豪快な飛行機の離陸に魅了されて
「人生のターニングポイントについて」というテーマを見て、何歳のときのどんな経験が思い浮かびますか?
私には、ここ約10年の自分を作った原点であると言える経験が一つあります。
それは高校2年生の夏前の修学旅行で、人生初めての飛行機に乗った時のことです。
元々乗り物が好きだった私ですが、飛行機には乗ったことが無くドキドキでその日を迎えました。
その経験が自分に「夢」を持たせ、その後奮闘することができた経験について文字に起こしていきたいと思います。
なにが衝撃だったか
その感覚は突然訪れました
本当にこの大きな物体が浮くのか、飛ぶのか、落ちないのか。
そんな不安を感じていた心に「グォー」とエンジンを吹かせながらどんどん滑走路を進んでいく飛行機、そして直後にフワっとする感覚。
不安な思いが取り払われて、少年の心で思う「すごい」の再来、こんなに気持ちをまるっと覆すような体験ができる乗り物があるのかという衝撃でした。
一気に気持ちはワクワクに、どのようにして飛行機は飛ばされているのか知りたくて色々勉強をしました。
知るほど面白い仕組み
気になったことは調べる性格のため、早速飛行機について調べ始めました。
最初に知ったことは「航空管制」ということ。
航空管制官と呼ばれる人たちが、空港の管制塔から、塔のある地上から、また空港から離れた施設から英語でパイロットに指示をして空港への離発着や区分けされた空域の航行の調整を行なっています。
少しマニアックな話になりますが、ラッシュアワーの羽田空港や成田空港に着陸する飛行機が綺麗に並んでいる様子は感動ものです。
高校生だった当時は「LiveATC(羽田空港)」で管制官とパイロットのやりとりを聞きながら、「Flightrader」の画面をずっと見ていられるほど、その世界に浸っていました。
語り出したらもっと面白いポイントはありますが、新しい情報を取り込む→五感で楽しむを繰り返しどんどんと飛行機の世界にハマっていきます。
余談ですが、高校で学ぶ英語の授業はあまり身につかない一方、航空管制で使われている英語はすんなりと覚えることができていました。
これしかない
ちょうど進路というものを考える高校生、大学で何を学びたいか、将来何になりたいか、その当時はこれと定まったものがあったわけではありませんでした。
けれど、飛行機の世界に魅せられているうちに自分もパイロットとして空を飛び回りたいという思いが膨らんでいき、パイロットを目指すようになりました。
ずば抜けて優れた人しか勤めることの出来ないイメージの仕事でしたが、逆算して自分になにが足りていないのかを考えて、それが補えるような準備をしていこうと決意しました。
私が高校生だった当時はパイロットになる方法として、
自社養成パイロット(航空会社がパイロット候補生として学生や社会人を採用する)
航空大学校(公立のエアラインパイロット養成学校)
私立大学のパイロット養成コース(東海大学とか桜美林大学とかが有名かも?)
海外でのパイロットライセンス取得
などがありました。3, 4は費用がかなり高額であったため、1,2を目指していくことになりました。
具体的に何を頑張ったか
自分なりに調べて、第一に英語、第二に英語、第三に健康な体、の優先順位で鍛えていこうとなりました。
大学では、アカデミック英語や課題発見・解決を通して論理的思考力や分析力を培うプログラムに挑戦し、勉強漬けの毎日を送っていました。
しかしながら、英語力や思考力は養われたものの、食事管理を怠りまさかの体調のバロメーターが曇天模様になってしまいました。(この時睡眠、食事、健康維持の大事さを身をもって学ぶ)
英語力を身につけた後は、実践の場で使える英語に鍛え上げようと国際交流事業、フォーラムや留学にチャレンジしてきました。
そんな学生生活を送っていた時、教授が自前のホームページを使った資料・課題管理をして授業を組み立てている場面に遭遇しました。
これまで、何も知らなかった私はインターネットで閲覧する世界って普通の人でも作ることができるの?という衝撃を受けました。
自分にとっては第二回、衝撃を受けて探究の道に走るブームの到来でした。
最初はHTMLやJavaScriptなどのWeb系言語から始め、c言語やpython,Ruby等々授業やYouTubeでプログラミングスキルが伸びる喜びを感じながら楽しんでいました。
そんな興味の幅が広がったこともあり、後に大学では環境科学を専攻していたものの情報科学の研究室に所属していました。
探究心が横道に逸れた話はまた別の記事にしたいと思います。
結局パイロットの道はどうなったのか
結論、自分への甘さと体の適性が合わずパイロット道を(今の所)断念しました。
まず自分への甘さについてですが、大学卒業と同時に航空大学校への進学を目指して受験勉強を続けていました。それと並行して航空会社への就職活動も行い、これが順調に進み私の心に謎の自信をもたらしてしまいます。
航空会社に就職してパイロットになるための試験はかなり特殊です。
上図が就活フローになりますが、他社他職種にはない特殊要素といえば「飛行適性検査」と「航空身体検査」だと思います。
面接で聞かれることもかなり特殊で、面接後の感想としては「イレギュラーな質問で面白すぎる」です。(後に振り返ると、イレギュラーな面接に対して冷静に対応できるかが見られてたのかと思いました。)
本題に戻ると、私は最終面接の手前の「航空身体検査」で不合格となってしまいました。
最終面接と内定まで少しという地点まで歩んできたことで、航空大学校の試験対策に対して甘さ・ゆるみが出てしまいこちらも不合格。
きっとこのような感覚でいると飛行機を誤操作しかねないので、ある意味パイロットの適性は根っこから備わっていなかったようにさえ思いました。
ただ一つ、高校生から夢を見てここまで頑張ってくることができたのは事実で、夢を持つことがどれだけの原動力になるか身をもって学ぶことができました。
(要は)私にとってなぜこの経験がターニングポイントになったのかというと
それは高校生でパイロットになることを目指したことで、これまで綴ってきたようなこと様々チャレンジをする勇気が出せ、いろんな人に出会い、大学では学ぶことができていなかったであろうことを吸収できたからです。
そんな過去のヒト・モノ・コトとの出会いと今の自分が置かれた境遇とのつながりは切り離せないものだと思っています。
この経験から、小さなことと自分が思っていても目標・夢に向かって奮闘した時間は無駄にはならず、きっと何かをもたらしてくれると信じているので目標は持ちながらこれからの日々も過ごしていきたいと思います。
あとがき
私の場合、ターニング ポイント は厳密にいえば高校生の修学旅行の時、になります。
その後チャレンジをしたこともそのポイントと同じくらい大切に思っています。
今の自分を形成しているのはターニングポイントではなく、一連のターニングエクスペリエンス?なのかなと、新しい単語が思い浮かんだのでここに残しておきます。
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