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恵良誠氏が語る、JAPAN 2014

2014シーズンが終了し、若手実力派プレイヤー、野毛駿平プロが年間ランキング1位を獲得したプロツアーJAPAN。結果的に年間ランキング2位となった鈴木猛大プロとの差は、わずか23ポイントだった。シーズン最終盤にいたるまで、シーズンチャンピオンの座を巡る白熱した戦いが繰り広げられた1年となった。

思えば今シーズン、STAGE 1千葉にて初の優勝を手にしたのは、野毛駿平プロだった。続いてSTAGE 2 新潟では宇佐美プロ、STAGE 3 北海道では西本侑史プロ、そしてSTAGE 4 愛知では鈴木猛大プロが優勝を果たす。この時点では、誰が年間優勝を手にしてもおかしくはない混戦状態だった。

SOFTDARTS BIBLE編集長はJAPAN 2014シーズンをどう考察する!?

そんななかSTAGE 8とSTAGE 9で2連勝を収め、中盤戦を盛り上げる立役者となったのが井上晋太郎プロだ。その好調の理由をSOFTDARTS BIBLE編集長である恵良誠氏は、こう分析する。

「井上プロの2連勝は、STAGE 7の準優勝が大きかったと考えています。シーズン初の決勝の舞台で、実力をフルに発揮することは容易ではありません。実際に決勝の舞台に立ち、自分がどうすれば優勝できるのか、そのためには何が足りなかったのか。それをSTAGE7の決勝戦を通じて体験したことが、その後の連勝につながったのではないでしょうか」

そういえば、シーズン終盤のSTAGE 16とSTAGE 17で2連勝を果たした野毛駿平プロも、STAGE 15の結果は準優勝。決勝戦まで駒を進めることが、獲得するポイントのみならず後の飛躍への糧となっているケースは少なくない。そう考えれば今後の準決勝や決勝を、さらに深く、楽しく観戦できそうだ。

年間優勝を決定づけたターニングポイントとは?

続けて恵良氏は、モチベーションを高めるために切磋琢磨し合うライバルの存在が重要だと語る。

「終盤の戦いで、野毛プロが活躍することができた理由のひとつとして、STAGE 15の決勝で対戦した相手が、広瀬貴久プロだったことが挙げられるでしょう。当時はふたりともちょうど24歳。若手の同年代ということもあり、絶対に負けられないライバル、という意識は互いに強かったはずです。結果は野毛プロのストレート負け。決勝に進みながら勝ちきることができなかった悔しさが、STAGE 16からの巻き返しに繋がったのではないか思います」

若くして年間チャンピオンの座についた野毛プロだが、シーズン中盤には苦戦を強いられた。STAGE 10からSTAGE 12の間はDivision 2で敗退。しかし、そこから自力で這い上がり、終盤に強力なライバルとの戦いを繰り広げるなかで、年間ランキング1位への光明を見いだしていったのだろう。

「野毛プロの2013シーズンの年間ランキングは193位。JAPAN16入りすること自体、2014シーズンがはじめてです。まだ若さを感じる部分があり、それがプラスになることもあれば、マイナスに働くこともあります。きっと本人も来シーズンに向け、安定して実力を発揮し続ける術を模索していることでしょう。たとえばJAPAN 2012シーズンの年間王者である勝見翔プロは、2014シーズンでの決勝進出はわずか1回ながら、準決勝進出は8回、そして14戦連続のJAPAN16入りを果たしています。その結果、年間ランキング5位という好成績を残しています。また、2014シーズンの鈴木猛大プロは、優勝回数は2回ながら、年間ランキング2位を獲得しているのです。野毛プロにそんな安定感が備わったとしたら、と想像するだけでワクワクしますね」

試合ごとに高い集中力を求められるJAPANプロ。そして、その集中力を各STAGEで発揮し続け、年間を通じて好調を維持し続けることこそが、年間ランキング上位進出へのカギとなるわけだ。

鈴木未来プロの快進撃とニューヒロインたちの台頭

いっぽう、JAPAN LADIESでは鈴木未来プロが驚くべき強さと安定感をみせた。2014シーズンからの参戦というもあり、シーズン序盤こそ上位進出はならなかったが、STAGE 4からいきなり3大会連続優勝。STAGE 7で一度は準決勝敗退となるものの、続くSTAGE 8からは怒涛の7連勝という前人未到の偉業を達成。そして最終戦でもDivision 2からのスタートで優勝を果たす。年間ランキング1位という称号だけでは語り尽くせない、圧巻のシーズンだった。

「全18 STAGE中11勝。鈴木プロが2014シーズンのJAPAN LADIESで打ち立てたこの記録を今後塗り替えることは、極めて困難でしょう。それほどに2014シーズンの鈴木プロは輝いていましたね。そんな鈴木プロの活躍に注目が集まりましたが、年間ランキング上位につけた他のJAPAN LADIESたちの戦い方も見事なものでした。たとえば、2012シーズンから3年連続でJAPAN LADIESの年間トップ8に入賞し続けている川上真奈プロ。先ほどお話したように、シーズンを通じて安定した強さを発揮することは難しく、とても重要なことです。また年間ランキング4位の日野優子プロは、EXHIBITION DOUBLESでの戦いぶりにも魅せられました。全18戦中10回決勝に進出、そして5回の優勝。彼女も今期のJAPAN LADIESを盛り上げた立役者のひとりでしょう」

そして、2014シーズンのJAPAN LADIESで多くのスポットライトを浴びた、もうひとりのニューヒロインを忘れてはならない。それが年間2位の佐々木沙綾香プロだ。決勝の舞台では、なんと7度も鈴木プロとの激戦を繰り広げた。

「2013シーズンから頭角を現していた佐々木プロですが、2014シーズンも大活躍でした。直接対決では、ことごとく鈴木プロに軍配が上がることにはなりまこたが、STAGE 15と17での優勝で実力は証明済みです。そして、佐々木プロには鈴木プロという強力なライバルが存在し、過去の経験を生かして鈴木プロを攻略すべく、シーズンオフにさらなる鍛錬を積むことでしょう。ふたりの戦いは、2015シーズンも大きな見どころ。これまで以上にハイレベルな撃ちこれが期待できるのではないでしょうか」

2015シーズンはディフェンディングチャンピオンとなる野毛駿平プロと鈴木未来プロ。まわりにはその座を脅かさんとする実力派のプレイヤーたちがひしめいている。2015シーズン、STAGE 1千葉から見どころが満載のプロツアーJAPAN。その開催が待ち遠しい。

JAPAN 2015 STAGE1 千葉
生中継は4月11日(土)14:00スタート(予定)
>> http://dartslive.tv/japan/live/

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