』のテーマソングを歌っていたからだ。徹子さんによると、あの番組の出演者で今も健在なのは田辺と九重と徹子さんの3人だけだという。坂本スミ子も亡くなったし、中嶋弘子も亡くなったからなあ。寅さんで有名になる前の渥美清が番組最後に中嶋弘子を必死に笑わそうとしているのが面白かったっけ。
 「ある寒い冬の日に」のほうは、『ミステリマガジン』1985年1月号訳載とあるから、1984年秋に『ミスマガ』編集部の編集員だったN氏(今は翻訳家)が翻訳依頼を持ち込んだはずだ。わあ、あれからもう35年もたったのか。邦題はたぶんN氏が考えたんだろうな。

 話は変わるが、5日にAXMで観ていた『名探偵モンク』のウィリー・ネルソンがゲスト出演のエピソード。うしろで素っ裸で(スニーカーははいている)走るやつのことを字幕では「ストリートキング」と出てくるが、字幕屋さんは「ストリーキング」を知らないほど若いのかね? それとも、ちゃんと「ストリーキング」と書いたのに、学習不足のコンピューターが勝手に「ストリートキング」に「訂正」したのかね? 数年前に初めて観たときは吹き替えだったので、ちゃんとストリーキングと言ってたので、気にならなかったのかもしれない。

 この項はいったん中断している。7日にジャン=ポール・ベルモンドーとマイケル・K・ウィリアムズの死亡が報道されたので、ちゃんと調べてから、近いうちに死亡記事を書くかな。では、いちおう公開(後悔?)しておくね。//


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