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30歳差。突然降ってきた恋、同棲。

20代半ば、私は夜な夜なアダルトライブチャットに精を出していた。
サイト内ではランキングに入る日が多かったが、派遣やパートの仕事は辞めずにいた。
ある段階でチャットレディに区切りをつけ、かつて身を置いていたSM業界に転身するが、それでも昼の仕事は続けていた。

私は、昼と夜、明と暗、美と醜という人間の持つ二面性が好きだ。

自分の中にもそれを求め、昼間就く仕事はいわゆる“お堅い”職種が多い。
彼とも、そんなお堅い職場で出逢った。

働き始めた当初は、互いにほとんど意識はしていない。
彼への印象は、「人とはちょっと違う空気感があるなー」と、なんとなく気になる程度。

ある年の新年会で、席が近くになった。
これがきっかけで初めてプライベートの話をし、意気投合。
彼の持つひょうひょうとしたオーラや飲み会の雰囲気に飲み込まれ、SM嬢であるということも話してしまうという展開に。

互いに妻と夫がいたが、相手とは不仲。
彼は離婚協議中で長年セックスレスということもあってか、私が話す全てに耳をかたむけ、目を輝かせていた。

飲み会が終了してから同僚や上司と別れた後、帰路をいそぐ人々を横目に、彼からキスをしてきた。
少し驚く一方、元々おじさまフェチだった私は心が躍った。

こうした状況から、デートやベッドインに至るまでは数日とかからなかった。
逢瀬を重ねていくうち、セックスの相性だけでなく、趣味や価値観が合うことにも居心地の良さを感じるように。

お互いになくてはならない存在となり、初めて職場以外で会話を交わしてから数か月後。アパートを借りて、半同棲状態に。

そうした関係性の中でも、「風俗業を辞めてほしい」と言われたことは一切ない。
むしろ、自分たちを引き合わせてくれたきっかけの一つとして応援してくれていた。

SM嬢を再開してから数か月後、昼職の契約期間が終了。
それから、私は嬢としてより一層熱心になっていった。
夜の世界で邁進する数年間、プライベートでは前夫との修羅場、離婚。
加えて手術や、度重なる持病の発作。
どんな時でも彼は付き添ってくれ、緊急時の運転や生活上の介助のサポートをおこなってくれた。

彼の方は前妻と協議離婚で落ち着いた。
最初に離婚を決意してからは7年もかかったらしい。

彼の離婚後、できれば早い内に再婚することを望んだ。
しかし法律上のリスクから、日を置かずに私たちが再婚することはできないだろう、そう考えていた。

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