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ここが変だよ!?日本の学校(④行事編PART4)

現職の学校の先生と元教師で、現在の学校教育についてディスカッションしながら、新たな教育の可能性を提案していきます。

このプロジェクトを、悩んでいる学校の先生と、将来教員になりたい学生に捧げます。

企画への思い・詳細はこちらをご覧ください。


<メンバー紹介>
*Mさん
中高一貫の私立学校で働かれています。
民間企業や起業も経験されている経験豊富な先生です。

*テキトー教師さん
https://twitter.com/tekitoo_T_cher
若くして、ある都道府県の中学校で「教務主任」を務められている優秀な先生です。

*ながめ
https://twitter.com/mgnjapan
元高校教師で、現在は予備校講師以外にも、速読教室やアイドル活動、大喜利イベント、などたくさんのプロジェクトを運営しています。

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「ここが変だよ?!日本の学校」行事編4

M:さっきもちらっと話したんですが、行事の内容というよりは、とにかく日々の学校生活がタイトなんですよね。生徒は6時間授業でスケジュールパンパンで、こっちも配布物配って、連絡をして慌てて職員室に戻るっていうのがルーティンになってるので、本当に生徒も教師も余裕がないんでよね。生徒に話しかける余裕もないと言う感じ。そのタイトな感じを緩めてゆとりを作らないと、正直、行事の意味というか「学習効果」みたいなものも薄い気がするんですよね。

な:なるほど。あの終礼での生徒の「早く帰らせろ感」すごいですよね。

M:修学旅行とかもグループ組んであわてて事前学習して、帰ってきて、学習したことを整理したりする時間もないですよね。「はい次!はい次!」って感じでどんどんいろんなことが飛んでくる。だから修学旅行とかも結局行きっぱなしになってる気がするんですよ。

な:なるほどね。修学旅行が終わったあとの体験発表とかも形だけのものになってて、あれならやらんほうがマシちゃうかなとすら思う。

M:そうですよね。「できた?できた?パッパとやろう!」みたいな感じでただただ、こなさせてる感が否めないですよね。だから無理やり体験発表会とかせんでも、ゆとりの時間を作ってあげたらいいと思うんですよ。その方が生徒とコミュニケーションとれるし、生徒も各自、自由に学びたいことを深められると思うんだよね。

な:あ〜いいかもしれない!あと行事の中でも、特に課題意識があるのが「職場体験」なんですよ。あれって数少ないキャリア教育のなかでも特に大切なイベントだと思うんですよ。でもね。だいたいあれで体験する職業って「小売店」「医療関係」「美容室」「アパレル」とか、生徒たちの想像の範疇というか日常で接することのある職業の体験ばかりになってるのが現状だと思うんですよ。もっと生徒が知らなかった視点とかが与えられるように上手にできないかなと思ってしまうんですよ。

M:あれって地域柄や学校の方針にも影響受けるんですよね。工業地帯にある学校なら工場とか工務店に偏ったり、田舎だとレパートリーが少なかったりするみたいですし。私立の中高一貫校とかだと、職場体験の代わりに、大学のキャンパス見学を「キャリア教育」にしてる学校もあるとか聞いたことあります。キャンパスにいくのはいいんだけど、わざわざ職場体験の機会を潰してまでいかんでもいいと思うしそもそも大学のことなんて、ネットで調べればある程度わかるんでね。

な:なんでもかんでも、受験にくっつけるのも考えものですね。

M:職業体験もさっきながめさんが言ったように、体験できる業種が狭すぎるのでもう少し幅をもたせたほうがいいと思いますね。

な:本当にそうですよね!!ちなみにMさんはどんな職業があるといいと思いますか?

M:まず、自分がIT企業の出身というのもあって、ぜひIT企業は見せたいですね。あとは職人さんのシゴト現場とか見せれたら面白いんですけどね。本当に当たり障りのない業種しかラインナップに並んでない状況はやはり疑問ですね。

テ:体験させたい先には、教員側のバイアスがかかりがちだと思っています。うちの学校は今回はコロナウイルス対策の観点で体験に行かせなかったので、講師として各業種の人を呼ぶ形でやりました。でも担当教員が呼んだのは「消防士」「銀行員」「保育士」「地域の飲食店の人」とかなんとなく「お固い系」というか、なんとなく生徒でもどんな職業か想像がつく職業の人しか呼んでないのよね。

な:あるあるだね。

テ:例えば知り合いにお笑い芸人もいるし、それこそYoutuberとか呼んだら喜んで来てくれると思うし、担当の先生にいろいろ提案や紹介をしたんだけど「いや。いいです。」ってかなりドライな感じで断られてしまったのよね。新しい職業とかもどんどん出来てきている時代なので、自分ももっと生徒が体験できる職業の幅を広げたほうがいいと思いますね。

M:同じ幅を広げるって観点でも「農業体験」を職場体験にする学校も一定数あって、それはどうなの?って思ってしまいますね。農業は大事なんだけど、国民のほとんどが農家だったときの名残がのこっているだけな気がして、現代の世相を反映していない気がするんですよね。だから全員が「農業体験」をやる必要もないと思いますしそれは「職場体験」ではない気がしています。

テ:一個いいなと思う職場体験をやっている仲のいい先生がいて、ちょっと紹介させてください。うちの学校も含めてよくある職場体験って、教員側が選定した10~20個くらいの職場体験の受け入れ先の中から、生徒が1つか2つ程選んで体験するみたいなものだとおもうんですよ。

な:そうだね。教員側が選定するから、自分が行きたい体験先があるとは限らないもんね。

テ:その人の学校では、どこに行きたいかを生徒に決めさせて、自らその職場に電話をさせて職場体験の受け入れ許可がおりたかどうかを教師が把握するっていうスタイルでやってるんだって!

な:めちゃいい!すごい!

テ:だから教師側がやることって、電話のかけ方とかマナーとかそっちの指導が中心みたい。マクドナルドが好きな子がマクドナルドに行ったり、アパレルに行ったり、トリマーさんのところに行ったり自由に自分の興味関心に応じて行きたいところにいくらしい。だから自分ごとになるし、電話練習とか、ちゃんと真剣にやるんだって。

な:行く場所の数が必然的に増えるから管理は大変そうだね!でもめちゃめちゃいい取り組みだと思う!

テ:そう。だからうちの学校で取り入れようと思って提案したんだけど、他の先生から「管理が大変すぎますね!」って反発をくらってしまって。結局こちらが決めた職場体験先に対して、生徒に電話させるっていうことだけやることになったよ(笑)

な:え。ほとんど意味ないやん!茶番やん!

M:自分の行きたいところだから、電話をしたり、アポ取りを頑張る意味があるというか。こっちが決めたところだったら、自発性が弱まるからモチベーション下がるよね。

テ:そうそう!そこじゃないんだよ!ってすごく思った。

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