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30歳差。減塩生活の悩みのタネ、予後の体調。

夫のラーメン愛が止まらない。

減塩生活をスタートしてから、私は朝起きてから毎食の献立を考え、塩分を6g以内に収められるようにすべての調味料の量を計算した。

しかし、そう簡単には物事が進まないのが世の常である。

自律神経が失調気味の私は、天気の悪い日など、昼になってようやく起きることがしばしば。
朝ご飯が用意できない時に夫が持ち出すのが、ストックしてあるカップラーメンである。

カップラーメンは、その一杯だけで1日の塩分量を超えてしまうものがほとんど。スープを飲まなかったとしても麺には絡んでおり、他の食事との塩分量を合算すると、それだけで6gを越してしまう。

チートデイを設けるのであれば許容できるが、どうしても我慢できないらしい。
量を計り、ジップロックに小分けにするなどして対策を試みた。
しかし、スープが減ると麺に絡まないので美味しくなようだ。
小分けにしたものは減らず、新しいものが次々と開封されていく。

私は次第にあきらめ、他の食事を工夫することに心血を注いだ。


今まで週に2度は作っていた中華を、ほとんど作らなくなった。
調味料の配合を試行錯誤しても、いまいち味が決まらないからである。
また漬物や韓国キムチなど、塩分濃度の高い発酵食品は控えるようにした。

減塩レシピは食欲をかきたてるものは少なく、ほとんど本を開かなくなった。
味に敏感な家庭は、結局、自分たちに合った食材や配合で考えていくしかない。

一番増えた食事は、レモン汁をかけたイタリアンや酒粕を使った和食である。
以前から常食しているお酢も継続している。
レモン汁はそれだけで味が決まり、酒粕は味に深みが出る。
だが、夫にとって酒粕は“栄養の点滴”ではなく“天敵”のようだ。
ヨーグルトや牛乳にも同じことがいえるが、腸へ過剰に働くらしい。
その日の体調に影響してくるので、お通じが良くなりすぎるというのも考えものである。


急性B型大動脈解離の退院から1月を過ぎた頃、夫がベッドから転げ落ちた。
寝惚けていたこともあるが、薬の副作用でふらつきがあるらしい。

風呂を出て脱衣所に移動する際も血圧が不安定で、足元がおぼつかないことがある。
こうした急に起き上がったり温度や気圧の変化が大きい時は、特に注意が必要なようだ。
冬場は突然亡くなる事例が特に多い。

「いつ解離が再発してもおかしくない」
毎日そんな大きな恐怖に怯えながら過ごした。

調子が良い時に、ライブに足を運んだりクリスマスデートをした。
久々の外出で疲れが懸念されたが、そんな様子は見せない。
ひとときでも楽しめているようだった。

こうして二人の想い出を作ることができるのはいつまでだろう。
「一瞬でも長く一緒にいられたなら」
そう祈るばかりだった。

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