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神主体験 優しい痛みが心地良くなる

先日、神主体験に行ってきました。
神社に興味があり、もともと詳しかったわけではないのですが、調べながら神社の電子書籍も出版しました。独学では本を読み漁りましたが、きちんと習ったことがありませんでした。

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がっつり半年、1年ではなく短期間の講座で本物にふれるものはないかと探していました。ありました! 他の方の個人のブログで見つけました。1デーで神主の体験ができる講座がありました。正確には講座ではなく、まさに「神主体験」という体験学習でした。

なんとか仕事や用事を工面して参加申し込みをしました。
場所は川崎の稲毛神社でした。
行ってみるとその前を通ったことがある神社でしたが、それほど由緒があって大きな建物のある神社だというのはこの神主体験で知りました。

朝7時から午後3時までの予定でしたが、時間が押して午後4時前までかかりましたが、あっという間の1日でした。

朝神社に行くと「お仕事旅行ですか」と掃除をしていた職員の方が事務所の応接室に案内して下さいました。参加者は僕の他に女性が二人いらっしゃいました。お1人はなんと大阪からこの日のためにいらっしゃったそうです。もう1人は東京都中央区からのご参加でした。ちなみに僕は東京都世田谷区から参加しました。はじまる前に他の方とも少しお話できたので、打ち解けることができました。

応接室で待つと宮司の方が来て、1日のスケジュールの説明があり、祭りとは儀式のことである、という説明を受けました。男女に分かれ、白い袴に着替えさせてもらいました。

最初はお日供祭(にくっさい)といって毎日のお勤め、神様へのお祈りがありました。本殿の中で行います。宮司さんがお供えをしてお酒の蓋をあけます。果物などはその場に既に用意してあるのですが、お酒の蓋をあけることで、お供えをあげることを表すそうです。その後祝詞を読みます。その間、僕たちは頭を下げます。大麻(おおぬさ)というシデのついた木の棒を僕たちの頭の上で振ります。その後は、お賽銭箱の前で大麻を振ります。このとき丁度参拝していた人はラッキーです。頭の上で大麻を振ってくれます。

殿の額には小泉純一郎さんの「稲毛神社」という書がありました。
なんでもかつて横須賀と川崎が同じ選挙区だったときのご縁だそうです。小泉さん、好きなんでうれしいです。

第29代欽明(きんめい)天皇から幣帛(へいはく)と七串を賜ったそうです。戦火で焼失したためレプリカが飾ってあります。

ここで神様にお供えをあげたということで、先ほどの応接室で僕らも朝食をいただきます。赤米にお新香、みそ汁、玉子焼き、焼いた薩摩芋の輪切り、梅干し、昆布、メロン、リンゴ、想像していたよりもうんと豪華でした。仏教とは違って、肉を食べてはいけない、ということはないそうです。お祀りしている神様によっては、牛を食べてはいけない、キュウリを食べてはいけないという神社もあるそうです。ちょうど同じ参加者の方が福岡のご出身で地元にお祭りの期間だけキュウリを食べてはいけない神社があります、と教えてくれました。

(博多総鎮守(はかたそうちんじゅ)として知られる櫛田(くしだ)神社では毎年7月1日から15日にかけて開催される700年以上伝統のあるお祭り、博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)が開催されます。このお祭りで一番有名な禁忌は、山笠期間中はキュウリを食べてはいけないというもの。なぜなら、輪切りにしたキュウリの切り口が山笠の祭神、祇園神(素戔嗚尊(スサノオノミコト))のご神紋である木瓜(ぼけ)の花に似ている所から、ご神紋を口に入れることは恐れ多いということに由来するそうです。)

その後、境内の掃き掃除。僕を含めた参加者3人で竹ぼうきで砂利の上の落ち葉を掃いて集めました。
場を清めたところで、摂社の浅間神社の例祭です。お供えを置く台とお供えを手分けして運びました。例祭が終わった後は、再び本殿でお祓いがあります。このときは崇敬会の方と婦人会の方も参列していました。本殿でのお祓いが終わると、宮司さんと一緒にそれぞれの摂社を回ってお参りしました。ご神木の樹齢千年を超える大銀杏と6つの摂社をお参りしました。婦人会の代表の方も僕らと一緒にお参りしました。

摂社の浅間神社。富士山に登る前に参拝したり、富士山に登る代わりに参拝されてきました。例祭のために台とお供えを運びました。鯛のお腹を神様の側に向けます。海腹川背(うみはらかわせ)といって海のお魚はお腹がおいしいのでお腹を神様の側に、海のお魚は背中がおいしいので背中の側を神様に向けるそうです。
浅間神社の隣には「雲霧(くもきり)不動明王」の石碑があります。神仏習合の名残だそうです。稲毛神社は別名「川崎山王社」といって山王権現をお祀りしています。山王権現の称号は、天台宗系の神仏習合思想「山王一実神道」からきています。明治維新の折、立ち寄られた有栖川宮熾仁親王殿下のお言葉もあり、神仏分離の方針に従って名称も稲毛神社に変わりました。
ここでも二礼二拍手一礼


そうして、シデ作りです。シデ(四手、紙垂)とは和紙を切ってしめ縄や神棚に飾るものです。和紙と鉄の定規、カッターボードをもらって、見本をもとに教わりながらシデを作りました。作り終わったら、実際にしめ縄にシデをつけていきます。しめ縄のよれを反対方向に開くと隙間があくので、そこにシデを挟みます。シデ作りからシデをしめ縄につけるところまで婦人会の代表の方と一緒にやりました。一人一人シデをつけるのですが、その様子をみんなで携帯で撮ったり、婦人部の方に僕たち参加者3人を撮ってもらったり、とっても楽しく過ごしました。ここで婦人部の方とはお別れしました。


また応接室でお食事をごちそうになりました。

その後、神道についての講義を受けました。
それぞれのお祭りの意味や神職のなり方、神職の位の近いなどを教えていただきました。

失礼ながら、睡魔と戦いながら講義を聞きました。
神社について気になったことをいくつか質問させていただきました。


本物の神主さんと。ありがたいことに僕の方がいい格好をさせていただいております。
装束(しょうぞく)に合わせて草履(ぞうり)から沓(くつ)に履き替えます。


そしていよいよ楽しみにしていた装束を着せていただいて、記念写真を撮ってもらいました。お公家さんみたいな装束を着せていただきました。他の方のブログで見ていたシーンでとってもうれしかったです。

1日の神主体験のプログラムでは知識としてはまだまだ足りないことが多いですが、実際に袴を穿いて境内の掃除をしたり、お祓いをしたり、シデを切ったり、とっても楽しい1日でした。

この文章のタイトル、「優しい痛みが心地よくなる」は草履を履いていて親指と人差し指に挟まる鼻緒が結構痛くて歩く度に苦痛だったのですが、白い袴を穿いて神主さんの仕事を体験させてもらって、最後は神主さんより立派な装束を着させていただいて、とっても楽しい1日でした。

今度は祝詞(のりと)の意味や声に出して読むときのコツなど教わりたいな、と思いました。一緒に参加した女性方もとてもおきれいで気さくな方でした。また何人もの神主さんが僕たちのお世話をして下さったんですがみなさんとても親切でした。

身も心も洗われる神主体験。ぜひみなさんも参加してみては。
1日と15日に開催。事前申し込みが必要です。

#稲毛神社 #仕事旅行 #ヒーロー出版

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