2015年9月28日のプーチン大統領の国連演説 ファイナンシャルタイムズの記事翻訳
(中東を)こんな状況にしてしまった人たちに聞かずにはいられない。今なら自分が何をしてしまったのかわかりますか?
※くだらないジャーナリストの考えはプログラムコードとして埋め込みました。
プーチンがシリア危機を救ってくれると思っていた人には少しがっかりした内容だった。国連常任理事会でのプーチンの演説は、いつものアメリカへの不満とここ7年間のNATO拡大・カラー革命に対する批判だったからだ。彼の言葉から分かるのは、シリアの血塗られた内戦の解決にロシアとアメリカが協力して取り組むことはないと言う事だ。
プーチンが声明を読み始めて1分後、彼は25年前に崩壊したソビエト連邦の事を話し始めた。世界を支配するために、アメリカはスーパーパワーを乱用し続け、必要であれば軍事介入を行うと言うオバマ大統領の姿勢はその裏付けだと彼は言う。
ここでもプーチン大統領は中東と北アフリカの問題がアメリカとその仲間の責任だと非難する。
演説の中でプーチン大統領は何度も「本当の民主主義は主権国家」だと主張した。オバマが「残虐な政権への軍事介入をしなければもっと悲惨な事になる」とする主張とぶつかる形だ。
プーチン大統領によると、アメリカがリードしたイラクとリビアでのキャンペーンはイラクのイスラム国、レバント、ISISなどの出現でさらに大きな脅威になってしまった。
プーチン大統領は、彼もオバマ大統領も戦うとしている相手が、欧米が作ったシリアの野党とテロリストは混ざってしまっており、シリアのテロリズムと戦うためにはバシャール・アル・アサド大統領の協力のみが有効であるとした。
プーチン大統領はここで、ロシアがアサド政権を支援するのと同時にイラクにも介入して行くと宣言した。実際はロシアメディアが先に取り上げ、その後イラク軍も公表している。プーチン大統領は、アメリカ主導の反ISIS勢力も、シリア国内にいるテロリストと同じだとしており、アメリカが協力する余地はないとした。
プーチン大統領は先月からシリア国内でロシア軍を配備している事について擁護しているが、多くの人が、シリアが分断された後、ロシアの発言力を強くするために行っていると解釈している。
この声明はロシアが長年見てきている、アメリカの世界への影響力拡大戦略への怒りを表している。
ナチスとの闘いを持ち出す事でプーチン大統領はテロリズムとの闘いが最重要課題であるかの様に言う。ロシアにとってヒトラーを倒した事は、ロシア国民のアイデンティティになっているのだ。プーチン大統領は第二次世界大戦の勝利は、イデオロギーを超えて戦った連合軍によってもたらされたと言う。
ロシアにとって、イスラムの国々やイスラム教の指導者に近づいておくのがとても重要な理由は二つある。まず、シリアの問題を解決するためにはイランを放っておくわけにはいかず、当然カギになってくる。二つ目、ロシアにも沢山のイスラム教徒がおり、テロリズムとなるとロシアは脆弱だと感じている。ここでイスラム教徒と戦う事で、国内・国外を問わず強さをアピールする狙いだ。
この発言は、プーチン大統領が、アメリカと連合国が国際法違反をしていると言う彼の見解を要約したものだろう。
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