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観戦記 2021-03 東京Vメニーナvs浦和Lu-18


寒い。朝から極寒。 行くのを躊躇するくらいの気温と風。
普段なら自転車で30分程で全然いける距離なんですがバスに切り替え。

バスで行ったことなんてないので、乗り換えも停留所もすべて移動しながらのリサーチ。

結局1時間かかりました。 復路含めて収まる時間を往路に費やした事は、自分の性格上実にショックですが、嘆いている暇はありません。

最寄り駅も決してトレセン入り口から近いわけでもなく、更に言うと会場であるメインフィールドは敷地内の一番奥。   すぐ真横がもう海 吹きすさぶ雪混じりの冷強風。

こんな中で試合をする選手たちはすごいですほんとに。

会場で入場手続き。 といつもの場所にテントがありません。 どうやら強風の影響で急遽スタンド下の資材置き場に移設した模様。

この時点で雨風ともにほぼ暴力レベルに。


雨雲レーダーを確認するとキックオフの直前には雲が抜けていくようなのでしばし屋根下で待機します。

が、さすがは海沿い。 雲の動向予測なんてあってないようなもの。 強烈な潮風が行く手を阻みます。

どうすることもできず、カメラだけを死守するスタンスに切り替えていざスタンドへ。
連日の試合でも選手たちは元気。 尊敬します。

いつものようにカメラを構えながらの観戦なので、戦術面等を語るほど目を配れていません。

それでも持った印象としては、ヴェルディメニーナの守備ラインの幅の広さ。 真ん中2枚にどちらかのサイドが降りてきてフラットを形成する形。

安定感ありました。  前半は風がアゲインストだったので、それなりにリスクマネジメンにも意識を割いていたと思いますが、

だからと言って下がりすぎず、浦和Lの陣形を見ながら行けるときは押し上げる。
話が少し逸れるかもしれませんが、自分が子供だった頃とは本当にレベルが段違いですね。

いやもしかすると、指導されていたにも関わらずそこまで意識が回っていなかっただけの説が濃厚ですねw

そんな中で先制したのは浦和でした。

前半の終了間際、少し集中力が途切れたのかもしれません。 身体を寄せきれなかった隙をついて島田選手がコースに流し込みます。
浦和先制に湧くその頃、ハーフタイム前から吹き付ける雨は勢いを増し、カメラ防水対策と自身の防寒対策を万全にしてこなかった自分に容赦なく襲い掛かります。

このまま新調したばかりのカメラをおじゃんにするわけにもいかず、そして寒さにも心折られ気持ちはもう「帰ろう…」になってました。
しっとりしてしまったダウンジャケットと髪の毛。さらにはジーンズまで。

とりあえず一旦メインスタンドに当たる関係者スペースに移動して態勢を立て直し、バスを待とうとあったかい缶コーヒーを飲みます。 少し血の巡りが活性する感覚に身を委ねます。  すると、

自販機が置かれたすぐ裏側、壁を隔てて向こう側がどうやらホーム側チームの控室に当たるらしく 選手たちみんなの重なった声が「おおー!!」と響きました。

そうです。 選手たちは観ている者以上に過酷な環境の中で頑張っているのです。

なにか萎え萎んでいたものが大きくなる感覚。 関東から来て試合をに取り組む人たちと、すぐそこが自宅の自分。 これはもう比較の対象ではありません。

戻って最後まで見届けよう! そう決意します。  もちろんカメラだけは細心の注意を払いながら

後半、立ち上がりから風をうまく背負って攻めに転じる東京ヴェルディメニーナ。
中央で揺さぶって最後は山本選手がフィニッシュ。

このころには天候も回復。 晴れ間から陽も差してきます。
試合は2-2のまま前後半10分ハーフの延長戦へ。

この展開、皇后杯の決勝を想起させます。  再び天候は悪化し、ついには雪が舞い始めます。

互いに譲らず硬直した展開。 このままPKまでもつれるのかな?

と思った矢先の後半ロスタイムでした。
浦和の守備のほつれからイージーになったボールを、途中交代出場の土方選手が押し込み勝負あり。

111分 この時間が意味するものはほぼ決勝点。  終了のホイッスルとともに崩れ落ちる浦和イレブン、そして歓喜のメニーナイレブン。


呆然と立ち尽くす浦和レッズレディースU-18福田選手に、真っ先に駈け寄って抱擁をしたのはメニーナ10番木下百花選手。

二人は中学年代までチームメイトだった盟友です。
何とか最後まで試合を見届け、カメラも無事。

あの時選手たちのあの声を聞いてなかったら、こんな素晴らしいドラマは絶対見られなかった。

勝者も敗者もなく、最後まで戦い抜いた両クラブの選手たちに感謝するとともに、万感の拍手を送りたいです。


ちなみに帰りのバスを一時間待った挙句、その日はトレセン内を回ってくれるルートは運休だったようで、

家に帰れたのはさらにそこから2時間後でしたとさ。

目的地は横を流れる川向こうの町、直線距離で500mもないのに、感覚はもうほぼ”遠征”でした。

改めて、東京ヴェルディメニーナのみなさん 優勝おめでとうございます!

画像付きテキストはこちらで。 https://j-aru.com


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