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なぜSweet Dreamsはライブで乗りやすいのか?

らぷりアドベントカレンダー3日目の記事です。2日目はこちらから。

こんにちは。
初めましての方は初めまして。
ジャンクと申します。

まず、今回の記事を書こうと思った経緯を説明させてください。

はじめに、私は趣味でDTM(楽曲製作)をしており、一般の方よりは多少音楽に詳しいため、どれか1曲を選んでその曲の音楽理論を解説する記事を書こうと考えました。
そして、どうせなら私がらぷりすになったきっかけである東名阪ツアーライブで、衝撃を受けた曲にしようと思いました。
そうして選んだのがSweet Dreamsです。


この曲を初めてライブで聴いたとき、

『…乗りやすすぎる!』

と私は感じました。
だから、この記事では「なぜSweet Dreamsはライブで乗りやすいのか?」というテーマでその理由を紐解いていこうと思います。

駄文ではありますが、どうぞよろしくお願いします。

※内容に誤りや分かりにくい表現がある場合がございます。
その場合はリプライやDMでご指摘、ご質問いただけると幸いです。


1. 韻

Sweet Dreamsにはが散りばめられています。
韻とは母音の揃った言葉の羅列です。
例えば「アイス」であれば母音は「a i u」であるため、「タイプ」や「財布」、「ワイン」等が該当します。

Sweet Dreamsの話に戻ります。

刺激が欲しい 脳内はParalyzed
フリルのDress 潜む罠 Truth or Lies
Rabbit Hole 迷っても止まれない
はぁ なんか つまんない

「【MV】Sweet Dreams / La prière」の概要欄より引用

1行目の「Paralyzed」と2行目の「Truth or Lies」の後ろの3文字が「ra i zu」で同音異義語(子音まで合っており通常の韻より高度)となっていたり、その後の3行目の「止まれない」と4行目の「つまんない」も「a i u」の前半部分である「a i」を引き継いで韻を踏んでいたりします。
この他にも韻がたくさん踏まれているため各々で探してみてください。

韻を随所で踏むことでリズム感を良くしたり、耳なじみを良くしたりすることができます。
特にリズム感が良いと拍を掴みやすくなるため、乗りやすいというのに直結します。

2. コード進行

そもそもコード進行を理解している人が少なそうなため、その説明からさせてください。
ざっくりと説明するとコード進行とはメロディの設計図みたいなものです。
コード進行を決めるとメロディに使える音に制約が生まれ、そのコード進行の持つ特有のイメージを曲に持たせることができます。
コード進行についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

さて、本題に戻りますがもちろんSweet Dreamsにもコード進行があります。
Sweet Dreamsには6543進行というコード進行が使われています。
同じコード進行が使われている曲としてはナユタン星人さんのエイリアンエイリアンなんかが有名です。


このコード進行は、だんだんと音が下がっていくようなコード進行で、ダークなイメージやどこか物悲し気なイメージを曲に持たせることができます。
Sweet Dreamsはこのダークなイメージをメロディでさらに強調させており、
それがライブ会場の薄暗い雰囲気によく合うため、聴き手は没入感を高めることができて乗りやすくなります。

3. リフレイン

Sweet Dreamsにはリフレインという技法が使われています。
リフレインとは特定のメロディを繰り返す技法のことで、聴き手にそのメロディを印象付けやすくする効果があります。
主にクラブミュージックなどで多用されていています。

以下のファイルをダウンロードして聴いてみてください。

ダウンロードできない方はSweet Dreamsの0:00から0:06くらいまでのイントロ部分をお聴きください。

Sweet Dreamsだとこのメロディがリフレインに該当します。
以上を意識した上でSweet Dreamsを聴き直してみてほしいのですが、
実はこのメロディが楽器は違えど絶え間なく鳴り続けていることに気づくはずです。
これは、ライブで乗りやすいかどうかに直結しています。
聴き手は一度そのメロディのリズムを掴んでしまえば、後は同じメロディ、リズムが根幹にあるため、非常に乗りやすくなります。

4. ビルドアップ

Sweet Dreamsにはビルドアップという技法も使われています。
ビルドアップとはEDMでよく使われる技法で、曲の途中で短い空白部分(完全に無音とも限らない)を作ったり、ドラムの細かくしていったりすることでそのあとの盛り上がる部分を引き立てるという効果があります。Sweet Dreamsだとこの部分です。
「刺激ほしい脳内は~潜む罠 Truth or Lies」の部分のドラムより、「Rabbit Hole 迷っても止まれない」の部分のドラムの方が細かく、さらに「はぁ なんか つまんない」の部分のドラムの方がより細かくなっているのが分かるでしょうか?
また、「醒めないで」の部分が一瞬空白になっているのが分かるでしょうか?
こうすることでその後の「Sweet Dreams~」の部分を引き立たせています。
これがライブでは一体感を生むことに繋がります。
全員が感覚的に盛り上がる部分を共有できるためです。

5. 最後に

本記事はできるだけ音楽を知らない人にもSweet Dreamsのすごさが伝わるように細かい説明をあまりしなくても想像、体感できるような特徴や技法しか扱いませんでした。(つまり、まだまだすごさがあるということです)
今回はその一端だけでも伝えられていたら幸いです。
結びになりますが、主催のEtrisさん、校閲に付き合って頂いた方、読んでいただいた皆さんに感謝して記事を終わろうと思います。

本当にありがとうございました。

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